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15話 エルフ、ジオラマを知る


あれから一言も喋らず、お茶を終えると二人は会計を済ませて店内を後にした。


出口付近のロビーを通りかかったあたりで、エルシーは今まで見たことがない物に足を止めた。


それは美術館のジオラマだった。


「これは何だ?」

模型なのはエルシーに理解できるがなぜそれがそこにあるかは分からなかった。


「それはジオラマだよ。この美術館を考えた人がデザインした時に作って、完成した時に寄贈したんだ」

「なるほど」


やっと理解する事が出来てエルシーは満足した。

「人間ってやっぱりすごいな。

魔法のイメージはできるのに、芸術に関してはエルフも頭が上がらないよ」

「どう違うのか僕にはさっぱり分からないよ」

とソータはエルシーの言い分は理解できなかった。

「僕は魔法使えた方が便利だって思うけどな。

なんだってできるじゃない。

ラナさんもバスを魔法で家にしてたから、エルシーだって家だって庭だってすっごいもの作れそうと思うけどな」

「!」

ソータに言われエルシーは確かにと感じた。


(何で今まで気づかなかったんだろ)


気づけば日々を送る中で、エルシーは自分の使える魔法がたくさんある事を忘れていた。


でもエルシーは願えば何だって作れないものはないのだ。


「そうだね。無かったら作ればいいだけだよね」

口角を上げエルシーはソータに言うと彼は

「うん」

と笑顔で返した。


その時ー。


ドン!


誰かがソータにぶつかった。


「痛」


突然の出来事にソータは転び、エルシーは側に駆け寄った。


ぶつかって来た相手は謝りもせず、二人の前を駆けて行った。


「大丈夫か?アイツ態度悪いな」

エルシーはソータに手を貸して、立たせようとした。


「エルシー、カメラがない」

肩に掛けていたポラロイドカメラが無くなっている事にエルシーは気づくと犯人を追う為、美術館から飛び出した。




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