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....そうだ!。
アドレス・ノートに名前が載っているかもしれない。
スマート・フォンの画面をタッチして、アドレス・ノートを開く。
その名はすぐに見つかった。
榊 薗子 sonoko_s@avis.pdx_ne.jp 070-5011-5255
榊? 薗子?
アドレスに記載した日付は、1年前の4月になっている。
と、言う事は、僕はその子と1年前から...と言う事になる。
いよいよ、訳が分からなくなってきた。
1年前は、僕が高校に入った年だ。
それに...。
薗子の住所は、隣町になっている。
どこでどうして知り合ったのか、分からなくなってきた...。
ホーム・ルームが終わり、1限目の数学。
僕は、数学は割と得意だが、その事が気になって上の空。
....ひょっとして...。
メールの記録を見ると、クリスマスに僕らはデートしていたり
お正月に初詣したり。
ヴァレンタインに、些細な事で喧嘩したり....と
幸せそうなカップルが、メールの中で物語られている。
自分の物語の筈なのに、まったく記憶が無いのが空しい。
しかし、その子も僕を知っていて、だから...。
鍵を渡したのは、去年の秋頃.....。
鍵?
僕は、ふと気づき、鞄の中の革のキーケースを確認した。
もうひとつは、コインケースの中に、リボンをつけて入れてある。
すると........。リボンをつけて入れておいた筈の、部屋の鍵が無くなっていた。確かに、ここに入れた筈なのに.....?




