第31話:桃栗んチに紺とロゼ
朝からトウモロコシを食べています。ミストウモロコシ、桃栗秋子でございます。
やっぱトウモロコシはガブガブっとかぶりついて食べるのが美味しいわね。ガブガブー。
ちなみにクロウ君は和夫とリファの三人で一緒に出かけたので今日はいません。私は行くのが面倒だったから留守番です。
たまには一人でダラダラするのもイイもんだわね。ダラダラー。
ピンポーン。
チッ、邪魔が入ったか……。
私はトウモロコシをかじりながら玄関のドアを開けた。はしたないとかそういったことはこの際気にしません。
「おっ、あんたが桃栗っちゅう人か?」
私の目の前にいるのは真っ白なダッフルコートを着た女の子だった。誰よあんた。
「秋子〜、遊びに来たよ〜」
すると女の子の後ろから紺ちゃんが現れた。
「いらっしゃい紺ちゃん。誰よこの子」
「この子はロゼちゃん、クロウ君と同じ魔法学校の子なんだって。私の所に居候してるの」
「よろしくなー桃栗の姉さん!」
このロゼって子も魔法が使えるわけね、ふうん。
とりあえず二人の部屋に入れた。そして麦茶を出してあげた。
「桃栗の姉さん、ウチもトウモロコシ食べたいなあ」
ああ? そんなのダメに決まってるでしょうが。私のトウモロコシを易々とやってたまるか。
「ケチケチしないで分けてぇな」
「やーよ」
「ホンマにお願いします! 夏といったらトウモロコシやろ!」
「同感だけどあんたにあげる義理はないもーん」
「頼む、綺麗で麗しくて美しくて可愛いアイドル並みの美貌を持って世界三大美女と同レベルの美しさを兼ね備えそれ故に世界美女四天王と名を変えたものに入っている桃栗秋子様!」
「仕方ないわね、はいどうぞ」
ロゼって超良い子じゃない。クロウ君と比べものにならないぐらい良い子。でも残念ながら今の台詞は非常に読みにくかったため八十二点ってところかな。
「トウモロコシうまー! ありがとな、桃栗の姉さん」
「どう致しましてロっちゃん」
(ロっちゃんってウチのこと……?)
紺ちゃんはきょろきょろと部屋を見渡している。きっとクロウ君が目的なんだろうなあ。でもクロウ君はいないんだよなあ。
「で、あんた二人は何をしに来たわけ?」
「さっきも言ったやろ」
「遊びに来ただけだよ」
「あっそ……」
夕方まで三人でゴロゴロしていましたとさ。