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天使の言の葉  作者: 鈴呂
7/15

7 女の子

 劉 藍唯 慈雨三人が、簡易的なテーブルを囲み藍唯の作った料理が並、その料理を劉はおいしそうに食べ、藍唯は時折食べようとしない慈雨の顔を見て様子を伺う。

「てゆうか、なんで劉さんが、ここでまったりしてんだよ」

 劉は、真剣な顔で答える。

「慈雨、これ食ってみろ」

 劉に薦められ慈雨は、手に箸を取り藍唯の作った料理を口にする。


  なやむ「旨い」


「だろ? 俺が留まって、まったりする理由がわかるだろ?」

 一口食べ、納得した慈雨は次々と箸で摘み食べ始める。

 隣に坐っていた藍唯は、その光景を見て嬉しくなり照れくさそうにキッチンへと戻って行く。

「慈雨、コイツをどうするつもりだ?」 

 その言葉に、慈雨は箸が止まり俯く。 何も考えていない…それが正直な今の答。

 でも、嘗ては自分がそうだったようにbebe姉に藍唯を逢せれば、見得ない道が開けそうな気がしていた。


「わからない」


  ―――沈黙は嫌い。


「そういやぁ 正男は元気か?慈雨」

 正男 【荒川正男あらかわまさお】bebe姉の本名。

「元気ですよ。劉さんもたまには店、来たらどうです?」

「オカマの顔見ながら、酒が飲めるかよ」

 本当はそうじゃない、劉さんが来ない理由、たぶんそれは可憐さんの為だ。

「さーて、久しぶりに旨い飯食いながら酒も頂いたし、帰るとすっか」

 そういって劉は、作業着を肩に掛け出口へと向かう、そこで一旦立ち止りテーブルの上を片付けている藍唯の方を向く。 慈雨は藍唯の肩を叩き劉に向かって示唆する。 

 劉は藍唯に解る様にゆっくりと口を動かし「旨かった、ありがとな藍唯」

 その言葉を理解し藍唯は、ニコリと笑った。

 そして、二人は片付けをしてBrigitteブリジット Bardotバルドーへと向かった。

 


 Brigitte Bardot***

 午後八時、店オープン 


 慈雨と藍唯は店へとつづく十段の階段を下り店内へと入る。

「あら、いらっしゃあい 早かったのね慈雨」

「いらっしゃ……なんだ慈雨かよ」店の扉を開けるとカウンターの中にはbebe姉と、昼間とは全く正反対な露出度の高い格好をしている綺羅可憐が、カウンターの席に坐っていた。

「慈雨かよってなんだよ……とりあえずべべ姉、これ今日の」

 慈雨は、ポケットから現金を出しbebe姉に渡した。その時、慈雨の後ろに藍唯が、不安そうに隠れているのを可憐の視界に入。


「ん? ……ちょ、何この子! 超ぉぉ可愛いんですけどぉぉぉ誰!?誰?」

 食入る様に見つめる可憐を余所に、怖がる藍唯は慈雨の後ろへ隠れたが、可憐も近づき藍唯と鼻の先が当ってしまいそうな位、顔を近づけた。

 

「あなた女の子よね?」


 ―――藍唯硬直。


「はぁ? 何言っての可憐さん、藍唯こいつは男だろ」

 そういって可憐は、藍唯の胸元を触る。  ぷにゅん♪

「ほら おっぱい付いてんじゃん」

「!!!!!!!!」藍唯は可憐の行動に驚き、胸を押さえうずくまった。

「あらぁ やっぱり彼女じゃないのぉ 慈雨ったらぁどんだけ~」


 ―――慈雨硬直。


「きゃはははは 慈雨、まさか男だと思ってたのか? やっぱり馬鹿だなお前!」 

 腹を押さえ大笑いをする可憐と、どんだけ~を連発するbebe姉 そして、笑いながら可憐は、蹲った藍唯に名前を訊いた。

「ねぇ あなた名前は?」当然、藍唯には聞こえてい橆い。

 慈雨は、我に返り可憐に藍唯が障害を持っている事を告げる。


「藍唯は、耳が聞こえない」

 その言葉と共に、可憐はさっきまでとはうってかわって表情を変え慈雨の方へ振り返る。

「慈雨、藍唯ちゃんはなんで顔に痣があるんだよ」


「藍唯は、親に虐 待を受けてる、だからべべ姉。暫く、藍唯をかくまって欲しい」



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