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土魔法しか使えない僕が、●●の●●になるまで(タイトル未定)  作者: ハッカ飴


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02_風の少女


「ねえ、ハツカ! また来たよ!」


窓の外から、明るい声が聞こえた。リーナだ。

隣の家に住んでいる同い年の女の子。僕が引きこもるようになってから、なぜか毎日のように訪ねてくる。


「今日も天気いいよ! 一緒に外で遊ぼうよ!」


僕は部屋の隅から首を横に振る。外は怖い。


「むー、ハツカは相変わらずだね。じゃあ、せめて窓だけでも開けて! 今日はすごいものを見せてあげるから!」


リーナの声には諦めた様子がない。いつもそうだ。彼女は何度断られても、翌日にはまた来る。


母さんが「リーナちゃんは良い子ね」と嬉しそうに言っていた。

僕も別に悪い気はしない。ただ、外に出ることだけは...


「ハツカ? 聞こえてる?」


渋々立ち上がり、窓に近づく。カーテンを開けると、リーナが笑顔で立っていた。

栗色の髪を二つに結んで、緑色の瞳がキラキラと輝いている。いつも元気で、まぶしい。


「やっと出てきた! じゃあ、見てて! ずっと練習したんだから!」

「練習...?」


リーナが庭の真ん中に立つ。両手を広げて、目を閉じる。

次の瞬間、彼女の周りに風が巻き起こった。


最初は優しいそよ風。それが徐々に強くなり、リーナの髪を激しく揺らす。

そして―


ふわり。


リーナの体が、地面から離れた。


「うわ...」


僕は窓に手をついて、目を見開く。

リーナは空中で浮いている。地面から二メートルほど。風に乗るように、ゆっくりと舞い上がる。


「見て、ハツカ! 飛べるようになったの!」


彼女が笑顔で叫ぶ。そのまま空中でくるりと一回転。栗色の髪が風に舞い、まるで妖精みたいだ。


「すごい...」


僕の口から、自然と言葉が漏れる。

リーナは優雅に着地した。少しふらついたけれど、すぐに立ち直る。


「どう? すごかったでしょ!」

「う、うん...すごかった。」


本当にすごい。いままで飛んでる人は見たことがない。

それと同時にうらやましい気持ちを感じた。

がんばってこの気持ちを押し込める。


「そうそう! 風魔法! 私、やっとここまで使えるようになったの!」


リーナが誇らしげに胸を張る。

どうやら、風属性が彼女の得意とする魔法らしい。


「あのね、ハツカ」


リーナが窓に近づいてくる。その緑色の瞳が、真剣な光を帯びる。


「あのね、気づいたことがあるの」

「気づいたこと?」

「うん。空に浮かぶとね、世界が広く見えるんだよ。村全体が見渡せて、森の向こうまで見える」


リーナが空を見上げる。


「そしてね、高いところから見ると...怖い魔物も、ちょっとそこまで怖くないように感じるの。小さく見えるっていうか」


その言葉に、僕の胸が少し温かくなった。


「だからね、ハツカももっと魔法が使えるようになったら、もしかしたら」

「僕も...?」


リーナが頷く。


「うん! きっとハツカにも魔法の才能があるよ。だって、この村の子供はみんな、十歳くらいになると魔法が使えるようになるんだもん

 ハツカは誰よりも早く魔法が使えたんだから」

「でも、僕は...土属性しか...」

「大丈夫! 一緒に練習しよう? 家の中でもできるよ!」


家の中でもできるのは知ってる。

毎日練習だけはしてる。


なぜだか今日は、リーナのその明るさに、少しだけ勇気が湧いた。


「わかった...じゃあ、一緒にやってみる」

「そう来なくっちゃ」


「あの、その、」

「なに?」

「どこまで高く飛べるの?」

「高く飛ぶことはママからとめられているけど

 今日はなんだかうれしいから特別。内緒ね」


そういいながら、どんどん高く飛んでいく。

姿は豆粒くらい。高さはもうわからない。


土属性の魔法でも、練習すればあんな風にすごいことができるかな。

土属性はあまり練習しなかったけど、練習してみようかな

十歳になっても、四属性使えない僕は才能はないんじゃないかな。


ポジティブとネガティブな考えを繰り返していると、リーナが何か叫んでいる。

高すぎて何言ってるかわかんないや。


と見上げると快晴で太陽がまぶしい。

そういえば空久しぶりに見上げたな。



家族構成

   ハツカ・クレイ

 父:デイル・クレイ

 母:リナ・クレイ



お隣さん

   リーナ・ハーヴェイ

 父:ガルド・ハーヴェイ

 母:エルナ・ハーヴェイ

 兄:カイル・ハーヴェイ


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