表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/18

18話 エルフはは夢を描いてる!



************************

二学期が始まり相変わらずエルシーは、放課後は書店でアルバイトをしていた。

今日は大好きな待ちに待った給料日だ。

エルシーはバイトを終え、新しい本をレジに向かって持って行く。


「あら、写真集以外の本なんて珍しい。鈴木さん本当に植物が好きなのね」

レジを打つスタッフに言われエルシーは頷く。


エルシーの本棚には新しく『園芸と造園』というタイトルの雑誌が加わった。




金曜日。

バイトがない日を狙ってソータは

「エルシー、一緒に帰ろう」

と声を掛ける。


旅行の計画をしている時は、エルシーからソータを迎えに来ていたのだが

「ごめん。今日は無理」

と誘いをキッパリ断るとエルシーは早歩きで彼の横を通り過ぎて行った。


「バイトは今日休みでしょ」

前まで「そっか」と諦めていたソータも、これには我慢ならなかったのか

「夏休みまでは一緒に帰っていたでしょ」

と追いかける。


「そんな急ぎ足でどこに向かっているの」と追いついたソータはエルシーに聞いた。


エルシーは観念し

「苔のガーデニングのワークショップがあるんだ」

とカルチャーセンターの広告をスマホを見せソータに説明する。


「え、ガーデニング?」

彼女からいきなり出た単語にソータは驚く。


「まあ、今日は体験だけど。アルヴィンにも聞いたけど三年になったら大学を見学できるって聞いたけど、まだ無理だから」

「エルシー、ガーデニングしようと思ったの?」

彼女の興味が写真からガーデニングにチェンジした事にソータはショックを受けていた。

エルシーはポカンとしたソータの顔を見てフッと吹き出すとまた早足で廊下を駆けていく。



(やられたな)

自分よりも先に進路を決めたエルフに、ソータは少しの焦りと喜びを感じていた。


窓から外を見ると彼女はもう外に出たのか、走って正門に向かっている。


(そんなに走ると浮いちゃうよ)

ソータは冗談混じりに彼女の後ろ姿を見守る。


長いエルシーの銀の髪が夕陽が当たり、赤く染まってキラキラ光る。


その髪は今にも空に飛んでいく勢いで、楽しそうに彼女の後ろで揺れていた。









































 









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ