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【25話】きっかけの無い人

月日は流れ…

長男は中学3年生になっていた。

長男は、真面目でもなく

悪さをするほどの子ではなく

どんなタイプの子とも上手く付き合う。

そんな子だった。

二男に対してもシャイで

本当は可愛いんだけど

どうしていいか分からないタイプ。

周りの友達の方が可愛がってくれていた。

うちは、狭いマンションなのに

長男の友達が来やすい家なのか…

よく集まっていた。


そんな長男も受験となり…

頭が良いわけでもない長男は

結局、私立高校の推薦入試を受けることにした。

長男もそこに行きたいと望んだから…

お金の算段もした。

遠くの公立高校に行って交通費が掛かるより

近くの私立高校に自転車で行った方がお金は掛からない。

授業料は、減免制度があった。

拘禁が1年過ぎていたので

母子家庭と認定されていたから

入学金と学費は母子家庭の貸付金から借りた。

学費に関係する貸付金は無利子となる。

私は兄に保証人になって貰った…。


そして、長男は4月から高校生。

二男は、近くの保育園に入園することになった。


それから8月になり…

元夫が出所することになった。

出所の日は、元夫の知り合いの人と

私と二男で迎えに行った。

1度目の人生では、嬉しかった。

やっと、また一緒に生活できると

希望に満ちていた。

今は、不安しかない…

でも、耐えるしかない。

ある意味、未来に「あの人」に会えるという

希望があるから…

そう考えながら…

楽しい振りをするしかなかった。


出所した日に検察庁に

出所の報告に行った。

そこで、担当検事が言った言葉…

「あなたには、更生するきっかけが無い

普通の人は結婚や子ども等で更生するきっかけがある。

でも、あなたは結婚も子どもも親が亡くなっても

更生出来なかった。

何かきっかけがあれば良いんですけど…」

と言った。

本当だ…

この人にはきっかけが無い…

結婚しても、長男が生まれても

父親が亡くなっても…

母親が亡くなっても…

そして二男が生まれても…

更生出来なかった…

私が一緒にいる意味なんて、無かった…

1度目の人生で、そう思った。

ずっと、私がいないとダメになると

思っていたけど、元夫は変わっていない。

むしろ悪くなっている…

将来、別れる決断をしたのは

間違っていなかったと

改めて…思った。

それでも、父親が帰って来て

喜ぶ長男を見ると…

複雑な気持ちになる。

それでも、これから起こることを

私は止められない。


元夫が帰って来たから

母子家庭の貸付は借りられなくなる。

だから、社会福祉協議会から貸し付けをした。

民生委員さんにお願いをしたり

社会福祉協議会にも何度も足を運んで、

やっと借りることが出来た。

保証人は、元夫の兄に頼んだ。

半年後から、母子家庭の返済が始まる。


元夫は知り合いの所に仕事に行き

私も、暫くして

パートに行くことにした。


それから、暫くは落ち着いていたが…

元夫は、思わぬ方向へと

進むこととなる…


私は、35歳になっていた。

元夫42歳。長男16歳。二男2歳。

「あの人」に会えるまで

あと4年…

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