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第51話:実技試験・まだまだ続く

 さて、クロウ君とケルベロスがやり合うみたいだけど……戦闘は省略!

 え、あ……やっぱり見たい? あ〜、見たいのね。まったく、面倒くさいなあ。

 じゃあ戦闘の様子をダイジェストでお送りします。

 

・両者いがみ合う。

・私は自動販売機におしるこがあるのを見つけ、買うことにする。

・クロウ君、魔法の詠唱に入る。

・ケルベロスは様子を伺っている。

・私は小銭がなかったので、千円札を使おうとした……が、夏目漱石の千円札しかなかったので使用不可だった。

・クロウ君が詠唱を終えると、ゴルフクラブから物凄い衝撃波が放たれた。

・ケルベロスは激しくのけぞった。

・その隙を突き、ゴルフクラブを振り上げケルベロスの頭をかち割ろうとした。

・しかしあっけなく回避される。

・私は他に小銭がないか探すのに必死だった。

・結局小銭はなかった。

・ムカついた。

・自動販売機を蹴り飛ばした。

・自動販売機が倒れてきた。

・私は驚き飛び退いた。

・クロウ君も飛び退いた。

・ケルベロスは巻き込まれた。

・トドメとして、改めてゴルフクラブでぶん殴った。

・終了。

 

 ということで、クロウ君の勝ちです。

『む、これは……クロウの力……なのか?』

 カンムの野郎はお困りの様子。私は何もしてないわ。言うなれば、これは事故よ。そしてケルベロスは事故に巻き込まれてしまっただけなのよ。私はおしるこを買おうとしていただけで、戦闘には一切協力していないのよ! よってクロウ君の力で勝ったのよッ!

『まあいいか……。Bランクモンスター撃破。クロウ、五十七ポイント獲得。合計ポイント数六十七』

 ん、けっこう増えたわね。

 得点の基準はわからないけど、Aランクを倒したら百ポイントぐらい貰えるかも。よし、頑張ろう!

 

 ――残り時間……二時間と二十分。

 

 商店街までやってきた。

 すべてのお店はシャッターが下ろされ、『本日閉店』の張り紙。

 建物にまとわりついた配線や豆電球達は、クリスマスの綺麗なイルミネーションで照らしていたもの。

 そういえばまだウチはツリーを飾っていないな。明日になったら飾ってみよう。たしか押し入れに封印してた筈。

 クリスマスになったら町中はラブラブカップルで溢れかえるんだろうね。

 あ〜ヤダヤダ、羨ましい。

 美しい夜景の見える高級レストランで、ワイングラスを掲げながら「君の瞳に乾杯」とかやるに違いないわ。ぶはーっ! 臭すぎて逆に笑えちゃうわね!

「モモグリさん、何をブツブツ言ってるの?」

「ん、ちょっとカップルに愚痴をね」

「……?」

 さて、魔物でも探しましょうかね。

 現在位置はさっきも言ったけど商店街。日中は八百屋や魚屋のおっちゃんがヘイらっしゃい! って賑やかなのよ。まあ、私は勤め先のスーパーで買うからいつもスルーしてるけど。

 今はがらんとしていて、私とクロウ君以外は誰もいない。深夜の商店街って寂しいものね。

 ――と、その時だった。

 

 シャンシャンシャン……。

 

 綺麗な鈴の音が聞こえる。

 とっさに身構える。

 私の勘だと、これは魔物に違いないわ。絶対そうよ、魔物に決まってる。私の勘ってけっこう当たるんだから。

 清涼飲料水のペットボトルにさ、たまにオマケでフィギュアが付いてたりするでしょ? あれで私、シークレットを二回連続で出したことがあるのよ。

 え、それはただ単に運が良かっただけだって? うふふっ、骨だらけの鯖を食べさせるわよ?

 それはともかく、シャンシャンと鈴の音が鳴る。

 鈴の音といえば……。

 ジングルベ〜ル、ジングルベ〜ル、鈴が〜鳴る〜。

 っていう同じみのクリスマスソングを思い浮かんじゃうわけで。

 そんな私の前に現れた奴の正体は……。

 赤い服を着た、白い髭を生やした老人だった。

 というか、モロにサンタクロースだ。

「クロウ君、あれは魔物なの?」

「うん、三択ロースっていう肉好きな魔物だよ」

 ダジャレじゃないの。命名した奴、馬鹿じゃないの?

 鈴の音は、三択ロースの首に着けた鈴が歩く度に揺れて鳴っていた。猫かあんたは。

「モモグリさん、気を付けて。こいつはなかなか手強いよ」

「ふっ、その言葉から察するに、私の力を借りたいようね?」

 何もするなって言ってないしね。

「ボクがやられると、かなり減点されるんだ。それなら二人で協力して戦って、少ない得点を貰ったほうが何倍もマシだからね」

「結局は得点を優先するのね」

 まあ、戦えるのならなんだっていいけど。

 未知の戦闘力を秘める三択ロース。

 私は奴に、拳を一発入れてやる!

 

 続く!


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