表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しらたま物語  作者: 忽那 和音
-白月玉穂の章- 春の章
5/51

 玉穂達は甘味処着いた。

「ただいま~。お客さん二人です」

「お帰り」

 その声は両親の声や、甘味処で働く従業員さんたちの声でもなかった。それは、常連の銀髪イケメンだった。

「あら、今日もいらっしゃったんですね」

「最近は甘いものが欲しくてね。それらのお嬢さんたちは同級生?」

「そうですよ。飯森(はんもり)食堂の店主(仮)の飯森(はんもり) 伊久美(いくみ)とむぎまめ麺生家の麦荳(むぎまめ) こむぎちゃんです」

「うーっす!」

 伊久美は軽い挨拶をした。初対面の成人男性に対しては軽すぎる気もするが常連さんはニコッとした顔をした。

 ただ一人、口を空いたまま男性を見つめる少女がいたが。

「あっ、あっああっ……」

「むぎ、どうしたんだよ。開いた口がしまってないぞ」

「ふふっ……、可愛いね」

 その言葉に何かの攻撃力があったのように玉穂や伊久美には見えなかったが、その時、こむぎは倒れてしまった。決して、病気などではない。それは、恋? なのだろうか。

 

「ふっふぁ――――――、良く寝た」

「大丈夫、急に倒れちゃったけど」

「大丈夫です。大丈夫でっ――――――」

 こむぎは、急いで横になっていた畳から伊久美が座っている場所の裏に移った。

「あ――――――は、は、はっ。僕、嫌われちゃったかな」

「いえ、お兄さんは嫌われてはいないですよ。こむぎは仕事以外で男性と関わることが少ないので、緊張しているんです。特にあなたには」

「え! 僕に? ごめんね、こむぎちゃん」

「いっ、いえ、私も急に倒れてしまいましてお騒がせしました……」

「へへー、むぎ男慣れしてなさすぎー! これじゃ、お兄さんに付き合っぶっ!」

 こむぎは伊久美の口を塞いだ。

(この子、普段はのんびり、おっとりしているけど、急なこととなると恐ろしいわね)

 玉穂はこむぎの今後の成長を心底(しんそこ)不安になり、恋のライバルとなったらと思いと恐怖を感じた。幸い、玉穂には思いを寄せる人はいない。このまま、平穏にこむぎが大人になってくれ! と玉穂は後日、社殿で懇願するのだった。

 

 伊久美、こむぎは注文した特製あんみつを食べ、仕事場へ。こむぎと仲良くなった銀髪のイケメン常連さんも二人と同じタイミングでお店を後にした。

 

 玉穂は今日の収穫がこむぎの意外な一面を見たことだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ