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しらたま物語  作者: 忽那 和音
-白月玉穂の章- 春の章
8/51

 お花見シーズンで忙しくなる一か月前。

 玉穂は営業を終えた夜に店内飲食用の試作品を作っていた。

 春と言えば、桜。

 しかし、盆地に置かれている甘味処・玉月にとっても桜の花びらや葉の入手には高い費用を費やさなければならない。

 そこで、桜だけが、春のイメージではないと割り切り、苺と桜色や桃色のような同系統の色でまとめようと試行錯誤している。


 去年も好評だった春のメニューとして桜味のアイスクリーム最中、苺アイス最中、苺あんみつ、苺大福、苺クリーム最中、クリーム桜餅を売り出す予定。

 そして、試作品として、葉桜餅あんみつを考えている。


 試作品の評価を様々な世代・性別の人達へ行う。試作品をサービスで食べてもらう代わりにアンケート用紙へ評価を書いてもらうようにお願いを続けた。

 総合的評価としては塩気がきいていて、お餅が美味しいということだったが、ほかの食材たちの存在感が薄れていると書かれた。


 この結果を踏まえて、数日考えたが……。

(とりあえず、葉桜だから、真みどりにすればいいんじゃね!)玉穂は壊れた。


 学校でも塞ぎがちだった彼女の様子を心配した同じ店長(仮)や経営者(仮)、看板娘と飲食店の立場を理解する伊久実とこむぎが改良を重ねている葉桜餅あんみつを食べに、甘味処・玉月へやって来た。

「どうぞ」

 玉穂は二人に試作品を出した。

「ふーん」

 伊久実は内容を確認した。

「見た感じ、彩はいい。真みどりにしなくても、味に新しさを加えればいいから、ソースとか、あんみつに入れなさそうな果物とかを入れればいいのでは?」

 伊久実が的確に試作品に対して評価をした。

「私もそう思う。はむんっ、ふんふんふん……。お餅の塩気が強いから、柑橘類とか、ちょっと酸っぱい系のものを入れてみれば?」

 こむぎは甘い系のものからガラッと変わった食材を提案した。


 営業終了後、玉穂は二人の意見を参考に、レモン、みかん、グレープフルーツ、キウイなどを合わせてみた。


 三日後。再び、二人に甘味処・玉月来てもらい、意見をまとめた後に改良した葉桜餅あんみつを食べてもらった。

「うん! 最初の頃よりも良い!」

「これなら、普通のあんみつと違う印象で春の終わりくらいでも全然いいイケる」

 二人から好印象を受けた葉桜餅あんみつは甘味処・玉月として唯一出店するお花見祭りに屋台形式で店内商品を販売する。

 毎年のことだが、玉穂の友人であり、同業者の伊久実とこむぎのお店も一緒に出店される。

 それは甘味処・玉月の左右隣同士だった。

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