レビューを書こうと思っても
[注意]これはあくまで「文系脳2次創作」
レオノーラ還俗日の後夜祭&新巻発売前夜祭として、中村先生にスポットをあつつ、その作品のレビューを書いたと言う内容です。断じて「ふつつかな悪女2次創作」ではないからね、そこのところだけ、よろしく頼むぜベイビー
中村先生の書籍「ふつつかな悪女ではございますが」にハマった私はある日、ふと思い立った
そうだ「慧月様チャレンジ」をやってみよう
「慧月様チャレンジ」とは書籍版「ふつつかな悪女ではございますが」作中にて慧月様が玲林に指示された鍛錬を行う、原作者非公認チャレンジだ。ちなみに、まだ達成者はいない。ついさっき考えたばかりだからね。
具体的は、左右の片足立ち及び腕立て伏せを各30分、腹筋と背筋を各500回。
原作の五巻にでてきた内容だ、中村先生が先日リポストしていた漫画版41話にも出てきた、頑張る貴女は美しい。
流石は玲林様、かのワンパ◯マン様のトレーニングよりも過酷だ。だがそれがいい。漫画的な修行って一度はやってみたくなるよね!
ちなみに作中では限界まで鍛錬した後での追加課題という扱い。また玲林なら「腕立て伏せは、ゆっくり2秒で下ろして、弾みをつけないように1秒止めて、また2秒かけて上げます。顎が床につくまで肘は深くまげましょう」とか幕間で言ってたりするのだろう。
しかし今回はダマでハードルを下げます。条件はこちら↓
「元気な日に朝から晩まで1日かけてメニューをこなせれば合格。各種目20回×25セットや5分×12セットみたいに分割でやるのも可。腕立て伏せは30分を500回に変更可、反動を使っていいし関節の曲がりは多少浅くてもOK。」
この条件ならスキマ時間を使ってトータル2時間くらいあればギリギリ何とかなる、多分。原作準拠しろって?それはそうなんだけど、厳密なやり方で30分ぶっ通しで腕立て伏せとか絶対挫折しちゃうからね。あとタイマー止め忘れとかしそう。挫折して癇癪をおこす慧月様も趣があるが、どうせなら達成してドヤる慧月様になりたい。
そう、わたくしは今宵、ドヤり慧月様になるのだ。なーに、彼女と私は、顔と声と可愛げの有無と生きる次元と性別くらいしか違わない。すなわち全て違うという根本的な問題があったのだが、その時私は、都合の悪い現実からそっと目をそらすことで華麗に問題を解決した。
で、その日の晩に「根性!」とか言いながら産まれたての小鹿のようになりつつ(腕立て伏せラスト100回が本当に鬼門だった)なんとか達成したワケなんだけど、その時「人間、根性と中村先生への敬意さえあれば大抵の目標は達成できるのだわー」とハイテンションになった私は下記のようなことを思った
(1)今なら「なろう版ふつつかは既読で中村先生のファンだけど、書籍版はまだ未読」って人が、思わず書籍版も読みたくなるようなレビューだって書けらあぁぁぁ!(今思うと脳内麻薬が出てハイになっていたのだろう、翌日から3日は筋肉痛だった)
(2)なるべく事前情報なしで読んでほしいので、重大なネタばれは禁忌とする。その上で各巻の、個人的にツボだったというか、己の性癖にぶっ刺さったところをピックアップして紹介しよう。あと、書籍既読組も読んで「確かにここも好きいぃぃぃー!」って思ってくれたら嬉しいな
(3)ふつつかな悪女web版の欄に、レビューを書こうと思っても、圧倒的に文字数が足りない。あと、昔書いたレビューもいい思い出で消したくない……そうだ、文系脳2次創作の欄をお借りして書こう。読みに来てくれた人はもれなく先生の作品が大好きなはずで、もしかしたらその中に、書籍版未読者がいるかもしれないからね!
そうして書いているうちに「あそこも、ここも、全部すきいぃぃぃ!」となって筆が走り出して、巻数が進むほど文字数が多くなっていき、中村先生がXでおっしゃっていた「長編の執筆に必要なマイルドな狂気」と言う概念がちょっとだけわかりました。
その結果できた怪文書がこちらになります。
web版既読、しかし書籍版は未読のなろう読者向け
ふつつかな悪女ではございますが 書籍各巻レビュー
[1巻]
なろうに掲載されていたお話がベースになっているのだけれど、おそらくなろうの感想欄も参考にしつつ、すごく加筆、改訂がされていて、もともと高かったクオリティが更にあがっている。だからなろうで一回読んでいて、感想欄も含めて楽しんでいた人ほどぶっ刺さると内容だと思う。
加筆として、はweb版だとテンポ重視のために、深く読めば行間でわかる位の按配でサラッと書かれていた殿下の内心や行動原理がよりわかりやすく説明されてたりと、さらに親切な設計になっている(web版保存してなくて記憶頼りです。細かい見比べができていないから、たぶんだけど……)。
改訂の一例としては、web版の感想欄で「箒星と流星って厳密には違うかも」や「昔の中華では、ほうき星って凶兆かも」など博識な感想返しを拝読した時があって、個人的にはその時「はえー皆博識で凄いなぁ......でもまあ、この宇宙ではこうなってるジョージルーカス式で楽しめばいいか」とか思っていた部分が、書籍版では巻頭の導入部や巻末の特別編でうまくエピソードとして昇華されていて、読んでいて思わずにやにやしちゃった。
[2巻]
この巻もなろうに掲載されていたお話がベースになっているのだけれど、一巻以上に加筆がすごおぉぉぉい!
個人的に素晴らしいと思ったのは、慧月の後見人の朱雅美さんが書籍版ではめちゃくちゃ深く掘り下げられていて、皇后の絹秀も掘り下げられていて、二人の若いころのエピソードとかもあって、最後の方には二人の会話とかもあってめちゃくちゃエモかった。中村作品の十八番、ざまあとは異なる爽快感、いいですよね。
あとこれはすっごい余談だけど、後の巻で自業自得で幽閉されることになる淑妃様、中村先生のXを拝読すると「その後の救済エピソード考えたけれど需要がないから書いていないよ」とのこと。でもいつか見たいなーと思ってみたり......ほら、朱雅美さんみたいに、中村先生が若き日の闇落ちする前の彼女の話を書いて、それにゆき哉先生のイラストがつけばみんな手のひらグルグル大回転すると思うんですよね。
そもそも、後宮よりは大分ましだけど、雛宮もシステム的にWin-Loseで足のひっぱりあいになりやすいのよね......親世代は拗らせちゃった分、琳琳世代は幸せな大円団を迎えてほしいと願わずにはいられない。
また、特別編では、なろう版だと玲林がヒーローすぎて、いまいち輝けないままエンディングを迎えてしまった殿下がさっそく名誉挽回します。
私事で恐縮ですが、Web版ふつつか悪女2020年7月13日21時59分の感想返しの<良い点>にて、殿下株がまだ安い時に買い注文をしていた自分をほめたい。
あ、でも<一言>の欄の最後に「入れ替わり後の鋼様強すぎ、この女が皇帝になればいいと思うよ(笑)」って書いてたわ
こんな事が書けるのも感想欄が残ったお陰です。中村先生のご尽力と、許可を出した一迅社様に感謝。そして、当時ショックもあったろうに、活動報告に民度の高いコメばかり投稿していたファンの鏡の皆様に敬意を表します。
[3巻]
表紙の折り返しから面白いの本当にずるいと思う。なんなの「文字数が爆発してしまった結果、1ページ当たりの行数が増えてしまいました」って。「ちょっとお得な3巻」、とか先生は書いていたけど、ページ数も30ページくらい増えてますよね。凄くどんぶり勘定だけど、3万字以上?(中編小説1冊分)増えているのは絶対「ちょっと」じゃない.....!
そしてこの巻から、なろう版からは完全に離れ、完璧で無敵のオリジナルストーリー、金輪際現れない一番星の生まれ変わりで誰もかれもが虜にされていくこと請け合いの展開になります。
で、ネタバレはしたくないんで詳細は伏せるんですけど、玲琳のお兄ちゃんが出てきます。それも二人も!もう、これだけで面白いと思うじゃん。期待しちゃうじゃん......予想の3倍は面白いよ!超☆面白いよ!(前のめり)。
特に私は長兄の圧倒的なアニキっぷりが性癖にぶっっ刺さりました。名作少年漫画のアニキキャラたちに負けないくらいの圧倒的アニキっぷり。ラノベ界三大アニキとしてここに認定します。でもって、それに全く食われず化学反応を起こしてよりキャラ立ちする鋼様は本当にすごいお方だと思う。
[4巻]
慧月頑張った、本当に頑張った、成長した、偉い!殿下もしっかり漢を見せた、格好いい!そんな名シーンが多いなかで、めちゃくちゃインパクトつよつよだったのが、伏字ばっかりで申し訳ないのだけれど、3項の「○○、■く」ってエピソード。
目次を読んだときは、「ああ、君も条件が整えばそうなるんだね。いい意味で意外」くらいに思ってたんだけど、読み進めるうちにそれまで1000ページにもおよぶ前振りがあったのにまだ■かず、その後あんなお辛い展開になって、そら■くよなってなったのにまだまだ■かず、逆に笑って○○を■ ■■させようとするの覚悟ガンギマリで驚愕した。その後、最後の一押しがあってようやく■■たんだけど、この子が■■にはここまで条件整える必要があるのかと逆に圧倒された。そしてそれは弱さの発露ではなくむしろ成長と思えるのがエモくてね……もう、この機会にしっかり■■ときー、と思っていたら1ページもたたずに持ち直して活躍するの愉快痛快すぎる!
敵役のキャラや陰謀のギミックも凝っていて、一筋縄ではいかない強敵なんだけど、鮮やかにひっくり返す爽快感がすごい、中村先生すごおぉぉぉい!
[5巻]
これは本当に個人的にツボっただけのポイントでかたじけないのだが、書いちゃう。序盤に、玲林に将棋で負かされた娘が棋譜を書くシーンがあって、「中村先生は本当に何でも上手いなぁと」思った。後で対局思い出して棋譜を書くのって、日本の将棋基準で考えると、プロを除けばごく一部のつよつよ高段者クラスにしかできないんですよね。で棋譜を書ける娘の棋力は凄い→それに勝てる玲林お姉さまヤバいって言うところまで、さり気なく、しかし明確に表現出来ている。これには描写に厳しい将棋パトロールもニッコリ。
で本編なんだけど、なろう版だと(笑)がつくことの多いシリアスさんが猛烈に輝いている!!一気読みできる分、こう言う表現や展開に思い切って文字数をさけるのも書籍版の強みですよね。普段なろう掲載作品では手加減というか、シリアス分量を自重して下さっている中村先生が、「上手いこと勘違いさせる圧倒的文才」でちょいとシリアス多めの方向に舵切れば、なろうの感想欄は阿鼻叫喚になるんだろうなって言うのが良くわかった。
スリリングで読み応えがあって、素晴らしいお話なのは変わらないんだけど、もしもなろうの連載でこのレベルのシリアスをされたら、先が気になりすぎて読者の日常生活に支障がでるレベルだと思う。シリアス回を挟むときは1日3回投稿して下さるなど、私達なろう読者は中村先生の配慮によって平穏な生活が送れていたことを忘れてはならない…… もしも「5. 玲林拗らせる」あたりで[次巻に続く]とかされていたら読者に死人が出ていたかもしれません、マジで
あと、多分普段小説を読まないコミック派、今後は頃阿鼻叫喚で、次回更新まで耐えられずに原作を買う人が続出してくると思う。それをきっかけに他の中村先生の他の小説にも手を出していく未来まで視えた……ようこそ、中村颯希沼へ……
で、そんな、じれじれの展開の上でどちゃくそエモいあのラストですよ。1巻冒頭では夏に玲林を突き落としていた慧月が……(余りの展開の素晴らしさに、これ以上言語化できない)よかった、本当の本当に……よがっだっ(泣)!
最後にこれは完全に蛇足なんだけど、遥かな未来の恫喝外交戦略では『ミサイル打つぞ』の代わりに『最先端AIに中村先生っぽく書かせたシリアス鬱展開バッドエンドの長篇小説をお前の国のネットに流すぞ』とかが脅しの手段になっているかもとか、読了後にちょっと思いました。進化を続ける技術が世界的な悲劇を生まないように我々人類は愛の心を育む必要がある。そのために世界中の図書館に中村先生の全作品を揃えることをG20にて提案して頂きたいのですが、如何でしょうか総理。
[6巻]
朱家の雛女、慧月さん、苛烈な女だぜ!
黄家の雛女、玲林さん、クレイジーな女だぜ!
金家の雛女、清佳さん、苛烈な女だぜ!
玄家の雛女、歌吹さん、苛烈な女だぜ!
藍家の雛女、芳春さん、クレイジーな女だぜ!
5人合わせて、雛宮戦隊ゴレンジャイ!
苛烈な女(赤枠)とクレイジーな女(黄枠)しかいない……
全員女性なのに、ホワイト、ピンク枠は0人です
と、冗談はさておき胸熱オールスターで巨悪幹部連中をまとめてなぎ倒す、戦隊ヒーロー映画や少年漫画のクライマックスの様なスカッとした展開が素晴らしい巻でした。なろうでのジャンルは「異世界恋愛」のはずなのに、過剰なざまぁ展開を避けるべく奔走し、友情努力勝利の少年ジャンプ展開にしちゃう中村先生の頭颯希先生なところが大好きです(ざまぁと言うには健全な爽快感がありすぎると思うの。清佳さん、芳春さんの個別エピソードも復讐の愉悦ではなく本人の成長譚って印象が強いしね)
これは一部の男性読者にしかわからない表現かもしれないけれど、悪役をまとめて薙ぎ倒す物語の見せ場は、[スーパーロボット大戦で特殊BGMのかかる中、味方機に上手にお膳立てをさせた上で、ストーリーメイン機体のマップ兵器を使用してボスを3体まとめて撃破してステージクリアできた時]を超えるよっしゃぁぁぁー感でした。
しかしまあ、どの家の雛女様も10世代に1人じゃないのってくらい才能に溢れてるな。作中にあった儀式の展開と合わせて、後世では『キセキの世代』とか呼ばれるんじゃなかろうか
また、これはどの巻にも言えることなんですが、ゆき哉先生のイラストもとっても素敵なんですよね。読了後改めて表紙をみると下段に描かれた花々におおー!ってなると思います。あと、玲林と慧月の中身がどちらかもわかる様にきちんと書き分けられるのも凄い。
あと、終盤の怒濤の展開では悪役がペラペラ喋るんですが、それが不自然感やご都合主義にならない様なギミック、仕込みも素晴らしかった。これはにはGOEが加点されます、五千億点くらい。その展開に大きく貢献した薬さんには助演小道具賞を送りたい。
[7巻]
「エモおぉぉぉぉい!」とマンガ版ローザの脳内の様な表情をしながら読んでいたと思います。
この子とその子、あの子とどの子、アイツとコイツがコンビで町へお出かけとか、全ファンが2次創作で一度は書きたくなる展開を原作者様が書いちゃうの最高すぎませんかね。しかもそれぞれ単発エピソードとしても秀逸なのに最後に一本の長編として上手い事収束していくとか最高かよ。
慧月とでかける人物のプロフィール、特技が「嫌味、声真似」になっているのにあやかって、読了後感想を嫌味風に言うと下記のような感じ(お好きなイケボ声優の声で脳内再生して下さい)↓
中村先生さぁ、こんな素敵なお話書いちゃって、誇らしいとか思わないの?うわっ…、正直、尊敬しちゃうんだけど。尊敬しすぎて、もう、人間として見れねぇわ。まるでタレイアだな、 喜劇担当の文學の女神
ちなみに、女性陣の舌戦をみていると「言うほど嫌味か?」ってなるのはご愛嬌。まあ彼も基本お話する相手が慧月様だから可愛い意地悪になっているだけで、仕事などで必要とあらばとんでもない嫌味が出てくるのかも知れないけれど。
未来に藍家領編(仮)とかで毒舌爆発してくれることを期待していますね。ああ、でも蘭家の次男はド攻めに幸せにされちゃってるから再登場は無いのか(準公式)……では蘭家の長男でどうでしょうか(漫画特装版9巻の電子版特典で妄想が広がる)
あと、これだけは大声で言わせて
「無欲の聖女は金にときめく」も好きなんだよねーってファンには、本当にたまらない読者サービスがあるんだよー!!!
殿下の自虐も、なろう版のふつつかを読んでた人にはたまんないんだよー!!!
[8巻]
『何を語るかが知性、何を語らずにいるかが品性』
作中に出てきたこの金言、心のノートに筆圧強めにメモしました。本当にこの言葉だけで充分素晴らしいんだけど、それがエピソードとして昇華されているのが、また本当に素晴らしい。
SNSが隆盛を極める令和の道徳の授業には、ふつつかな悪女のこのエピソードをぜひ活用して頂きたいのですが、教育関係者の皆様如何でしょうか。そしてNHKにお勤めの貴方、ぜひ貴局でロングセラーアニメにもしちゃいしょうよ。みて、みて、みて奥様、教養や美しい日本語や予防医療の大切さに加えて道徳と根性まで学べる超名作ですわよ!これにはPTAもニッコリ
加えて言うと知性の面でも毎巻学びが多いです。今巻の一例だと「慧月の字は右上がり」って描写が気になって調べてみたら、ほえーなるほど!本当に中村先生って何でも知ってるなーって唸りました。ところで、読み落としてたら誰か教えて欲しいのですが玲林ってどんな字体か描写ありましたっけ?個人的には教本の様な綺麗な字体をベースに隠しきれない横長感があると思っています。
おっと、レビューからだいぶ横道にそれていますね、本筋に戻らねば。個人的に本編中で「おおー!」ってなったのは強者vs超絶強者のバトルアクションです。
今まで拝読した中村先生の作品の中では、バトルアクションでは味方の強者が大立ち回りの大活躍をするシーンが多く、例外としては「後宮も二度目なら」で礼央が自誠を試すために戦うシーンがあるくらい(もちろん、どちらも格好良くて大好きですよ)だったのですが、今回は「武力では玲林(慧月ボディ)を一蹴してしまう様な超絶強者を相手にレイドバトルを行う」という構図が新鮮でした。かと言って玲林や味方男衆の株が下がる訳でもなく、ホント、自力のある作家さんってどんな描写も上手にかけちゃうのねー。あと、敵役の隠密NINJAさん(仮)どんだけ強いねん……
そして特別編はそんな隠密さんの過去話
中村先生は優しいので、ふつつかな悪女ではたとえ敵役であっても薄っぺらい人物にしてしまわないように、性格を拗らせてしまったのも妥当と思える程度の酷な過去を負わせたりもします。玲林や慧月の過去もハードな分、博愛主義の中村先生は隠密さんの過去もハードさを揃えようと配慮した結果、前髪ぱつぱつになっています。読者視点では未来に救いがあるからヘーキヘーキなのですが、隠密さん視点ではお辛い展開に......うう、先生が優しすぎるばかりに.....隠密さん、中村颯希って人が真の黒幕です(ぴえん)
あと、当時まだ若輩者だったとはいえ隠密さんのいた部族に戦で勝った部族がふつつか世界にはいるみたいなんだけど、どんだけヤベー奴らなんだ!?直接的な復讐対象にならなかっただけかもしれませんが、その人達に復讐を果たしたという描写はなかったので玲林達が活躍の場を広げる中でいつか国外の強敵として現れたりするのでしょうか?まだ見ぬ続刊の展開に今からワクワクです。
[9巻]
奥様、奥様、ご存じ?9巻は特装版も発売されているんですって!
通常版の表紙は、個人的にゆき哉先生のストロングポイントだと思っている「美麗な各小物や光の描写」が爆発(作中展開との掛け言葉)していて最高!
特装版の表紙は人気者3人の構図と特に慧月の表情が嗜好!しかも慧月と玲林の扇のデザインにそれぞれの意匠が入っているッッ!
ゆき哉先生、すごおぉぉぉーい!こんなの、両方欲しくなっちゃいますうぅぅー!レビューも、本編と特装版の魅力を両方とも書きたくなっちゃいますうぅぅぅー!
_人人人人人人人人_
> 書いちゃった <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
〇本編の魅力
巻頭見開きカラーイラストでもう死にそうになりました。死因はキュン死。そして、そのカラーイラストの展開になる様に、玲林と慧月それぞれを、男性陣が年の功でそれはそれはもう上手いこと諭します。その描写がめちゃくちゃカッコよかった。
悪役をとっちめる派手な見せ場では女性陣が輝きすぎるため若干おされ気味な男性陣ですが、逆にこういう場面で大活躍です。すでに高かった彼らの株がさらに爆上がりしましたね、殿下株なんて株式公開時と比べたらamazonよりも高騰しているんじゃないでしょうか。というか君たち、まだ20歳くらいだよね!?人間的な完成度が凄い......
玲林と慧月、二人が対話の末にすれ違いを乗り越えて成長していく様がとても眩しかったです。月並みだけど人は人で磨かれるんだなあと、対話って大事だなぁと思いました。あとがきでは中村先生がそのあたりをより的確に言語化されており、「おおー、その通りだ」と膝を打ちます。完璧な人間はおらず、悪癖も急にはなおせないからこそ、せめて自覚はして注意するのって大切ですよね。
あと心のノートに筆圧強めにメモしたのは、8巻でも存在感のあった隠密さんの「2つのきれいごとは、組み合わせて初めて正しくなる」というくだり。個人的に本当に刺さったポイントだったから、未読の方は是非読んでみてほしい。隠密さんの未来も今後、少しづつ明るくなりそうで何よりです。
いつの間にやら、ラノベや漫画に登場する、『頼れるアニキや先生方』が自分よりもかなり年下になっていることにびっくりする今日この頃なので、隠密さんには数少ない年上現役の星として、またどこかで活躍してほしいなぁ。
〇特装版の魅力
「ふつつかな悪女ではございますが、エピソード0」とでも言うべき中村先生の書下ろしが本当の本当に素晴らしかったです。なんと55ページという特大ボリューム!書下ろしだけですでに購入金額以上の価値を感じられると思います。入内したころの慧月が抱いた悲しみの理由が、8巻175ページあたりの玲琳と鏡合わせのような内容になっていて、もう本当に情緒を揺さぶられます。本当に蝶鼠で正反対のようで、しかし鏡合わせのようで、割れ鍋に綴じ蓋のようで、芋と火の様で……不思議で運命的な二人だなーと。まったく、こんなに素敵なお話を考えられちゃう先生の頭の中は、いったいどうなっているんだい!
それにリンクしたゆき哉先生のイラストもとっても素敵でした。そして書下ろし現代パロも。うんうん、きみはブレザーが似合うしきみはセーラー服が似合うよね。そして玲林、きみは鞄から本性はみだしてるよね……個人的に大好きな黄家長男の教師イラストも見ることができて眼福眼福。きっとこの先生「雪が積もったな!今日のHRは雪合戦だ!」とか言いますよ。
そして尾羊英先生の書下ろし漫画!めちゃくちゃおもしれえぇぇぇー!!!いや、これは本当に通勤通学の電車なんかは避けて読んでほしい。そして、X公式で発表されているから言っちゃうけど、殿下……まさかの人気投票11位です。殿下ったら、オチまで担当できるなんて、逆に伸びしろしかなくて本当に面白いお方(笑)
メタ視点で言うと、投票の「1番好きな子だーれ」のストロングスタイルが殿下には若干不向きだったでしょうか?「2番目に好きなのは殿下です!」って人は結構いると思います。プロ野球では打率、打点、ホームランいずれもランキング上位だけどタイトルには縁のない実力者を「無冠の帝王」なんていいますが、今回の殿下もきっとそんな感じ(戴冠式もまだだしね)
いやいや、誕生日1月11日で人気投票11位って、逆に凄いですよね。全てにおいてうっかり1番をとってしまう王者の貫禄です。あと、「1と1で2」ですからね。玲林の大好きな数字で、実質玲林と同じ順位ですよ、やったね殿下!
これは自分の思い出話で恐縮ですが、野球部でお世話になった先輩投手が新チーム発足時にもらえた背番号が11番(エースは1番)だったのに、「1が2つの俺はダブルエースだな!」って腐らず練習を続けて、最後の大会ではエース以上の大活躍をしたのに感動した記憶があります。殿下もきっと、次の人気投票では大躍進してくれるはず!
いやーそれにしても豪華な特装版でした。中村颯希先生、ゆき哉先生、尾羊英先生を中心に、仕事を愛している人達がシナジー生みまくる「チームふつつか」は、これからも読者を狂喜乱舞させて下さることを確信しています。
[10巻]
これを書いているのは発売日以前なので、まだ読めてないんですよね。と言うことで一旦、展開の予測を書いておきます。もし当たっていたら「よっハーケンベルクの瞳」って褒めてやって下さい。盛大に外したら「この節穴がー」って言われる覚悟はできています。
◯未読時点でのワクワク展開予測
今度の活躍の場は[絢爛豪華!金領]でしたか、皆大好き清佳様も活躍するのでしょうかね?とっても楽しみです。そして5巻以降ヘイトをためてきた金家ですからね、何も起こらないはずはなく…慧月様、殿下、頑張って下さいね。
そして、今回は異国の王子が出るんですってね!金領の西、西国って響きから勝手にヨーロッパ系の金髪碧眼イケメン(貴腐人ローザのレオン的な俺様系)を想像していましたが、世界地図みたら中華の西って中東ですね……教養って大事!ならばラドゥ的な褐色イケメン王子?
いやいや、でもでも、莉莉の異国の呼び名ってリリーなんですよね(アントン歓喜)。中東系の顔立ちでもないし、鷲官長だって目が青いから、やっぱりヨーロッパ系だね!2人の両親はたまたまシルクロードでやってきた可能性もあるけど、その線は薄そう。と、言うことで異国の王子はヨーロッパ系と予想。
とか書いてスタンバイしていたら、王子のビジュアル公開されましたね。
褐色金髪皮肉俺様イケメンやん!流石中村先生、癖が渋滞してやがる……
で、俺様王子で悪そうなんだけど、真の黒幕は別にいる展開になると明言しておきましょう。
下まつげ長くないイケメン王子に根っからの悪人ははいない!見通したぜ、真実を。
で、9巻の引きに加えて、今まで作中に何度か「玲林は入れ替わり解消後暫くは体調が良い、慧月in玲林ボディは本物よりかなり元気」と描写されていて、かつ「慧月が玲林になりきろうとした時は体調を崩しがち」なので、今回はそのあたりが事件のギミックになるのではないかと予想します。
そして、日々情緒豊かになっていき、前巻ではとうとう「自己犠牲をせずに協力する」ことを覚えた玲林。次の課題は「時には助けを求める」とかでしょうか?一巻では圧倒的ヒーローだった鋼様のヒロイン力がどんどんあがっていく……やだ、最近、殿下のモスラが実に可愛い……
そして対になる実質ヒロイン枠(中村先生の布教シート参照)である慧月は、ヒーロー力が上がっていく展開が予測されますね。
1〜9巻までの大きな流れのなかで、玲林は人を人たらしめる弱さを再獲得し、逆に慧月は人を人たらしめる強さ(自立心や思いやりなど)を身につけていきました。
と、いうことは節目たる10巻ではあれですか、とうとう慧月様主体で、事件解決とかしちゃいますか!?道術、ある程度大っぴらに使える様になりましたからね、実は道術の天才だった設定が大いに活かされることを期待していまいます。
◯答え合わせ&レビュー
異国の王子、いいせいかくしてますなぁ(誉め言葉)
みんな大好き清佳様との絡みも面白かったです。女性のほうが振り回されるのは中村ワールドでは珍しいですね。まあきっちりやり返してますが(笑)そして身体的特徴を生かしたミスリードというか、ギミックも面白かったです
お話としては、特に前半に笑えるポイントが多くてページをめくる手が止まりませんでした。
その笑いの内容も多岐にわたっていて、ほほえましいニコニコに、違う違うそうじゃないって笑いに、ドカーンって勢いの良さにやられたり、男性陣の不憫可愛さだったり、芸術点の高いざまぁだったり、へぇーほぉーってなるニマニマだったりと盛りだくさんです。あと、今回私は書下ろし「鶴のお礼参り」の読みたさに初めてコミックシーモアさまで購入したのですが、してよかったです、大爆笑でした。電子書籍で買う方はコミックシーモア様でのご購入を強く推奨します。
後半は感動的な展開に涙腺が潤みます。物語の緩と爆のギァップが凄いのもふつつかな悪女の魅力ですよね。前半部分は慧月と清佳視点で話が進むことも多く、新鮮な気持ちで楽しく読めましたがそれすらも伏線にする中村先生凄い……
物語全体の謎を提示しつつ、当面のピンチは脱して、あとはすっとこどっこいにリベンジをかますぜってところで次巻へ。
今巻も一切の中だるみがありませんでした。自分の読書経験上、普通10巻も出せば1冊くらいは今一つ盛り上がりに欠ける80点、☆4つくらいの巻が出るものなんですが、ふつつかな悪女はそれが一切なく☆5というか100点以上の物を出し続けるのが凄いなーと改めて思いました。
⭐︎⭐︎⭐︎
ふう、書けた書けた
さてさて、楽しく書き終えて、文字数を確認したら、なかなかの分量になっていますね。一つの本文で一万字を超えたことはなかったので、いい経験になりました。
しかし素人だと、好きな既読作品のレビューをガリガリ書き連ねるだけでも数日かかってしまいました。オリジナル小説執筆ではさらに数倍の日数がかかること請け合いです。今の自分だと筆が乗っても1日2000文字が限界でしょう。
その上で商業作家様の平均的な執筆速度ってどれくらいか気になって調べてみたら、1日5000文字らしいですね。流石プロ、速さも素人の比ではありません。
ところで皆様、過去に無欲番外編にて中村先生が2万字近くを2日あまりで仕上げたことを皆様ご存知でしょうか。
プロの倍速ってなんなのさ……中村先生は本当にラノベ主人公のようなお方ですね。いい意味でぶっ飛んだヒロインの作者は、同じようにぶっ飛んだお方だということが、改めてよくわかりました。
それでは今回はこの辺で
長文にお付き合い下さりありがとうございました。次回は、中村先生のお誕生日あたりで再びお会いできるのを楽しみにしてます。JUNEは6月、オレ、オボエタ。
ふつつかな悪女ではございますが10巻
2025年4月2日発売!
おめでとうごさいます&執筆に感謝
もう数時間後には読めるぞ、とっても楽しみー!!
あと、ちょいと宣伝失礼します。
貴腐人ローザとふつつかな悪女にインスパイアされて書いたオリジナル短編が、3/31ヒューマンドラマで日間ランク入りしていました(21位ポイント入れてくれた方に感謝!)。
「実は一番幸せになったのは」https://ncode.syosetu.com/n5832kg/ #narou #narouN5832KG
初めてのランク入り、どうやら私、中村先生の推し活すると運気が上昇するようです。