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しらたま物語  作者: 忽那 和音
-麦荳こむぎの章- 夏の章
42/51

 放課後に起きた強盗事件は犯人の現行犯逮捕で幕を閉じ、こむぎも精密検査の結果は問題ないということだった。その日の夜はこむぎ、伊久実、玉穂の三人で過ごした。その裏ではイケメンの刑事さんとこむぎの家族と仲良くなっていた。

「今回はうちのこむぎがお世話になりました~~」

 こむぎの母が刑事さんと話していた。

「いいえ、怪我も無くて良かったです」

「これからもよろしくお願いします」

「はい」


 その日は九時ほどで解散した。

 次の日も何不自由なく登校した。そして、一学期期末テストまでこむぎは時々お店にやってくる刑事さんから勉強を教えてもらっていた。


「凄い……」

「いいな~~。私も刑事さんから教えてもらいたい!!」

 こむぎの理科の科目はほとんど満点だった。

 こむぎの所属するクラスだけでなく、学年全体から見ても高い成績だった。

「こむぎさん、頑張りましたね」

 担当教員からもお褒めの言葉を頂いたこむぎだった。


 夏休みが始まり数日。

 銀月神宮外宮の境内に置かれている空き家を改装し、玉穂の甘味処・玉月、伊久実の飯森食堂。そして、こむぎのむぎまめ麺生家の期間限定合同店舗が今回限りの出店をする。

 三人と各お店のスタッフは手伝いのために空き家に来ていた。

「玉ちゃん、ここに置けばいい?」

「そうだね。とりあえず、そこに置いといて」

「玉、あまてんぱりすぎんなよ」

「安心して自分のペースで作業をしているから、皆さんも度々休んでくださいね」


 なぜ小学六年生の三人組で夏祭りのお店を経営するのか。それは、夏休みに入る前に稲荷餅の商工会議所、商業組合、労働組合。そして、夏祭りの場所を提供をする銀月神宮・外宮の宮司達による会議で稲荷餅総買収計画と書かれた資料を見せつけられた。

 提供・運営を行う実行委員会達はまだ資料上でしか把握していなかったが、警察にも捜査の協力を要請した。

 司法で対策をとるが、自分たちの力を見せつけるためにも、自分たちで相手よりも多くの収益を獲得して阻止しようとする案が出ていた。

 そこに一役かってもらおうとこむぎ達も会議に集められた。


 稲荷餅総買収計画が町中に噂されていた頃。

 こむぎと伊久実は放課後に玉穂の甘味処・玉月であんみつを食べていた。

「私達もこんな若いのに稲荷餅の命運を託されてしまうだなんてね」

 伊久実は右肘が机に立てながら顔を支えて何やら格好いいような雰囲気を出していた。

「そんなにかっこよく言わないでよ。要するに私たちが死ぬ気で働いて僕たちの代わりにこの町を守ってくださって言われているようなものなのよ。プライドが無いのかしら」

 玉穂はお店の仕事をしながら話に付き合っていた。

「いや~~、流石に飲食店経営者とかの気持ちをあると思うよ。けど、ターゲットの会社があまりにも大企業だから言っているんだよ」

「でも、この三人と系列のスタッフさんが助けてくれるから私達の合同店舗って言っても営業に影響はなさそうだからまだいいわ」

「まあ、そうだね」

 三人は事実上、町の運命を抱えているのにも関わらず、呑気に言っていた。


「まだ、小学生なのに三人ともお店とか、町とか、色々と大変だね」

 そこには特盛あんみつを食べているイケメンの刑事さんがいた。

「いつの間に!!しかも、あんみつ食べてるし!!ていうか、刑事さん、何か聞いているんですか?」

 伊久実は刑事さんに聞いた。

「いっいや~~、な~~にも~~」

「何か裏がありそうやな」

「伊久実。悪い顔してる。でも、何か知っていても刑事さんは立場上何も言えないと思うよ」

「そうだよ!!刑事さんは何も知らないの!!」

「二人してなんだよ~~刑事さんをかばって」

「あまりしつこいと本当に逮捕されちゃうわよ。未成年だけど……」

「分かったよ」

 伊久実は追求するのを諦めた。

「でも、刑事さん。本当に何も知らないんですよね」

「今は何も言えないよ。でも、当日は警備で周辺にはいる予定だから何かあったらすぐに連絡するんだよ」

「「「はーーい」」」

 それは小学生である彼女たちに危険が及ばないようにするためだった。

 刑事さんは当日の行動としてアドバイスをした。

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