表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/38

29話 独白――ポラリス

 戦いは終わったのね、リヒトさん。


 出撃した二十人の神殿騎士さまのうち、半分の十人が負傷した。その十人の中にリヒトさんもいたと聞いたとき、気がおかしくなりそうだった。


 嗚呼。やっぱり私のせいじゃないの。

 私が街を守れだなんて命じたからじゃないのって。


 いくら後悔しても時間は巻き戻せない。だから未来に進むしかない。


 でも。でもきっとリヒトさんのことだから、すぐに笑って会えると思っていたの。

 いつもみたく、ペパーミントみたいに爽やかな笑顔を見せてくれるって、都合良く思い込んでいたわ。


 私、甘かった。本当に甘かったね。


 魔獣の中には『精神攻撃』を放つものもいるということすら、私は知らなかった。


 巨大なイソギンチャク型の魔獣、そいつの触手に捕らえられたあなたは――助け出されるまでの数分間のあいだでひどい、ほんとうにひどい、ひどい精神攻撃を受けていたという。


 おそらく過去の心的外傷に関わる攻撃を受けたのだろうと、リヒトさんを助けたエルさんはおっしゃっていた。助けてくれたエルさんには本当にほんとうに感謝しかない。


 あなたはご両親のことでいろいろとあったから、そのことだろうとも。


 よくがんばったわね、リヒトさん。ほんとうによくがんばって、生きて帰ってきてくれました。


 あなたは今神殿付属の病院で、薬を投与されて眠っている。しばらく鎮静の必要があるからって。

 いま、あなたは一人ぼっちで眠っている。本当なら今すぐあなたを抱きしめたい。あなたには抱きしめてもらってばかりだったから。


 神殿長からは、明日からつきっきりで一緒にいることもできると言ってくれた。でも今日、私はあなたが寂しいんじゃないかってどうしても考えてしまう。一人で泣いているんじゃないかって。かつて小学校の図書室で泣いていたみたいに。


 エルさんがおっしゃっていた。「今リヒトはちょっと幼くなっているんです」って。軽めの幼児退行の症状が出ているって。


 私、それでもあなたのそばにいたい。

 どんな人にも弱い部分はあるわ、あなたの脆い部分すべてを受け止めたい。


 私の帰る場所は、あなたのいる場所だから。

 あなたは私のリヒトさん()だから。

本日更新分はここまでです。

及んいただきありがとうございました!

よろしければ評価、ブクマお願いします(◕ᴗ◕✿)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ