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69.混乱


「たたた、助けてぇぇえええええええええええええ!!!!!!!!」


 将軍は、全速力でその場を逃げ出した。


「しょ、将軍!!!」


 走り出した将軍の背後から、部下たちがそう叫ぶが、将軍にその声は届かない。

 部下たちは混乱の中騒然となった。


 目の前には超弩級のSSランクモンスター。

 将軍は尻尾を巻いて逃げ出した。



 これ以上ないほど絶望的な状況だ。

 当然、兵士たちも逃げ出したいのは山々だったが、それを許してはくれない事態になった。


「ぐあああああ!」


 キング・ミノタウロスは逃げ出した将軍ではなく、残された兵士たちの前に立ちはだかった。


 追い込まれた兵士たちは、逃げることもできず、仕方がなく決死の覚悟でキング・ミノタウロスに斬りかかる。

 しかし、重たい斧の一撃でいとも簡単に薙ぎ払われる。


 後方の兵士たちも遠巻きに縮こまりながら魔法を放つが、キング・ミノタウロスの厚い装甲を前に攻撃は阻まれてしまう。


「駄目だ……全然効かない!」


「もうお終いだ……」 


 兵士たちが口々に諦めの言葉をつぶやく。


 だが、そんな中で二人諦めていないものがいた。


「ハァァッ!!」


 キング・ミノタウロスの厚い装甲に斬りこんでいくアトラス。


「――倍返しッ!!」


 敵の重たい一撃を受け、大きくHPを減らしながらも、得意のスキルで反撃する。

 だが、それでも大きなダメージを与えることはできない。


「――ッ!! 強い!!」


 アトラスはアニスの回復を受けて、姿勢を立て直す。


「アトラスさんの攻撃でもびくともしないなんて……!」


 SSランクのボスを二度も倒したことがあるアトラスだったが、それでもキング・ミノタウロスには歯が立たない。

 SSランクは、最高ランクモンスターの呼称だ。

 つまり、その強さは一様ではなく、青天井だ。


 キング・ミノタウロスは今までアトラスが対峙した中で最強の敵だった。


 しかも、今この場でアトラスたちに味方するものはない。

 そもそも将軍によってアトラスに力を貸すことは禁止されていたし、仮に許可されていたとしても兵士の多くは怯えるか自暴自棄になっていた。


「うわあああああああああああああああッ!!!!!」


 アトラスが戦っているのと反対側では、兵士たちが紙切れのように吹き飛ばされていく。


 ――もはや軍隊とは呼べない。

 兵士たちは人間に踏みつぶされ逃げ惑うアリのような混乱ぶりだった。


「……どうすればッ……!」


本日、書籍版発売になりました!

ここまで応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!


一生懸命改稿しましたので、ご購入いただければ本当に励みになります。

どうぞよろしくお願いいたします。


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▼アメカワの新作です。本当におもしろいので、ぜひお読みください。▼

☆『ドM勇者は追放を悦ぶ。~ダメージを受けるほど強くなるマゾヒスティック勘違い無双~』
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[一言] アメカワ先生へ!「妹ちゃん」去年8月に書籍化したのですよね?でしたら「あらすじ欄 1行目」『8/6に発売予定』⇒『発売中』に情報更新を御願い致します。
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