@夢のあと
そして不可思議な夢から数日が過ぎた。これといって変化はなくあれが本当にただの夢であったかのように時間が過ぎていく。赤野はいつものように暇な事務所で寝転がり、昴は非番のため街をあてもなくぶらついていた。
そしてちょうど何か面白いものでもないかと昴が辺りのビルを見回しているとある看板が目に入る。知らないはずだがどこか見覚えがある。そこには『赤野探偵事務所――あらゆる事件を解決します――』と書かれていた。見るからに陳腐だった。まるで信用がない。だがそれが逆にらしかった。それを見ていた昴は冷やかしに行ってやろうと思った。
そして昴は事務所の名前が書かれた扉の前へと来るとノックをする。しかし中からは返事がないようだった。もしかしたら外出しているか休みなのかもしれない。そう思って踵を返そうとすると中から何かが転がったような音に続きドタドタト世話しない音が響いてきた。そしてその音が止むとようやく「どうぞ」と促される。
中に入ると片付いていたがその人物の寝癖とよだれで寝ていたことが丸分かりだった。たまらなく噴出しそうになりながら昴は目の前にいる女性に向かって不躾に口を開く。
「おい、探偵。よだれがまだ付いてるぞ。暇して寝てるとは探偵らしいな。あと寝癖も付いてるぞ」
指摘されると女性は顔を赤らめ、急いで身なりを整えようとする。そして、今入ってきた昴に疑問を思う。こんな感じどこかであったようなと、そして気が付く。
「ああ、もしかして昴君! あれって夢じゃなかったんだ」
「あのなぁ、よくあれをただの夢だと思えるな」
そこにいたのはあの不可思議な夢をともにした赤野だった。自分もこの事務所の看板を見るまでは気味の悪い夢だとばかり考えていたがそんなことはおくびにも出さず再開を喜び談笑をしていた。
そうしてしばらくして赤野が昴に散々いじられていると再び事務所の扉がノックされた。今度は小さく弱々しいノックだった。それに反応した赤野は口元を再び拭ったり髪を撫で付けたりしてから訪問者を促した。
扉はゆっくりと開き少し俯き加減な少女が入ってくる。その少女は雪のように白い髪に病的に思わせるほどの白い肌、不安そうな表情、まさに夢の中で出会ったあの少女にそっくりだった。いや、その少女を見た二人はまさにその少女だろうと確信した。
そして少女も意を決して何かを伝えようと顔を上げると何かを言いかけた口をそのままに固まっていた。目の前の光景に感動するように涙を零す。それを見た赤野は少女に優しく声をかける。
「よかった。おいで、百合ちゃん」
その言葉に百合は堪らなくなり赤野に駆け寄ると抱きついて「会えてよかった」とつぶやき顔を上げた。そこにはもう涙はなく再開の笑顔が花咲いていた。
という感じで閉めさせていただきます。どうだったでしょうか。なかなかよい出来になったのではないでしょうか。
そう問いかけるとトムも部長も頷き満足だったそうだ。
それはよかったです。では百合はどうしましょうか。
それに対し部長が首を捻る。
普通にこのままフレーバーで終わらせるのか、何かしらでNPCで残すのかって話ですね。
「そりゃ、NPCで残したいな。なんか、私の助手みたいなポジションで私と一緒に暮らすみたいな感じでいい?」
ええ、もちろん構いませんよ。そうなると一応、キャラシを作っていおきましょう。今後、一緒に冒険するかもしれませんし、しないとしてもキャラシを作るだけで愛着がさらに湧くってもんですからね。
それに対し二人は頷き同意のようだった。
「じゃあ、まずキャラ名は赤野と一緒に住むから赤野百合でいいや」
ふむふむ
「で、職業は一旦保留にしておいて学歴、出身とかはいいよね。性別は女の子、年齢は私は14歳ぐらいでイメージしてたけどトム君は」
「そうですね。僕も同じくらいですよ」
じゃあ14で
「でSIZは小さそうだし12で、顔は可愛いだろうしAPP16、なんか精神力はありそうだからPOW15、あとは中学生ぐらいだろうしEDUは8、固定値はこんなもんかな」
ではサイコロころころ、STR11、DEX12、INT15、CON13、となりました。あと子供なのでダメボは0です。
「これ普通に部長さんよりも強いんじゃないですか」
「うるさい、子供にはさすがに負けないもん。それにしてもなかなかいいキャラになったね。ほかの詳細とか技能は今度にして今日はもう帰ろうか」
そういうと部長は道具なんかを片付け始めた。
「そうですね。結構遊びましたし帰りましょうか」
こうして今回のTRPGは幕を閉じたのである。
ようやっと完結しました。
途中で間隔があいて失踪するかと思いましたが無事できました。
そもそものプレイは1年ぐらい掛かりましたがリプレイ製作の方は1か月半ぐらいに収まってよかったです。
まぁ、あとの詳しいあとがきは活動報告にでも