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後方兵科が異世界転移!?  作者: お芋さん
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フェーネがフォックス族と彼女について経緯を語る回です。

会話文が少ないので読みにくいかもです。

面倒な方はあとがきの要点だけ抑えてもらえればOKなのでこの回は飛ばされるのも・・・(;‗;)


13話と14話は本来1話分と考えて書き上げました。しかし、わかりやすさを考えると一度切った方がいいかなと思い二つに分割してます。だから、短めなのはご容赦ください!

 私の名前はフェーネ。今日は私が知る範囲で、このフォックス族の経緯をお話ししたい。

 私は両親と妹とともにフォックス族の住まう村に生活していた。私たちの部族は砂砂漠の南端に湧く小さなオアシスを中心に生活してた。何もないとこだけど、日々の糧を得て生活するには困らない場所だった。そんな村に・・・いいえ、私に転機が訪れたのは、ある旅人の来訪がきっかけだったように思う。

 その旅人は村の北側で倒れてた。当時の私は狩猟隊に入ってたくさんの獲物を捕まえるのが夢だったから、体を鍛えるために毎朝、村中を走り回っていた。早朝のランニングの最中にその人を見つけたの。旅人は人族の男性で、顔には深いしわが刻まれたおじいさんだった。倒れていたその人を運び、水と食料を分けてあげるとすぐ元気になった。

 彼は私たちにいろいろと話してくれた。これまでの旅で見たこと、感動したこと、苦労したこと、つらかったこと・・・。本当にいろいろ話してくれた。その話の中で知った魔法という力。当時、力をつけたいと思っていた私は真っ先に飛びついたわ。最初は「これは人からまた聞きの魔法で教えられるほど習熟してない」って断られちゃったけど、最後には訓練をつけてくれた。彼から授かることができた魔法は、やはり彼の習熟度が影響したのか「火起こし」(小さな火を起こす魔法)、「みそぎ」(体の汚れを落とす魔法)、「身体強化」の三つだった。(彼が去ったあとしばらくして「炎球」(人のこぶし程度の大きさの炎を投げつける魔法)を教わっていたので「種火」を改良することで習得した)

 彼はしばらく村に滞在したが、行きたいところがあるから・・・とまた旅に戻っていった。私は魔法を習得したことで目標通り狩猟班に入ることができた。狩猟班としていろいろなところへ行きいろいろな獲物を狩った。そしてある時、前日捕まえた獲物が大きかったため狩猟に出る必要がない日があったの。ふと旅人のことを思い出した私は一人いろいろと見て回ることにした。そしてその日、ヒポポ族が大きな湖の水を利用し、大きな畑を作っている様子を見た。とても広大な土地に彼ら自慢の膂力でもって水を運び、たくさんの作物を育てていた。


 作物を育てるヒポポ族と比べて、私たちの村での食事事情はよくなかった。村には私が所属する狩猟班のほかに採集班があった。採集班は獲物を追うのではなく、自然になる木の実や草木を集めて回る。季節がよければ毎日いろいろ集めて帰ってくるけど、季節が変わったり不作の年なんかは何も見つけられずに帰ってくることが多かった。

 だから、私は族長に掛け合った。作物を村で育てたらもっと食べられるかもしれないって。族長も私の提案を受け入れてくれた。村のはずれに小さい畑を作って試してみた結果・・・失敗した。採集班に頼んで食べるにはまだ小さな野菜を集めてもらった。これを畑に植えて水を与えた。最初は生き生きしていたけど、そのうち葉がしおれ、枯れてしまった。砂漠周辺の土は乾燥していて水をよく吸う。だから土が悪いのかと思って今度は採集してきたその土地の土も運び込んでみた。今度はしばらく成長していくことが分かった。でも結局食べごろになる前に枯れてしまった。

 何が悪いのかわからない私はヒントを求めて再びヒポポ族の畑を眺めに行った(彼らに見つかると殺されてしまうので遠目に眺めた)。すると以前と比べ畑が広大になっていた。広がった畑の中に大きな水たまりが作ってあった。そこには木製の水道が伸びてきていた。その水道をたどってみると、湖に大きな塔がたっていた。その塔の先端では大きな布が張り付けられた何かがぐるぐる回っていた。おそらくあれがかつて旅人に聞いた「フウシャ」なのだと思った。その塔の中ほどから水道が伸びだしていたわ。すごい技術だと驚いた。でも、湖がかつてと比べて少し小さくなっているように思えた。

 その時見たことから水を与えることがとても大事だと考えた私は、水を与える量を増やすことにした。でも結果は変わらなかった。村のみんなは失敗を繰り返す私を慰めてくれたけど、私はとても申し訳ない気持ちでいっぱいだった。


 一人で取り組むことに限界を感じた私は誰かに教わる必要を感じた。でも最も近いところで畑を作っているヒポポ族はとても気性が荒く、近づくだけで殺されてしまう。だから遠くへ学びに行く必要を感じた。最初はみんなに反対されたけど、根気強く話を続けると最後は認めてくれた。

 北は砂砂漠でこれを超えるのは命懸けで、東西は砂砂漠に隣接する地域で食料が心もとない。だからかつて旅立ったあの人と同じ南に旅をした。南にいけばいくほど、気温が下がり緑が豊かになっていった。見たことのない生き物、植物、景色・・・色々なことに驚いた。なんのあてもなくただただ南に歩いていると、ある日畑を見つけた。そこにはあの旅人と同じ人族が生活していた。

 突然現れた人族でない私を彼らは嫌がった。その村を訪れていた商人が教えてくれたことには


「最近あなたとは別の獣人族(人族は人族以外をこう呼ぶ)にこの村は襲われましてね。それで皆さん警戒されているのですよ」


 とのことだった。その国のもっと大きな街なら獣人に対する偏見もないからと教えられ、その商人に同行させてもらって大きな街へ行った。街での生活にはお金が要る。お金を稼ぐ必要があると説明されて、私ができることを話したら冒険者を勧められた。街に着いたその日のうちに冒険者として登録し、活動を始めた。狩猟班で培った狩りの知識と、高い聴力(この街について初めてフォックス族は耳が優れていると知った)があったおかげで、狩猟系の依頼をこなすことができた。その後数年、冒険者として生活しながら街の近郊にある田畑へと通った。そこで土地の作り方や水やりの頻度、作物に関する知識などいろいろと教わった。


 そうして去年、十分知識を身に着けて私はかつての村へ帰ってきた。村に帰ってみると両親は他界し、妹が結婚していた。村全体としても亡くなった人が大勢いて、人数が驚くぐらい減っていた。原因は食料が取れなくなってしまったことだった。かつて採集をした草原は小さくなってしまい、草を求め集まる動物はいなくなってしまっていた。

 あまりに変わってしまった村がとてもショックだった。でも今こそ私が学んだ事が生きる・・・と自分を奮い立たせた。村の側の畑を改良した。水はけのよすぎる土質なので南の草原で粘土質の土を探し、それを混ぜ込むことで改良した。また栄養の少ない白っぽい土なので、木を燃やした灰や、枯れた草、動物のフンなども混ぜ込み土壌を作った。畑の準備は整ったが、学んだ地で育てられていた野菜と村周辺でとれる野菜は全く異なるものだった。だからうまくいくか心配だった。でも杞憂だった。うまく育ってくれた。最初の収穫は小さな畑なので野菜は二日ほどで食べきる程度の量だったが、それでも皆この食糧難に解決の糸口が見えたと喜んでくれた。うれしいことは重なるものでこのころ、妹が赤ちゃんを出産した。今後生まれてくる新しい命のためにも、もっと畑を大きくする必要を感じた。いろいろな人が手伝ってくれて畑を大きくするために動き回った。たくさんの人の手を借りて畑の拡張はすごいスピードで終わった。「さぁ栽培を始めよう!」というタイミングだった。


 奴らが来た。ヒポポ族だ。彼らは何の断りもなく村に侵入、手当たり次第に破壊を始めた。彼らは少人数だったが強力な膂力とこちらの攻撃を受け付けない防御力が合わさり、なすすべなく村を破壊された。それでも何人かの狩猟班の者が挑みそして殺されてしまった。

 破壊の限りを尽くした彼らは、夕方になると引き上げていった。彼らは去り際にこう残していった。


「明日は本隊とともにここに来る。それまでに立ち去らねばみな殺す」


 私はヒポポ族を避けながら南に逃げることを提案した。でも、狩猟班の話では最近のヒポポ族は湖を離れて草原のあちこちで活動しているそうだった。そんな中を抜けて逃げるのは無理だ。さらに彼らの後をつけていった狩猟班の一人が帰ってきて、この村を囲むようにすごい人数のヒポポ族を見かけたと報告した。東西はもちろん、南に逃げることは絶望的だった。だから今度はかつての旅人の逆をするしかないって話になった。砂砂漠を抜けて北に逃げるって。

 その戦いで亡くなった者を埋葬し、壊された建物から使えるものをかき集めて、持てるだけ持って逃げることになった。でも一部の遺族が、死んだ家族の上を奴らが闊歩することを考えると心穏やかではいられないと主張した。だから、全員ではないけど一部の遺体を砂砂漠に埋めることになった。

 村を離れたのは東の空が明るくなり始めたころだった。みんなたくさんの荷物を抱え歩き出した。砂漠歩いて太陽が天頂に上るぐらいのころだった。夜通し作業していたこともありみんな疲労で動きが悪くなっているタイミングだった。サンドワームに襲われた。最も動きが悪かった、遺体を抱えた仲間が真っ先に食べられた。遺体を含めおよそ5人が食べられたころ、サンドワームは襲ってこなくなった。腹が満たされたのだろう。

 襲われて分かったのは、奴らは音+匂いで襲い掛かってくることだった。最初に遺体が襲われたことからわかる通り、奴らは血の匂いをかぎ分ける。動かない無傷な者より、傷を負った動き回る者のほうに襲い掛かったのだ。だから、奴らに襲われたら元気なものが体に傷を入れ走り回った。そうすることで奴らはその獲物役を追いかける。幸い私たちフォックス族は耳がいい。足元から変な音が響くと奴らが地上に顔を出すことがわかった。逃げ回っているうちに奴らも割に合わない獲物だと気づくのか、そのうち襲ってこなくなる。こうすることで撃退することはかなわないまでも、何度かの危機を切り抜けてきた。

 動き回ればお腹も減るし喉も乾く。おとり役をするものにはほかのものと比べ少し多めに水、食料が与えられた。砂漠生活3日目の朝、食料が尽きてしまった。同日昼、水も底をついた。この日の襲撃は何とかしのげた。でも4日目はそうはいかなかった。1日飲まず食わずだと集中力を失うし、体に力が入らなくなった。この日は3度の襲撃があった。4人の仲間が亡くなった。

 5日目太陽が頂点に近づいた頃、4匹のサンドワームによる襲撃があった。皆もう限界だった。1人の仲間が回避に失敗し大けがを負った。このままだと数に物を言わされおとり役が全滅するまでサンドワームの食事が続くと覚悟した時だった。大きな砂丘を超えて轟音をとどろかせながら箱が迫ってきた。突然の轟音に驚いた仲間が足を止めてしまった。サンドワームはそのすきを逃さなかった。また一人仲間がやられた。その時、箱から人族の女性が顔を出して箱とは別の轟音をとどろかせた。サンドワームから体液が飛び散り、動かなくなった。このサンドワームがやられると驚いたことに他のサンドワームは逃げ出したようだった。


 こうして私たちはその不思議な人たちと出会ったのだった。

要点

・フェーネはかつて冒険者をしていた。


内容が無いよう!(爆死!)

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