すべての幻想が瓦解した後にも残るべき物語はあるか
幻想の彼岸で
すべての幻想が瓦解した後にも残るべき物語はあるか。ない。この世のどこにもない。物語は集団的な幻覚,あたたかい夢のなかに根付いた魔物である。それは想像力が滅びた彼岸では無力だ。私はすでに,今,まさに,この醒めた不毛の地に立ち尽くして,死の時を,あるいは,助けを待ちわびている。魔物の支配を抜け出した私は今,楽園だった場所で孤独にいる。
もう歩けない。淋しいが,居心地は良い。何もないが,安らげる。まるで核戦争後の世界に生きているかのように,淡々と日々をこなし,目的もなく,ただ,いづれ,近いうちにくる絶対的な,永久の終わりに向かってひとりで生きている。今の私にとって,他者も,私も,空虚だ。それはたんに動くモノであり,いづれ止まるモノであり,中枢になにもない,空っぽの箱だ。その心でさえも外皮でしかなく,心とからだに包まれているものは虚無だ。真空だ。
夢は,淡い,クリームタルト
遠くから,呼び声が 呼び声の残響が,
聞こえる.
振りさけ見れば,有明の月.
ただぽっかりと,残れる狂気
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