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しらたま物語  作者: 忽那 和音
-麦荳こむぎの章- 秋の章
45/51

拾漆

 甘味処・玉月の気絶事件以降。

 度々、一緒になっていた刑事さん。一体、この人は何の目的があって、私たちのこんな近い距離で一緒にいるのか。

 こむぎにはそのことが全く分からない。

 その反面、こむぎの中には刑事さんへの気持ちが片思いという形で募っていた。


 ある日の夕方。

 甘味処・玉月であんみつを食べている刑事さんに聞いた。

「刑事さん……」

「うん?なんだい?」

「なんで私のもとへこんなにも話しかけてきてくれるんですか?」

 口から自然にこの言葉が出てきてしまった。それも、いつもより、玉穂と伊久実と喋っているときの声よりも少し落ち着いた声でその台詞を口にしていた。

「こむぎちゃんが面白いからかな。あと、子供たちの安全を守るのは刑事としての仕事だしね」

(それは、そうよね。だって、私はまだ、小学六年生だもの……)

「成長していけば、気持ちには気づけるから今は、学生としての生活に集中してみるのはどう?」

その言葉にこむぎは何も言っていないのに、自分の心中を察したことを言われ、思わず心の声が話し言葉として出てきてしまった。

「刑事さん……って、イケメンの顔をして、ちょっと怖いですね……」

「えーー、僕、そんなに怖かった」

((いや、察しろよ……))

 玉穂と伊久実は心の中で同じことを口にした。

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