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第43話:夢見の桃栗

 夢を見た。

 実家に帰った夢だった。

 何故か家が洞窟だった。私は原人か。

 洞窟が実家の筈なのに、どういうわけか私とクロウ君しかいない。実家という設定の意味がない。

 そしてクロウ君は山田さんチへピンポンダッシュをしに、私は川で水死体が流れていないかチェックしに行きました。なにこれ?

 すると、川からどんぶらこどんぶらこと案の定死体が流れてきました。

 よく見るとマネキンなのですが、私はそれに気付かず、

「これはきっと鬼ヶ島の鬼の仕業ね! 罪のない人を襲うなんて……許せない!」

 燃え上がる正義の炎。

 憎め、悪の存在を。

 いざゆかん、鬼ヶ島へ!

 と、その前に……。

 お昼ご飯でも食べてから出発しよう。

「ただいま」

「おかえり、ビューティフルモモグリさん。今日のご飯は本場フランス仕込みの塩茹で卵だよ」

 豪華なのかしょぼいのか。

「デザートは麗しき美女であるモモグリさんにピッタリ、リンゴ丸ごと一つだよ」

 何かがおかしい。

 そして私はご飯とデザートを食べ終え、鬼ヶ島へ行くことにしました。

「待ってモモグリさん。これを持っていくといいよ」

 クロウ君から手渡されたのは、大根一本。

 使い道は?

「行ってきまーす!」

「行ってらっしゃい」

 てくてくと道を行くと、突然道草からブルドッグが飛び出してきました。

「モモグリさんモモグリさん、お腰に付けた大根をくださいな。そしたらわたくしめがお供してさしあげます」

「犬が喋るなーッ!」

 ブルドッグは無視。

 すると今度は猿がやってきました。

「キィキキキィ!」

「何言ってるかわからんッ!」

 普通の猿に興味はないわ。

 今度はキジが現れました。

「最後に残されたわたしにどうしろと?」

「帰れ」

 動物は役立たずねぇ。

 そして私はついに鬼ヶ島へたどり着いた。

 雷門みたいにデカい門があって、『いかにもラスボスのステージにやって来ましたよオーラ』が溢れています。

 門の前には見張りの鬼が立っていましたが、軽く会釈をしただけで簡単に入ることができました。

 そして通りすがりの奴に一番偉い鬼の居場所を聞くと、部屋まで案内してくれました。

「たのもー!」

 勢い良く部屋に突入。一番偉い鬼は他の鬼より一回り大きい。

「あんたに言いたいことがある!」

 指を差し一喝。

「みんなめちゃくちゃ優しい鬼さんじゃないの」

 特に案内をしてくれた鬼なんか、私を飽きさせないために途中で面白い小話をしてくれたりと最高だったわ。

 偉い鬼は「お気に召したようで良かった」と笑いました。

「あ、これつまらない物だけど、ウチから大根を持ってきたから食べてちょうだい」

「いやはやどうもすいません。ではお返しにコレをどうぞ」

 柴漬けを貰いました。夕飯の時に食べよっと。

「ありがとう鬼さん! また遊びに来るわね!」

「はい、いつでもいらっしゃい」

 いやあ、鬼って見かけによらず良い奴なのね。

 っていうか、何のために鬼ヶ島に行ったんだっけ? ま、いっか。


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