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抒情詩片02

 「骨の音」


聞こえてくるのは骨の音

 崩れていくのは何だろう


この瞳に映る世界がぱらぱらと剥げ落ちていく

 足許に散らばった鏡の欠片が空に浮かぶ雲を閉じ込めている


  奪われた空のどこかで

   蒼く月は輝いているのだろうか


その音は何かが砕けた音

 壊れていくのは何だろう


この肉体から

 赤黒い血が尽きることなく流れ出る


肉から流れ出ない

 乾ききった砂のような骨の血が


  砕けた骨の音が耳の奥で響いている

   消えていくのは、一体何だろう



 「無題」


この手で抄ったものが

指の隙間から零れ落ちる

 もうこの手で拾うこともない


小さな器に残ったものを

それ以外何もないかのように

 肉体の中に呑み込む


  これが私のすべてです

  すべて私のものです


誰とも交わることのない時間が

小さな箱庭に閉じ込められ

 死神の骨に結ばれる


  あなたは何を残しますか

  あなたは何を残せますか


 この小さな器で抄ったものが

 指の隙間から零れ落ちる

  もうこの手では拾うこともない



 「ありふれた日常」


腐りきった快楽が嗚咽にかわる

吐き出した自分の醜さに目を背ける


  この人は誰……


洗い落とせない血塗れの手は

温もりさえ感じる力もない


生命は削られる

 今、ここで

言葉を知らない秒針と同じ刻み方で


 眠れ!深く!

  眠れ!深く!


汚辱にまみれ

憂鬱な日々を繰り返すために


 その時、

 誰かが殺された

 自分の意思で殺された

 執行されない判決が下される前に

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