28話 独白――リヒト
たたかいはおわったよ、ポラリス。
これでやっと君のもとに帰れる。生きて帰ることまで命じられているから、ちゃんと戻って元気な顔を見せたかった。
でも、ごめん。
ぼくのこころは、壊されちゃった。
人の命が儚いのは知っているよ。
病気が死ぬかもしれない、寿命で死ぬかもしれない。
急に飛び出してきた車に轢かれて死ぬかもしれないし、物騒な話駅のホームから突き落とされて死んだ人だっているだろう。
僕の父親は、『からすだから』ってだけでころされちゃった。
人類種が人類種だからって、ころされることはないのにね。
でもこころもこんなに簡単に、壊れてしまう、もの、なんだね。
からだが動かなくて、凍ったみたいに動かなくて、とっても、とってもつらい。
もしかしたら、きみ、も、ずっと、ずっと、こんな、気持ちだった、のかな。
きっと、しいたげられる、って、そういうこと、だろう?
きみは、おとうさんと、おかあさんに、虐げられていた。
ぼくのおとうさんは殺されて、おかあさんはいなくなっちゃって、さいきんよそのくににつれていかれちゃったってことがわかった。
ぼくのおかあさんは、よそのくにで。
むりやり、おうさまの『めかけ』にされて、あかちゃ、あかちゃんを、あかちゃんをを、すきでもないおうさまとのあいだにつくらされ、た。
でも、でもでもでもででもでもでもでも。それはぼくがおかあさんに『弟か妹がほしいな』って、きょうだいがほしいなっていった、いた、いった、いた、いったから、おかあさんは『めかけ』になったってあああああああああああああああああああああ
おとうさんは、ぼくがうまれたひにころされたのに、ぼくがいもうと、ほしがった、から
ね、ポラリス。ぼくはほんとうはこんなにきたないんだよ
みためはきれいだっていわれているけど、ほんとうはすごいぐずなんだ
でも、でもねでもでも。僕は君と生きたいんだ。
君と一緒にこれからの未来を生きたいんだ。
目を覚ましたら、話さなきゃいけないことがたくさんある。
こわれて、ちょっとだけ話すのがしんどいけど、たくさん話をしよう、ポラリス。




