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第6話:時は既に正月過ぎ

 何気にこのお話の時期はとっくにお正月を過ぎて2、3日が経っています。桃栗秋子です。お正月の話はまた別の機会で話すからね。

 今朝起きたら雪が降っていました。私の地域では初雪だから嬉しくなっちゃって、まだ寝ていたクロウ君を積もった雪の中に放り込みました。清々しい気持ちでした。

「わあ真っ白っ! アキコさん、雪って綺麗だねぇ!」

 パジャマ姿のフリージアちゃんも起きてきました。っていうか、この妖精ときたら、なんだかんだでずっと居座り続けてるんだけど。

 それにしても寒いわねぇ。調子に乗ってアイスクリームを五つ食べた時くらい寒い。

「さあさあ二人共、こたつに入っておしるこでも食べようか。今日は私自らが作ったから、残したらお餅を喉に詰まらせるから」


 はあぁ〜。やっぱりこたつは暖かいねぇ。こたつis天国! おしるこも我ながら上出来だわ。ただ、フリージアちゃん。おしるこに魔ヨネーズをぶっかけるのはやめなさい。アンコと混ざってものすごいダークな色になってるから。

 そういえば私、年賀状を書いてなかった。仕事場のお偉い方には書いたけどね。

 友人からの年賀状が机の上に積み重なってます。

 仕方ない。返事でも書いてやるかな。

「ボクにもハガキを頂戴。ライト校長に年賀状を送りたいんだ」

「はいはい。自由に書きなさい」

 クロウ君はペンを走らせる。って、マホーツ界宛の年賀状なんかポストに入れても届かないだろうに。どうやって届けるつもりなんだろう?

 それより私は自分の年賀状を書かないと。

 友人からの年賀状をざっと拝見させてもらったけど、どれもこれもパソコンで綺麗にプリントされたものばかりだった。

 ふん。日本人なら筆で書きなさい筆で。手書きの温かみを表現なさい。

 ほら、私みたいに筆で大きく『あけましておめでトゥ〜ン』って書けばインパクトが違うでしょインパクトが!


 ……ふう、書いた書いた。いまだかつてないほどに書いたよ。

 疲れた私は寝そべりながらこの前買った『Dev・Justice〜正義のデブ〜』を見てます。頭にはフリージアちゃんが乗っています。

『体脂肪30%? そんなこと関係ないだろ! なんでそんなことで別れないといけないんだ!』

『だって貴方、本当の体脂肪は50%だって言うじゃない! 私を騙したのね!』

『違う、違うんだ! 俺達が付き合った当初は確かに30%だった。しかし今は50%に増えてしまっただけなんだ! だから嘘じゃないんだ!』

『じゃあただの高血糖だと言っていたのに、実は糖尿病だったっていうのはどういうことなの!』

『――ッ! そ、それは……』

『もう丸杉君なんてどうでもいい! 電車内でシャツのボタンが弾け飛ぶといいのよ! うわーん!』

『ま、待ってくれ! 畜生!』

 どこが正義なんだか。よくこんな映画が大ヒットしたもんだ。世も末ね。

 適当に見終わった所で年賀状を出しに行くことにした。

「クロウ君。年賀状をポストにワープさせる魔法とか使えないの?」

「そんな魔法はないよ。自分自身でポストに入れてくればいいじゃない。あんまり横着してると、今の映画の人みたいにデブるよ」

「私はデブりません。何故ならば昔から絶妙なスタイルを保ち続けてきたからです。それより早く魔法を使えるならさっさと使いなさい」

「だからそんな魔法はないって言ってるのに。もしかして聴覚が優れてないんですブゥッ!」

 はい、ビンタ。

 仕方ないから自分でポストに入れることにした。使えないガキね。

 それにしても外は寒い。雪が降ってるし。

 ――あっ、目の前を歩いていたおじさんがすっ転んだ! その反動で頭に乗っていた黒い何かも吹っ飛んだ。おじさんは尻餅をつきながら坂道を滑り落ちていった。途中で道行く人々をなぎ倒してる。

 ……あのおじさんには『破壊神』の称号を与えないとね!

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