0話
初投稿ですぅ。半年に一回更新できるかも怪しいんじゃないかなぁ。
よろちくび
第0話 かすかな記憶
「はいよ、予約の品の兜割だ。にしてもあんちゃん、最近の3歳児ってのはそんなに
知能が高いモンなのかい?」刀匠の男が俺に聞いた。まあ、無理も無い事である。
いくら子供への最適な教育法「ヘルトナー式低年齢児用教育法」があったとはいえ、
3歳児との会話は未だに大人による思考の汲み取りが必要であったのだ。そんな中、俺は
大人による思考の汲み取りを必要としない会話が出来る程度まで発達していたのである。
「まあ、運が良かったのさ。ン…?変だな…」
なんと仕様書には「ネオクリプトン切断可能」と書いてあったのだ。ネオクリプトンは
現在発見されている中で最も硬度の高い金属であり、唯一、重金属粒子砲に耐えられる
素材だったのだ。
「家ン中にそれなりの大きさの石があったんでな、それを使ってみたんだわ。何か
不満かい?」
「いいや、硬ければ硬い程良い。代金は前払いだったよな?ありがとよ。」
「最近はこっちに全く注文が入らないんでね、結構暇だったのさ。またな。」
「多分もう来るこたぁ無いよ」俺達は冗談を交わしながら、自分の居るべき場所に戻った。
さて、必要な物は全て揃ったし、計画も完璧のはずだ。
「これで、やっと呪縛から解放される…」
俺は内心ほくそ笑みながら、帰路に着いたのであった…