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22 王女謁見

「犯神逮捕!!」


「シュレ!!お前なにしたんだよ!」


「被疑者とおぼしき神仏確保。18時36分。詐欺未遂及び神童誘拐未遂の容疑で逮捕いたします。」


ジンクラフト工房からの帰り道ともいえる、転移石の前まで歩いているところでシュレの身柄を確保されたのであった。


俺達には全く心当たりがなかったので、現世でいう警察官のイブリースに事情を聴いた。


「どういうことなんだ。シュレが何をしたというんだ。」


詳しく聞くと、何やら住神達が群衆をつくって騒いでいる通報があって、アンドロポリタン中央楽園にかけつけてみると、シルキーポリタンの星神様に当たるアースという神が、このアンドロポリタンで怪しげな商売をしていた。


周りにいた神々から、騙されたという声があがったので、聞いてみると、アイドルシュレという神見習いのファンクラブに入ると、握手券とグッズが格安で手に入れることができる。そして、今回に限り、シュレ秘蔵のコレクターアイテムを格安販売するという内容だったそうだが、整理券販売したまま、シュレがいなくなったと報告があって・・・


そのアースに事情を聴くために、任意同行を求めたところ、シュレの戻ってくる到着が遅れているの一点張りに困っている。


その中で、アイドルシュレのブロマイドカードを購入した神童がシュレがいなくなったと同時に消えたので、誘拐の容疑がかかったそうだ。


「消えた神童って、そこの、柱に隠れている、神童の事?アンドロポリタンについてからずっとあの神童にストーカーされて大変なのよ。おちおち物も置けないのよ。」


「はあ?」


シュレはウインクしながら、テヘペロをしている。イブリース警官は口を開けたまま、あんぐりしている。


俺は一瞬で、神童を確保して、イブリースに差し出した。


「神童からパパラッチするなんて、将来有望な神様になりそうだな。そのたゆまぬ向上心ともいえる執念を、現世の人たちに生かしてくれ。」


神童は右の親指をグッと立てながら、左手にブロマイドカードを差し出した。


「サインお願いします。アンドリュー3世へ愛を込めてってメッセージ付きで!!」


イブリース警官たちは腰を抜かしながら神童の顔を確かめた。


「いなくなった神童って皇子様?」

「皇子様、なぜ、ここに?」

「まさか、皇子様がアイドルの追っかけを?」


勝ち誇ったように、アンドリューは指で鼻の下をこすった。


「母上と姉様方が憧れのモデルのような女神達の噂をしていたんで、死後の世界に使いをだしたら、アイドルシュレという者たちのファンクラブに入ったと喜びはしゃぐもんでな・・・つい、アンドロポリタンに来たという情報をつかんだので密かに監視してたんだ。」


俺は心の中で、絶対にアンドリューがマリーオペラのあの夜にアイドルシュレのファンクラブに入ったんだろう、とわかっていたが胸の奥にしまっておくと誓うのであった。


「わざわざ、アンドロポリタンに来る情報をつかんで自らが来なくても・・・それに、まだ、1日もたってないのに、どれほどシュレに夢中になってるんだか・・・」


とイースがつぶやくと、サキは面倒くさそうに言った。


「イース様、よろしければ、シュレをケイスケに任せて、このまま、一度、時月に戻りませんか。獄卒希望のジンが手に入ったので、いろいろ、獄卒育成プログラムを完遂させませんか?聞きたい事もやりたいこともありますし。」


サキの目とイースの目が光る。獲物を手に入れた時のやばい目だ。


「チョコットだけ、指導するだけよ。私も、テラ母様に教わったぐらいだからね。そうだ、この下僕をみつぎながら、パーリィナイトに参加しちゃおうか。」


「イリヤは今回は不参加だけど、アリアとリリアは連れてっちゃおうかな。」


「よろこんで、サキお姉様。イースお姉様。」


「私・・・初めてだから・・・わすれられない夜にしてください。」


なんか違うぞ。リリア。このままだと、擦れた神姫になってしまうぞ。いいのか俺?


「ごゆっくりー。いってらっしゃーい。シュレの件はまかせなさい。」


そういうと、サキはテレパシーでダンジョンコアに連絡をとり転移してしまった。


俺は気持ち裏腹に、各々の成長を楽しみにするのであった。それより、この痛い皇子誘拐未遂の件というか、アース様の安否も心配になってきた。


シュレはプロマイドカードにサインを書き終えると同時に、3体の天使と1体の御使いが皇子の前に現れた。


御使いは俺に深々く礼をすると皇子の方に膝まづいた。


「アンドリュー様、サインを頂いたなら戻りましょう。お約束です。」


「邪魔するな。サインをもらうまでは帰らないといっていったからって、貰ってすぐは納得がいかん。まだ、ランチの誘いどころか、次に会う約束もしておらんぞ。そうだ、さっきも握手会の時に、服を引っ張って邪魔したのも御使いだろう。」


おいおい、お前の護衛も公務という名目で影からシュレのストーカーしてたのかよ。俺は絶対こいつらも、シュレのファンだと確信しているぞ。ガンバレ皇子!


それはともかく俺はイブリース警官に聞くのであった。


「あのー。お取込み中ですが、アース様を見かけませんか。」


そのとき天使の一人が口を挟んだ。

「アース様は先ほど、我らが確保して、王宮の謁見の間の控室にご案内しております。それに、話し遅れましたが、もちろんシュレ様の容疑ははれております。それに、そこの憲兵達よ、下がってよいぞ。」


しぶしぶ、イブリース警官達も引き下がざるえなかった。


後で、イリスに聞いたことなのだが、アンドロポリタンという天界は4階層で出来ているそうだ。


銀河同士を合併したときに、うまくアンドロポリタンを統治するために、民議君主制の3院性を発足した。


一階層はもちろん、天界神が住む居住及び商業エリア。2階層は上級天界神が住む行政エリアである。イリアの実家といえる神殿もここにある。3階層は統治天界神が住む政務・王宮エリアだ。最上4階層エリアは精神と魂だけの虚無のエリアで、天界を天界とたらしめるべきエリアであり、天界のすべてともいえるエリアでもある。


そして、行政官のほとんどは神であるが、特別行政職ともいえる、警察官や警護員は優秀なジンといえるイブリースが担っておる。そして、天界の兵士や傭兵は天使たちが行なっている。また、3階層の警護や兵士は御使いが担当している。


そんなアンドロポリタンの天界の常識を知らず、今、アース様はなぜか、3階層の王宮にいるらしい。


俺は、取り合ず、シュレと一緒に皇子たちと王宮に向かった。そして、謁見の間の控室にいくと、御使いたちと、難しい話をしているアース様がいた。


「だから、レートはシルキーポリタンなら100Sなのにアンドロポリタンでは50Aになるかなー・・・」


俺はアース様のそばに駆け寄り、無事であることを喜んだ。しかし、アースは俺を抑えながら、交渉を続けた。


どうやら、為替のレートが不当と感じたアースが為替担当事務官と話しをしているとこだった。

「ケイスケ聞いてくれ。お前がシルキーポリタンで集めた財産は、アンドロポリタンの物価では半額になるそうだ。」


天界でも通貨はある。通貨といっても、信仰という祈りが通貨になっているといったほうがわかりやすい。


例えば1億2千万人の人が、正月にとある神が祀られている神社に、初詣に行って5円を賽銭箱に払って神様にお祈りすると1億2千万人の祈りが得られる。


このとき、シルキーポリタンのとある神様に入る場合は1億2千万Sである。

同じように、アンドロポリタンのとある神様に入る場合は1億2千万Aである。


さらに、通貨といえる貨幣価値が異なる銀河でも為替レートが1:2である。単純に人口ともいえる星の数が2倍なのが原因である。


しかし、星神である、アースにしてみれば、管理できる祈りの単位は星1つしかなく、アンドロポリタンの星神との稼ぐ祈りも同じであるから納得できないのであった。


「アンドロポリタンでは、星の少ない銀河を、田舎者呼ばわりするのか。祈りの価値は同じであろう。」


「ですから、星同士の繋がりも2倍ですから、経済活動も2倍なんです。それに・・・」


俺は単純に現世での祈りの質の問題になれば、シルキーポリタンとアンドロポリタンの為替レートが安定するように思えたが、そう簡単にはいきそうもないような気がした。


そんなこととは言えないが、わざわざ、王宮の謁見の間の控室に連れてこられた理由がわからなかったので御使いに聞いた。


「御使い殿、どうして、我を含め、アース様とシュレをここに連れてこられたんですか?」


「アンドロポリタン王妃女神エリザベートと皇女アントワーズがご所望されたので連れて参ったのだ。しばし、またれよ。もうすぐ、王妃と皇女が参られます。」


御使いが、俺たちに理由を聞かせると同時に、ゴーンという鐘が響いた。謁見の間に行くように促されると、数十人の神々が広間の両脇に並んでいた。あたりを見回すと、国会議事堂の大会議室のようなであり、オペラ劇場を足したようなつくりになっている。


そんな中、キャピキャピした話し声がだんだんと近づいてきた。


「もー、イリヤったら。やること早いんだから。見ないうちに大人になっちゃって!」


「アントワーズも、いい男いないのー。そうだ、神姫時代に言い寄ってきた、あいつは?どうなったの?」


「アンもイリちゃんも、もう、そろそろ、静かにね。謁見の間よ。」


「「ハーイ。」」


俺はイリヤの姿を見て思った。声でかいぞ。みんなまる聞こえだぞ。


そんな風に思っていると、一番年をとっている御使いが深々くお辞儀をして声をあげた。

「王妃様と皇女様に一同礼。」


そこにいた者すべてが、深々くお辞儀をする。頭をあげないまま、王女は声をあげた。


「皆の者下がれ。」


王女は何故か、神払いをした。そして、人が居なくなるのを確認して俺たちに近づいてきた。


「アース義兄様お元気ですか。妹は粗相をしておりませぬか。」


「テラは相変わらず美しく、我にはもったいないぐらいだ。それに、2神で育て上げた、アメミコ・・・いや、ケイスケも立派な勇神になったので一安心だ。」


「その節はありがとうございます。アース様。このアントワーズの願いを聞き入れてくれ、ケイスケ様を勇者転生させ、大親友の神姫イリヤを助けていただきましたことを感謝いたします。」


イリヤも少し照れくさそうにしている。俺は、まさか、婦神テラ様がアンドロポリタン王女の姉妹とは知らなかったとまずそのことに驚いていた。


それより俺の素性も自己紹介も必要なさそうだ。


「アース様、王が会いたがっていますぞ。たまには、兄弟水入らず、ゆっくり話がしたいと申されています。」


「カイン兄さんとはよく話はするが、アベル兄さんとは最近会ってなかったな。どうせ、王様業が忙しくて、執務室から出れないのであろう。今度来た時には、お土産を持ってくるからそのとき話そうと伝えてください。」


へ?アンドロポリタンの皇族で3男なの?アース様。


顔が広いと思ったけど、やはりただものではなかった。それに、変質者扱いされてたから、この銀河にはいられなかったのかな?


それにしても、他所の銀河に行った駄目男を好きになって、追いかけて行ったとしたら、テラ様って実はかなりのロマンティストかもしれないぞ。それに、他所の銀河で星神にさせるとはかなりのアゲビーナス。恐るべし。


俺はシュレと状況をつかめぬまま茫然としていると、イリヤが腕を組んできた。


「私の旦那様のケイスケよ。英雄ミコトよ。おかげで、父は惑星群長になって2階層の行政居住区から3階層の王都政務居住区に住めるようになったんだから。」


「ケイスケってホントにいい勇神ね。それに、さっきいってた、聖女サキ様はいないの?私もマリッジオペラを鑑賞したかったんだから。アンドロポリタンでも、サキ&イリヤのビーナスモデルコンビは大人気なんだから。」


そのとき、割り込むように、アンドリューがシュレの手を引きながらアントワーズとエリザベートに紹介した。


「ようやく、母上様と姉上様に俺の婚約者を紹介できます。愛するシュレです。よろしくお願いしまうす。」


「って、おい。いつから婚約したんだよ。」


シュレ・・・あくまで皇子様だぞ。言葉遣いを気をつけなさい。それに、心の声をこれ以上漏らさないようにと、俺は願うのであった。


俺は何か見えない糸で操られているような気がしながらも、勇神として人々を導く存在になりたいとおもっていたので、ありふれたお願いをした。


「王女様。俺は新たに神々が集うような世界を創りたいのですが、ご神託をいただけませんか。」


「ご神託もなにも、すでに神になられたのなら、次は星神を目指しなさい。人が神を敬う惑星が出来れば自然と神々が集うでしょう。それに、このアンドロポリタンは2つの銀河が合併した銀河なのよ。いろんな問題があるけど、何とか解決しているわ。このアンドロポリタンで学べることがあれば学びなさい。」


そういうと、このアンドロポリタンの3院制を教えてくれた。


外交および元首としての大王神を筆頭に


第3階層:星神選出による惑星群長議院

第2階層:星神、銀河創造神族による第3者貴族院

第1階層:すべて神民による意見集約総意院


について話をした。


第一階層の神民たちの世論から大まかな行政方向を取り上げ、第2階層の政務レベルまでシャイプアップさせる。そして、第3階層でさらにブラッシュアップさせて祀りごとを運営させる。もし、間違った方向に行きそうなときは、第1階層の神民がもう一度取り上げる。それでも、間違えそうなときは、その都度、2・3階層の神民たちは第1階層にもどされる。それに第1階層の神民も第2階層以上の星神になるために現世に行き、神の修業を積むこともある。


「神姫は現世の理を学ぶためにも、あえて現世に修業に行くものも多いいのは、星神になる修業を兼ねての事なんだね。」


「ケイスケ様も、すでに、星神の器を持っております。それに、面白いことに、そこのシュレとやらも、神々から信仰を得ているので既に第3階層の神民になれるのでしょう。」


アースはガッツポーズをした。

「我のアイドルシュレファンクラブによるマネージメント計画は成功だ。アイドルシュレ計画は成功したぞ。」


天界では、神々からの信仰は現世での人々からの信仰より価値があるのが証明された。


例 標準的な人の祈り  1回=1A 

  標準的なエルフの祈り1回=1,000A

  標準的な天使の祈り 1回=1,000,000A

  標準的な神の祈り  1回=1,000,000,000A

  

これを聞いて、もしやと俺は思った。俺たちは、マリッジオペラの後に多くの神々からの祝福を受けていたが、まさか祝福が祝儀となって神の地位まで上げてくれるとは思わなかった。


だからかもしれないが、神の祝福が銀河の大きさで価値が半減することがアースが納得できなかった理由がわかったが、それなら、通貨の価値をあげるように神のふるまいを変えて方がいいのではないかと俺は思った。


何わともかく、まずは、変質者呼ばわりされないようにしてくれアース様。

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