11話 フィンランドには妖精がいるらしい
翌日、エルシー達のスケジュールは詰め込みすぎた。
次は二人のお待ちかねのフィンランドだ。
「ポルヴォーだっけ?」
エルシーがソータに尋ねる。
「うん」
フィンランドに行くとやっと乗り気になったソータが、森とは別に行きたいと言ったところだ。
ポルヴォーは、芸術家達が愛したカラフルな家が立ち並ぶスポットだ。
早速移動するとソータは、楽しそうに街中を撮る。
「すごい!どこを写しても絵になるよ」
その彼の姿を見て、エルシーは本当に風景を撮るのが好きなんだなと感心した。
一人カメラを構えないエルシーに
「エルシーも絶対撮った方がいいって」
とソータに念を押されてシャッターを押すが、断然ソータが上手い。
それでも教えてもらいながら写真を撮る。
途中、書店に寄るとエルシーは魔導書見つけて、こんな街中にあるなんてと大興奮した。
それからはヨットに乗り、自然満喫をして喫茶店に入り二人で昼食をとり、午後はまた次の場所に向かう事にした。
次の場所はフィンランドで妖精の森と言われるUhrilähde Springに向かった。
辺りは一面森の中と目の前にはまた、川が見えた。
サー・・・ っと風が抜けてく様子を肌で感じ、二人はただそこにある水面に落ちた落ちた葉達や時折、その葉の端から浮き出るように砂が水面に輪を作る。
この川、泉でもあって砂の下に噴射口があるらしい。
行く前に調べていたが実際に見てみると昨日の白駒池とは違う景色に二人して佇む。
しばらくたった後、ソータよりも先にエルシーはシャッターボタンを押した。
ソータも我に帰りスマホを構えて撮影をした。
そうして二人して撮った写真を見せ合う。
「・・・ 郷と少しだけ違うけど、ここもなかなかいい場所だね」
エルシーは昔小さい時、ラナと水遊びをした時を思い出した。
暑い夏、水場はエルフにとっての遊び場だ。
とはいえエルシーのインドアは、小さい頃からの事で浅瀬で流れてくる葉っぱを意味もなく集めたり水に浸かりながら水面を眺めて、水風呂みたいに入っていたのに対してラナは、川の生き物を探そうとどんどん潜っていく子だった。
「エルシーもこっちに来なさいよ。ほら、あそこに魚がいるのよ」
と引っ張っていかれ、面倒くさい思いをした。
今のエルシーにとっては懐かしい思い出だ。
「ラナがこの国を好きになったのが分かる気がする」
そう言うとソータは
「じゃあ、もう少ししたらラナさんに会いに行こうか」
と笑った。




