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一途な想い

一途な想い

作者: みみ
掲載日:2026/10/03

「別れてほしい。」

…

「ごめん、好きな人ができた。」

…

「好きなだけで、まだ付き合ってない。」

「そう。じぁあ、最後に抱いてくれないかな。」


…っ

好きな人が他にいても抱けるんだ。ははっ

「あっ あっ あーっ みゆき…」

あー、出会っちゃったんだ…

「最後のお願い、聞いてくれてありがとう。」

そして、別れた


「兄貴の彼女もみゆきさんっていうんだ。」

「私と同じ名前なんだね。」

「すごくキレイ人、僕の憧れの人なんだ。」

「そうなんだ。(憧れか…)」

憧れだけなら問題ないと思ってた。


「兄貴と彼女、別れてたみたいなんだ。結婚してお義理姉さんになるんだと思ってたのに…。

この間、車の中にあった手紙を見ちゃったんだ。

彼女、他の人と結婚して、お子さんも生まれたんだけど離婚したらしい。」

「そんな報告、別れたお兄さんにするんだ。」

「俺、守ってあげたい。なんで兄貴は何にもしないんだ。」

私は守りたいたい存在じゃないってことか。それにしても、どうして私にそんなこと言うかな…。


そういえば、前にそんな話をしたな…

出会うべくして会ったのか、会いに行ったのか、ふたりは出会ってしまったんだね。

その日、私は自分の名前が嫌いになった。親不孝かしらね。


思い出が多すぎるよ。

よく待ち合わせた駅を通り過ぎるだけなのに、涙が次から次へと溢れてくる。この道もよく歩いたな。



今頃どうしてるんだろう。気になって電話した。

「元気にしてる?」

「うん。」

「彼女とはどうしてる?」

「結婚する。」

「…。いつ?」

「明後日」

「おめでとう…」

「ありがとう」

「会いたい。最後に会いたい。」

「…うん」

「じゃあ、明日」

「うん」


会いに来てくれたのは、彼のお母さんでした。

「これまでありがとう。結婚するなら、家庭的なあなただと思ってた。」

「そう言ってくださって、ありがとうございます。私も皆さんと家族になれると思ってました。」

「息子のことは忘れて、幸せになって。」

「忘れられません。ご家族皆さん、お幸せに。」

そして、別れた。


ああ、バカだったな。結婚式の前日に会いたいなんて言って。親なら反対するよね。

結局、息子の幸せを守るためにお母さんが登場したってことだよね。二人を認めてるってこと。

それとも、息子が元カノに刺殺されるとでも思われたのかな。そんなことしないのに。

私はあなたの息子さんの幸せを願ってます。そして、ただ最後に笑顔を見たかっただけなんです。


別れて一年で結婚か。私のことなんて最初から好きじゃなかったんだろうな。だから、結婚の話も躱されてたのか。ははっ

ただの憧れじゃなく、一途な思いだったんだね。

あの人には敵わない。

私の思いは叶わない。


私の隣にあなたがいなくなっても、この恋が叶わなくても、あなたを想っていていいですか。

だから、別れの言葉は口にしない。



あれから何十年経っただろう。

今も幸せですか?あの人と一緒ですか?

なんであの人なの?私じゃダメだったの?

私は今でもあなたがその通りから会いに来てくれるんじゃないかと探してしまう。

あなたは私を思い出すことはありますか?学校の帰り道、待ち合わせた駅、見送ってくれた駅のホーム、よく乗った電車…。

私はあの電車に乗ると、いまだに景色がぼやけます。まだ流れる涙があるみたい。気持ち悪いよね。こんな気持ち、消えてしまえばいいのに。

私が消えればなくなるのか。この涙も、想いも。

でも許してね。これが私の生きる原動力だから。

生まれ変わったらまた会えるでしょうか。今度は死が二人を分つまで一緒にいられるでしょうか。


会いたい。




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