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第27話:下暮温泉リターンズその三

 車内で大騒ぎしながらもなんとか旅館にたどり着いたボク達。

 『下暮温泉げぼおんせん』と書かれた立派な看板が車内での大惨事をフラッシュバックさせます。みんなのテンションがガタ落ちです。特にリファは泣きそうです。

 適当に受付を済ませ、部屋に案内された。

 ……なぜか全員一緒の部屋だった。

「おいおい、普通男と女とで分けるべきだろ」

 サワヤさんの言う通りだ。

「酒飲んで酔っ払ったら襲っちまうだろうが」

 さ、サワヤさん……ストレートすぎる。

「そうなった場合は……ねっ、秋子?」

「そうね、紺ちゃん……」

「「お前をぶっ殺す」」

 思わず震え上がるサワヤさん。よかったね、これで酔っ払っても手出しができない……。

「わ、私……温泉に入ってきます……」

「リファちゃんが行くなら私も行こうっと」

「それなら私も行く!」

 女三人組は早速温泉に入るらしいです。

 さて、残ったボクとサワヤさんはどうするのやら。

「クロウ」

「なんですか?」

「俺らも便乗して温泉に行こうぜ」

 ボク達も温泉に浸かることに。


 温泉です。二度目です。

 緑が生い茂る山と綺麗な海が見えます。絶景です。

「気持ちいいなクロウ。この温泉最高だ」

「ですね〜」

 ゆったりとお湯に浸かる。ああいい気持ち。

 隣の女湯からモモグリさん達の声が聞こえます。

「リファちゃん体をキレイに洗おうね〜」

「あ、ありがとうございます桃栗さん……」

「シャンプーもしないとね」

「塩田さん、あの……シャンプーぐらい自分でできますんで……」

「綺麗になってクロウ君を寝取れ!」

「はうッ! も、桃栗さん、何を言ってるんですかッ!」

「そうよ秋子! クロウ君を寝取るのは私よ!」

 なんつー会話をしてんだあの人達は。やめてくれ。

「なあクロウ」

「なんですかサワヤさん」

「壁が透けて見えるようになる魔法はないのか?」

「残念ながら犯罪です」

「だろうな。あ〜マジで残念だ」

 この人は懲りないな。っていうかダメだ。

「なあクロウ」

「なんですかサワヤさん」

「女湯を覗くというラブコメチックな展開に走ってもいいか?」

「残念ながら犯罪です」

「だよな〜。あ〜漫画の主人公が羨ましい」

 その後、ボクとサワヤさんは同じようなやりとりを数十回繰り返した。


 夜です。ご飯です。みんなハイテンションです。

 どデカい船盛り、それにカニや山菜など豪華な食事がたくさんです。

 カニにがっつくモモグリさん。船盛りに手を出すサワヤさん。山菜をちょびっとずつ口に運ぶリファ。ボクの頬を箸でつつくシオダさん。

 ってコラ。

「あ、ゴメ〜ンクロウ君! ついついつまみたくなっちゃって!」

 ついついつままないでください。ボクは美味しくないから。

 食事はどれも美味しく、全員で全て食べきった。ふう、ご馳走様でした。

 食後はグダグダした。適当に寝転がるだけ。

 そしてしばらくするとモモグリさんが立ち上がり、

「卓球しようぜっ!」

 食後の運動らしいです。

 これにはみんな賛成。早速卓球をすることにしました。


「第一回ピンポンバトルーッ!」

「「イエーイ!」」

 超ノリノリの大人三人。ボクとリファは呆然とするのみ。

「ルールは簡単。対戦相手は私があらかじめ作っておいたトーナメント表に従ってやってもらいます。得点は十一点先取、デュースは面倒だから無しよ」

 まず最初の対戦は……ボクとシオダさんだぁ……。

「相手がクロウ君でも私は容赦しないわよー!」

「ははは……お手柔らかに……」

 まずはシオダさんのサーブ。いかにもそれっぽい構えをしています。

「いくわよ……!」

 シオダさんはボールを上げて……、

「必殺、『紺色シャムシール』!」

 え、技ですかッ?

 よくわからないけど返せないような玉じゃなかったので普通に返す。

「秘技、『紺色カットラス』!」

 また技ッ?

 しかも見事なカットだ。でもカットラスって武器だよ。

 ボクはそのカットボールをギリギリで返す。

「トドメよ! 『紺色フランベルジュ』!」


 ズガシャーン!


 シオダさんの華麗なスマッシュがキマった。技名に意味はあるのか。おそらくなんとなく叫んでいるだけだろう。

 その後、地味に強いシオダさんに押されボクは負けてしまった。う〜ん、残念。

「はい、紺ちゃんの勝利〜! クロウ君の雑魚!」

 うるさいよ。

 さて、次はサワヤさんとリファの試合らしい。はっきり言って実力に差がありそうなんだけど……。

「ま、負けませんよ……!」

「おおっ、意外とやる気があるんだな。じゃあ手加減しないからな!」

 サワヤさんのサーブ。なかなか速い玉だ。リファは返せるか?

 ……と、リファを見ると、腰を深く落とし、既に玉が来る場所で待機していた。

「甘い……ですよッ!」

 そしてダイナミックな動きで玉を打ち返す。


 ――ボールは壁にめり込んだ。


「な……なんだそりゃあぁぁッ!」

 サワヤさん絶叫。そりゃそうだ、こんなのびっくりするさ。

 そして審判であるモモグリさんがジャッジを下した。

「魔法は反則。リファちゃん退場!」

「え、ええっ!」

 ナイスジャッジ。よく魔法だとわかったね。

 サワヤさんは不戦勝となった。


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