【魔獣】
【あ】
【電気蜘蛛 (えれきすぱいだー)】
クモ目の魔獣。
特殊繊維類の巣を作り、巣に掛かった獲物を電気ショックを与え、生きたまま捕らえる。大型生物に生きたまま卵を産み付け、餌にしてしまう。
人間なども餌になる危険があり、捕獲が意外と難しい。
脚の部分から巣へと電気を放出する為、脚の部分を素材として魔道具を精製する者もいる。
【足切り蜥蜴 (えすかっとどらごん)】
トカゲ亜目の魔獣。
火山の火口に棲息し、殆ど人前に姿を現す事が無い。
全身のありとあらゆる部分を自切(トカゲの尻尾切り)を行う事が出来る。
また、失った器官などを素早く再生する事が出来る。
この蜥蜴の血液には一時的に喪失した部位を再生させる機能がある。
この血液で精製された魔水薬は傷を癒し、失った部位すら再生させる事が出来る。
【か】
【甲殻熊 (くらすとべあ)】
全身が甲殻で覆われた巨大なクマ科の魔獣。
四足歩行の状態で高さが4メートル。二本足で立つと、全長8メートル以上になる。
体重は1トン近くあり、常時魔術を発動している事により、肉体の負担を減らしている。
また、その咆哮に魔力を付与する事で、対象者の三半規管を狂わせ、行動を阻害する術を持っている。
凶暴で、鉱物よりも堅い甲殻を持つ為、通常の武器で倒す事がほぼ不可能と言われている。
通常、数十人規模の人間で狩る事になるが、被害も大きい。
体内魔素保有量が非常に高い為、魔石のサイズの大きく、その肉を食べた者は魔力保有量と身体能力の上昇が見られる。その為、元々稀少な魔獣である上に、この効能から求める者が絶えず、常に高い価格で取引される。
また、この世界では魔術が普及しているものの、多くの人間が使える訳では無い為、肉の保存方法としては干し肉程度しか無い事から、短い期間でしか扱えない等、価格が高くなる要因が揃っている。
甲殻の用途も多く、武器、防具等に使用される。軽量で非常に頑丈な事から、大型武器に使用される事が多い。
【さ】
【雷鳥 (さんだーばーど)】
キジ目ライチョウ科ライチョウ属の鳥の魔獣。
日本の特別天然記念物とは異なり、実際に雷を纏っている。
翼を広げると、全長が10メートル近くになる巨大な鳥。
獲物を捕獲する際、相手を感電させる。獲物は馬や牛等、時には人や大型の魔獣をも襲う。
【滑る者 (すれいぷにる)】
馬科の魔獣。
その大きさは通常の馬の2倍から3倍はある。足は8本。
魔術障壁を利用する事で滑るように走る事からその名が付けられた。
軍馬としては最高峰であり、その突進は魔術師相手に絶大な効果を持ち、魔術障壁同士の破壊の後、戦車の蹂躙により全てを蹴散らす。
九十九が隷属させたものは雌。
かなり賢い。
好物は魔素人参。
【た】
【解体蟲 (でもりっしゅ)】
コウチョウ目・ハネカクシ上科・シデムシ科に属する昆虫型の魔獣。
死体に集まり、餌とするシデムシと同じ様に、魔獣の死骸を漁る。
大顎が発達しており、魔獣の肉すらも容易く切り裂く事が出来る。
基本的に生きた生物を襲う事が無いため、危険は少ないが、いくつもの魔獣の死骸を喰らっている事から、魔素保有量も高く、狩ろうとすると返り討ちに遭いかねない程強い生物である。
【な】
【は】
【光剣魚 (ぶれいずふぃっしゅ)】
大南洋の深海に棲息するスズキ目カジキ亜目の魚の魔獣。
上顎部分に魔力射出吻があり、外敵に対して、魔力で精製した、剣状の矢を射出する。
魔道具・光剣魚はこの魚の骨と魔力射出吻を素材として製造されている。
【氷結草 (ひょうけつそう)】
北方の極寒の山脈に育つ魔性植物。
極低温の環境下でも茎の内部の水分が凍る事が無い。
この機能を利用して、魔道具・氷釘は造り出されている。
【ま】
【や】
【ら】
【わ】
【飛竜 (わいばーん)】
リュウ目 チョウキャク目 コウカクリュウ下目 ヒリュウ上科の魔獣。
二本足に一対のコウモリの様な翼を持つ大空の覇者。
魔獣の中でも特に魔力が高い竜種の中では低位の存在。
高位の竜種が常時魔術障壁を展開しているのに対して、飛竜は魔術障壁を持たない。
火炎吐息という、魔獣特有の魔術を使用する。
尾には猛毒の尻尾があり、得物を突き刺し、殺す事が出来る。
非常に警戒感の強い生物で、飼い慣らすのは非常に難しい。
卵の状態か、幼生体の状態で捕獲し、成体まで育て上げる事が出来れば、竜騎兵の騎竜となる事もある。
ただし、幼生体から成体までには数十年の時間を要する。