ぴょこ
掲載日:2026/07/18
ふと見ると、ぐっすりと眠っている愛犬金太郎のお腹の毛並みの中で、何かがモコモコと動いていた。
何だろう、と思っていると動いているものは毛の中からぴょこと頭を出した。
それは大粒のアメリカンチェリーくらいの大きさで、どういうわけか縫いぐるみの人形の様な姿だった。
白く真ん丸な頭に、もしゃもしゃとした茶色の毛糸の様な髪、ふちのある赤い三角帽を被り、目は黒いビーズ玉のようで、口元は赤い糸で刺繍したかのように浅いU字を描いてにっこりと笑っている。赤い服を着ている様だったが、肩から下は金太郎の毛に隠れてよくわからない。
金太郎が玩具でも持ち出したのかと思ったが、そんな縫いぐるみや人形には覚えがない。
そうこうしているうちに、その小さな頭は再びぴょこと毛の中に沈んでしまった。
すぐに金太郎のお腹のあたりを探ってみたが、何も無かった。
不思議がる飼い主をよそに、金太郎はただイビキをかいて眠っているままだった。




