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ハロウィンだし悪戯されたくないからお菓子持ってきたのに美少女に悪戯されたんだが…?

作者: 芝鳥 青

ハロウィンって今日気づいた


「トリックオアトリート!お菓子くれなきゃ悪戯するぞ!」

「はいはい、ほらこれ」


 ハロウィンお決まりのセリフを言ったのはクラスメイトの可愛い女子、藤堂茜(とうどうあかね)だ。クラスの中でも活発少女という立ち位置にいるからか、クラスメイト全員が微笑み顔で彼女にお菓子を渡していた。かくいう俺もお菓子をあげたのだが…。


「どうした…?」

「え?藤原(ふじわら)くんも私に聞かないの?」


 俺の時だけ何故か返事を待っていた。返事というのは俺からのトリックオアトリートである。なんだ?俺が最後に教室に入ったから待ってるのか?まさか、最後の一人にお菓子をあげるつもりだったのではないだろうか。そう考えると俺はなんてついているんだ!


「トリックオアトリート、お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞ!」

「おぉ!言ってくれた!」


 やはり少し恥ずかしさはあるが、これでお菓子はもらえるはず…なのだが一向にお菓子とご対面させてくれない。


「お菓子は持ってないんだけどね、じゃっ!」

「え、あ…」


 お菓子ももらえずただ呆然と立ち尽くす俺のところに友人がやってきた。


「おい藤原!お菓子あげたのに悪戯されたのな」

「なんでだ…」

「ま、こういうこともあるさ。とりあえずお前がお菓子もらってたら2回は殺してたから運は良かったと思うぞ」

「さらっと殺人を仄めかす発言はやめてくれるか」


 どうやら友人曰く、トリックオアトリートの返事を待たれたのは俺だけらしい。つまり最後の一人に悪戯する予定だったというわけだ。

 お菓子を貰えると思ってただけに少し悲しい気持ちになってしまうが、そもそも藤堂さんと話したこと自体が少ないのだ。さっき話せただけでもラッキーだと思うのが普通のことだろう…と、思っていたのだが放課後になった時、帰ろうとしていた俺は藤堂さんに呼び止められた。


「待って藤原くん」

「んぁ?な、なにかな?」


 突然の出来事で変な返事をしてしまうが仕方のないことだ。まさか今日だけで2回も会話できるなんて…って思ったが朝の件があるのだ。これも悪戯の一種の可能性がある…例えば、話せると思ったら実は日直変わってほしいだけだった的な残念なお話かもしれない。


「私、藤原くんにお菓子あげてないんだけど?」

「そ、そうだね。お菓子あげたはずなのにお菓子もらえない悪戯されるとは思ってなかったよ」

「…違う」

「違う?」


 違うとはなにがだ?まさか俺という存在が間違いなのか?そこまで言われてしまうのか?


「私は悪戯してない」

「いや、まぁ…直接的な悪戯はしてないけど…」

「もぉ!なんで気づかないの!」

「わかんないな…」

「私はお菓子藤原くんにあげてないの!つまり!藤原くんは私に悪戯していいんだよ?」

「え…?」

「だーかーらー、私に悪戯…して?」


 藤堂さんは俺に上目遣いでそう言ってきた。なんという破壊力、というか悪戯されたいってことはそういうことだよな?俺のこと好きってことでいいんだよな?まさか(いたずら)に悪戯してって言ってるわけじゃあるまいし…。


「…ここ教室なの忘れてた」

「あー、うん。ごめん、俺も悪戯思い浮かないわ」

「ううん、いいの。これから一緒にカフェでも行かない?」

「え…いいけど」

「悪戯されないから、お菓子の代わりにカフェで一緒にケーキでも食べよ」


 そう言って教室から逃げるように二人でカップル割のあるカフェに向かった。




 次に日、クラスメイト達が「俺たちの藤堂さんがっ!」と嘆くことになるのだが、本当に悪戯されたのはどうやら俺ではなく、お前達だったようだな。


ハロウィンって言われたら何を思い出しますか?カボチャですか?フランケンシュタインですか?僕は吸血鬼です。どうも、吸血鬼をこよなく愛す芝鳥です。

この物語を楽しんで読めたよーって方がいたら幸いです。この物語…この物語…この物語…こうもり傘!はい、無理くりです。では、ご縁があればまたどこかで〜

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「悪戯されてもいい」から速攻で「自分のことが好き」という結論を導き出せた主人公、中々に理解が早いですね。実は前からいい雰囲気だったりしたのでしょうか。
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