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2話 運命の出会い

「あそこに見えるのが津島の街だといいんだが。」


ようやく森を抜けた俺は、馬を降りて見えた景色を眺めながらそう願った。

この時代は、恐らく尾張は統一も済んでいないどころか、来年には今川との戦によって、

深手を負い、織田信長の父親である織田信秀が亡くなる。まぁ、俺が織田に来た理由は、

この戦で武功を挙げて小さくてもいいから城持ちになりたいからなんだが。


そんなことを考えていた俺は、馬を引きながらまた歩き出した。

馬に乗っても良かったが、この子には重いものをたくさん載せているので、

ちょっと可哀そうになったわけだ。


それから1時間か、2時間近く歩いたころ、ようやく農村が見えてきた。

ただ様子がおかしい。耳を澄ませてみると明らかに斬り合いの声が聞こえる。

俺は、馬にまたがると少し急いだ。

近づくにつれて喧騒は大きくなってきた。

村の外れまで来たとき、目の前から何人もの農民が走ってきた。

村から逃げ出してきたようだった。俺は六角家の陣羽織を羽織り、戦で常につけてきた鬼の面頬を装着し、馬を降りて近づいて行った。

こちらに逃げてきた農民のうち、年老いたものが俺に駆け寄ってきた。


「お侍様!助けてください。村が盗賊に襲われておりまする。」


「誰が戦っておるのだ?」


「津田の若様です。お急ぎを!」


俺は馬に再び跨ると村へと入っていった。

津島の若様って誰なんだろう。信長でないことは確かだけど、

もしかして、信広だろうか。


村の中心部で夜盗10数人と大柄な若い武士が争っている。

馬で盗賊の集団を突き破ると、刀を抜きながら、馬から飛び降りた。


「ご無礼仕る。お手をお貸ししましょうかな?」



「誰だか知らんが、助かる。流石に手に余っておったのだ。」


「では、少々お待ちください。」


俺はそういって、駆け出した。

夜盗は14人。一人一人を一太刀で片付けていくと、ものの1分で片が付いた。

やはり、戦を知らぬ夜盗では歯ごたえがなさすぎる。

足音がするので振り返ると、若い武士が俺に刀の切っ先を向けてきた。


「助けてくれたことには礼を言う。だが何者だ。盗賊とはいえ、こうも容易く切り伏せるとは」


「まずは、自分から名乗るのが筋というものではありませぬか?」


「…。私は、織田弾正忠家が庶子。安祥城城主、津島三河守信広である。そなたは?」


やはり、信広だったか。でも、津島姓だったかな?


「これはこれは、津島の御当主であらせられましたか。

 拙者は、緋村左近将監総司。先日までは、六角家に在籍しておりまして、三好勢との

 最前線にて侍大将として兵の指揮と先陣を任されておりました。まぁ、嫡男の義賢様の

 ご不興を買い、追放されてしまっておりますが。」


「なんと!?あの『剣神』の緋村殿でありましたか。お強いわけだ。」


「拙者の事をご存じで?」


「三好勢との戦の情報はここ尾張にも伝わってきております。獅子奮迅のご活躍で、いくつも砦や城を落としたとか。」


「まぁ、そうですね。それより、三河守様がどうして尾張の農村に?」


「信広で結構ですよ。父上に呼び戻されましてな。その際に、ここの話を聞き、手勢を引き連れてまいったのですが、御覧の有様で。」


彼の後ろには亡骸が並んでいる。


「なるほど。ご愁傷様です…。」


「緋村殿はどうして尾張に?」


「織田家は何でも裕福と聞きましてな。今川家や斎藤家を蹴散らして城の一つでも奪えば、

 多額の報奨金や屋敷がもらえると思いましてな。訪問したわけです。」


「織田に加勢頂けると?」


「ええ。」


「それは心強い。ですが、できれば、津島家に来ていただきたいものです。」


「それはなぜです?」


「帰り道にでもお話しますよ。さぁ、清州へ参りましょう。」


「清州?勝幡城ではないのですか?清州は本家の清州織田の城では?」


「おお!よくご存じですな尾張の事を。ただ、すでに尾張は父上のもとで統一されております」


「左様か。」


「ささ、参りましょう。」


既に尾張が統一されている?

俺が来たことで歴史が変わったのか?

一体、この時代で何が起きているんだ?

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