24 媚薬の神酒と神珠貝
「苦しい。助けてー。」
「キャー。どうしたの!」
「あわてないで、ここはまず、おちついて。」
相変わらず騒がしい。せっかく美味い神酒とつまみをいただいているというのに、酒がまずくなる。
俺はシュレの背中をおもいっきりバンとはたいた。すると、シュレの口から黒く大きな真珠の玉が出てきた。
「ゴホッゴホッ。大当たりです。ご主人様。こんなきれいな神珠が出ました。アンドロポリタンの神珠貝はこんなのがゴロゴロ出るって噂は本当でしたね。」
「あのー?シュレさん?そんなことを言った覚えも、聞いた覚えもないんですけど。」
アースは当然しっているかのように俺には教えてくれた。
「ケイスケはしらんのか。アンドロポリタンの名産や名物を。情けない。そんなんじゃ、女神の1神や2神もくどけんぞ。」
「もうすでに、あなたの娘神をいただいておりますが・・・」
「ハハハ、そうであった。しかしな、ほんとに神酒と神珠貝の相性が良くてついつい、神であることさえわすれてしまうほどなんじゃぞ。正にこの酒は神殺しともいえるんじゃ。」
「それをいうなら、神忘れでしょう。まったく。でも名産、名物ねー。」
俺たちはなんで酒盛りを始めているのかというと、アースの兄であるアンドロポリタン王アーロンが公務を終えて、俺たちが話をしていた応接間にひょっこり来たことからなのである。
「疲れたーよ。でも、一段といい酒ができたんだー。」
「おつかれさま。ちょうどいいところに来たわね。アース様が久しぶりに見えてますよ。あら、いやだ。また、お酒臭い。公務とはいえ、飲み過ぎよ。アーロン。」
「やーい。カミさんにおこられてやんの。」
「ほほー。この酔っ払い王の極上神酒を飲みたくないと。露出狂の弟よ。」
おいおい。なんなんだこの兄弟。自ら酔っ払い王となのり、肩やセクハラ呼ばわりって、大丈夫なのか、アンドロポリタンの王室は。
それにしても、はなしこんでいたらこんな時間になってしまった。宵の時間はとうに過ぎて、夜のとばりが輝き始めた。
「あらあら、既にこんな時間だわ。夕食の時間もとうに過ぎていますわね。久しぶりにお酒でも召し上がりましょうか。」
エリザベート王女は、セバスという御使いを呼びホールで宴席の準備をするように伝えた。
「ハイハイ。取っ組み合いは朝起きてからにしてよ。私との夜の取っ組み合いがあるんですからね。」
「あのー我は?」
「妹のテラに今すぐ連絡しましょうか?」
「いやいや、既に後ろに立っていますわ。エリーお姉さま。」
この場で血の気が引いたのはアースだけではなかった。それにしてもテラ様。アース様の手綱は話さないでくださいね。でもどうして・・・
「テラ様。お早いおつきでしたね。シュレもビックリしました。」
「ありがとうシュレ。お礼に神酒を別にもらってあげるわね。」
シュレ・・・やっぱりお前か。アンドロポリタンの神酒を確実に手に入れやがった。恐るべし。敵にはなりたくないぞ。シュレ。
「テラ様。今から、アンドロポリタン宮殿で宴を催すそうなんですが、よろしければ、美味しい料理を少しパーティーナイトのほうに持ていかれたらいかがですか。」
「そんなずーずーしいことできないわ。でも、エリーお姉様があの秘密をばらされたくないと思っているなら、黙って届けてくれるわ。そういえば、アーロン王、何か落ちましたわ。」
テラはそっと紙をエリアス王に渡した。アーロン王もエリーザベート王女同様に、顔面蒼白になって口をパクパクしている。
「テラちゃん。よろしければ、久しぶりに私もパーティーナイトに参加してもいい。もちろん手ぶらではいきませんわよ。差し入れ持っていきますわ。期待してね。」
「いいな。パーティーナイト。我も久しぶりに参加したいな。でも、公務がたまっておるから・・・そうだ。出来立ての神酒とつまみとなる名産物を持たせよう。」
「あら、アーロン王は来ないのかしら。懐かしい私の友神もいっぱい参加しているのに残念ね。でも、エリーお姉様も来るから顔だけでも出してよね。みんな喜ぶわ。来たらみんな、アーチンをかわいがってくれるわよ。ウフフ。」
「そうだ、エリザベート王女よ、我も同行するぞ。たまには公務として視察にいかないとな。」
二人はぎっしりと手をつなぎあった。まるで互いを慰めあい、助け合っているようにも見えた。
がんばれ!王様に王女様。大人の社会科見学に行ってきてくれ。
でも既に予定調和だったりして。何気にウキウキしているようで、顔も高揚しているぞ。
うむ。嫌いじゃないらしい。まったく神様ってやつは。
「アンドリューは夜更かししないで、早く寝るんだぞ。セバス準備はデキてるー。」
「お待たせいたしました。王女様。」
「あとは好きにやってくれ。アントワーズ、まかせたぞ。」
そのとき、テラの目が光った。獲物を見つけた目だ。覚悟をしないとな、アンドリュー皇子。大人の階段を登っておいで。
「アンドリュー皇子大きくなったわね。シュレに興味があるんですってね。もうませちゃって。おばさんがいろいろ教えてあげようかな・・・ついてくる。」
「アンドリュー。発射しまーす。違う。一緒にいかせてもらいます。」
「あらら。先ばしちゃって、かわいい。行きましょうね。」
アースとテラに連れられ、王と王女、そして皇子は時月に行ってしまった。
アンドリュー皇子・・・一皮むけてこい。
そして、不貞腐れているのは、残されたアントワーズ王妃、イリヤと俺の腕をつかみ食堂に引きずり込み、かけつけ3杯の出来立ての神酒をあおった。
「パパもママも嫌い。セバス。料理は。まだ!もう!頭に来たわ。セバス!例の物だしてよ。」
そして、俺たちは至宝神珠貝の酒蒸しから始まるフルコースをいただくことになった。
数百個もの神珠が積みあがったころ、腹も膨れ、酔いが回り始めた。
アントワーズとイリヤは昔話に花を咲かせていた。
「イリヤは現世に降りて、星神の修行はどうだったのよ。」
「そういう、お姫さまの通過儀礼について詳しく聞かせなさいよ。」
俺とシュレ、そしてセバス」は別の話で盛り上がっていた。
「大変だよな。王宮の執事たる御使いは。」
「そんなことありませんよ。ほんのちょっと、そこらの神より優秀なだけですから。」
「言うねー。セバス、そういうところOKよ。今日は神のいぬまの何とかだから、心の洗濯しないとなー。ほれ、お清め、お清め。」
「私にもついでよ。セバス。酒のつまみになる話でもしなさいよ。あるじも、たまにはセクハラぐらいしてください。まったくわかってないんだから。」
セバスはシュレのお尻を撫でながら、アンドロポリタンの話を始めた。
実に神様の世界を解説してくれた話だった。
神王族と言われている、神は創造神と呼ばれている。
その中でも、現国王は酒を司る神であった。
その霊験あらたかな酒は神の霊力を高めるほか神さえも清めたもう酒であった。まさに、その神王が創る酒は神が進化する酒であった。
名ばかりかもしれないが、神々が認める王として君臨している。
このアンドロポリタンでは3院制をとっており、いざとなれば王を挿げ替えることも可能だが、これほど、他の神々が得られる物を想像できる神がいないのである。
そして、新たに神王族として認められたエリザベート王女は薬神として名をはせた。
シルキーポリタンから来た二人の女神、テラとエリザベート。妹のテラは医神であった。
医術に関して冷酷無比のするどく、時に残酷な卓越した技術はあらゆる病もケガを治す。そして、死人さえ新しい魂をもって生まれれ来る。
なによりも、神さえ直すこの姉妹は、アンドロポリタンの神々を不死の英知に導く存在であった。
アンドロポリタンもシルキーポリタンも神々はある意味、各々が核弾頭をもったようなものだ。
簡単に言えば、国が核弾頭を持つように、個神が核弾頭を持っている状態なのだ。神同士の喧嘩は核戦争を起こすことに等しい。
だから、3院制という議会制をとりながらも、尊敬され象徴となる元首王が必要なのだ。しかし、実際には3院それぞれの代表いる。
それぞれが、パワーバランスをとりながら、常に安定したアンドロポリタンを創り上げていく。
俺は関心しながらも、いくつか質問した。
「悪い神が天界で暴れたらどうするの?」
「ハハハ、まず、そんなテロリストみたいな神はいませんよ。いたとしたら廃神か狂神でしょう。あまりにも惨劇をもたらす場合はこの国の核弾頭すべてを相手にすることになるんですから。」
「そういえば、アンドロポリタンの警備は天使を使ってないんですか。」
「天使は勘違いするんだよ。神を見下したりもするしね。だから、アンドロポリタンでは天使は軍隊と衛兵のみなのさ。それに、優秀な御使いは神のボディーガードや傭兵をしているしね。それに犯罪の取り締まりなどの憲兵はイブリースに任せてるから、よその銀河の神たちが侵攻しないかぎり安全なのさ。」
そんな質問を繰り返しながら話を聞いていると、酒瓶で俺の頭を殴るシュレと、手を叩きながら、笑っている女神がいた。
「いい加減にしろ。今度は胸をもめ。」
俺はにっこり笑いながら、セバスを丸裸にした。
「今から罰ゲームしたい女神は手を挙げてー。」
「「はーい。」」
数分後、セバスは緊縛縛りのまま天井に吊るされていた。
イリヤはアンドワースとキャッキャッしながら楽しんでいる。
「アンドワーズったら、捕縛術と言わんばかりの縄の縛り方すごいわ。いつ習ったの?」
「ふふふ。内緒よ。まあ言うなれば、女神のたしなみよ。もう神姫なんて言わせないわ。それにしても、イリヤの旦那様って、なんてたくましいお体をしているのかしら。あらやだ。少し酔っぱらっているわ。どうしよう。」
「ムググ。やだ、いきなりKISSしないでよ。やめてよ。本当にどうしたの。アンドワーズ。酔っぱらってるの。胸を揉まないで。」
「私はイリヤが封印されてた時、何とか助けようと、一生懸命勉強したの。封印術はもちろん、捕縛術みたいなものまで・・・封印をや開解に関係するあらゆる術をね。私はイリヤのこと・・・」
まさか・・・このパターンは・・・シュレお前だな。怪しい媚薬を酒に混ぜやがったな。
「シュレ!お前!変な液体入れただろう。」
「私は知りません。それに、このお酒はアーロン王が創られた新酒です。わざわざ、媚薬なんて入れてません。それに、私自身、媚薬を飲まされたように火照ってしょうがありません。主様。」
て・こ・と・は!!俺は天井を見上げた。吊るされたセバスは勝ち誇ったように、ゆらゆら揺れている。目隠しと口枷した状態で勝ち誇っている。
「シュレ、セバスの恥ずかしい写真と動画撮っとけよ。天使より御使いの方が危険じゃないか。まったく。」
俺はまだ二日酔いにもならない状態でも頭を抱えていた。そして、もったいないが、状態異常を治す薬をしぶしぶ飲ませることにした。
そのとき、ウゴウゴとセバスが叫んでいる。それを翻訳するようにシュレが俺にいった。
「主様。なんか、媚薬を入れろと支持したのは、王女様と王様らしいです。まさか、テラ様が裏で支持してたりして・・・ハハハ・・・」
その予想当たってるかも・・・でも、本当に裏で支持しているのはサキとイースかも。
なにかテラ様と密約かわしてないかを確認しないとないけないと、俺の第6感が囁いている。
でも、とりあえず、俺はこのまま、帰るとしてもアントワーズだけ残すことはできず、神聖神秘のラグジュアリーVIPデラックスロイヤルスイートモーテルVr.Ⅱ(ときめき仕様)
をシュレに出させた。
もちろん、セバスは放置プレイ。
「パパとママには王宮に泊まりに行くって言ったけど、王室の寝室より、こっちの方がいいんだよね。だから、ねっ。アントワーズ、朝のモーニングコーヒーを飲みましょう。」
親友神にウインクするなイリヤ。俺がドキッとするだろう。
俺は女神たちの語らいを邪魔しないように、シュレと共にさらに徹夜でリホームするのであった。
※聖神秘のラグジュアリーVIPデラックスロイヤルスイートモーテルVr.Ⅱ(ときめき仕様)にネイル・ツケマ・エクステなどのサロン機能強化。さらに速攻魔術シールタツーも充実させた。
そんなことは構わず、アロママッサージやフィエスエステをしながら、仲良くイリヤとアントワーズは寝てしまったのである。




