33話:倒産した老舗温泉旅館の買収?
2025年1月中旬、最近、仲良くなった信金の山辺さんから電話が入り、
海辺の温泉地帯の老舗旅館が倒産したとの情報が山陰創造社に入った。
この旅館は古いが湯元源泉を持ってるから安く買収して小さくても良いから
24時間体制の温泉施設をつくれば若い移住者も多いので成功するのでは
ないかと話してくれた。直接、山辺さんに会う約束をとり詳細を聞くと温泉
旅館のオーナーが売り出したもの買い手がなく海外のファンドが欲しがって
いるが、海外勢には以前、旅館仲間が痛い目にあわされたので日本人以外には
売らないと言っていると教えてくれた。もし陰山さんが買収する気があれば
旅館の主人と温泉施設建設の専門家を紹介すると言ってくれた。陰山さん
だったら信金の方でも融資させてもらいますからと笑って言った。
そこで、まず温泉建設の専門家との面会を依頼した。彼の名前は吉村光男
さん建設会社出身でスーパー銭湯など首都圏でも何件も手がけたベテラン。
早速、この旅館を買った場合の良いプランを聞いてみると源泉を持っている
というのは強く他に温泉施設や温泉ホテルをやりたい人がいたら源泉を分けて
あげるだけでも利益を得られ、もし施設つくる場合は効率最優先で200坪程
の施設で開始し、できれば24時間営業(掃除の時間2-3時間は必要であり
実質21時間程度だが)そして混雑状況をネットで見られるようにすると、
更に良いと言った。
今や何と言ってもスマホの時代であり若者は効率第一主義ですよと言った。
また期間の短い割引回数券を出すのです。若者は効率主義だけれど意外と
いい加減で割引には弱いので、回数券を買ったが期限切れで使えなくなる
ケースも実は多いんだと言った。そして利益を確実に出す事に徹した経営を
すべきだと言った。温泉リハビリとか老人施設など多角経営で失敗している
連中を多く知っているので温泉施設だけでやった方が良いとアドバイスして
くれた。更に老人と子供用、温泉の年間、月間パスポート券をつくるんです。
老人は空いてる昼間に来るし孫が行きたいと言えば必ずついてくるんです。
他、ツアー客向けに旅行会社を通して宣伝しツアーに組み込んでもらう
のです。ツアーに組み入れられると必ず、料金を先にもらえるんです。
とにかく金をかけずに宣伝する事て繁盛してきたら近くの安いホテルと
タイアップして長期滞在プランや宿泊パックを提案するんです。
格安旅行好きな日本の若者や海外からのバックパッカーに温泉と宿を
セット販売するのです。その他、団体様の駅までの送迎サービスプランも
提案するんです。これも意外に客引きになるんですよと言った。
現代の若者の方が意外に温泉に飛びつくですよ。それはスーパー銭湯しか
知らない若者が多いからです。
あまりに吉村光男さんの話が長いので実際に費用はどの位かかるのか聞くと、
必要最低限度で5千万円程度。ここは田舎なので土地は安いし倒産旅館の土地
200坪入れても全部で7千万円程度ではないと言った。信金の山辺さんは、
悪い話ではないと思いますと言った。そこで何故、私にこの情報をくれたの
ですかとたずねてみた。山辺さんが陰山さんが市長からの信頼があついし、
移住してからの事業の成功を見てるからと言うので、その話を聞いて、
お礼を言った。陰山は付け加えて、創造社の目的は金儲けだけの企業でなく
地元のため移住者のための会社なんですよと話した。
この温泉施設の建設は、その目的に十分にかなう事業だと思うと山辺さん
が言った。確かに言うとおりかも知れません。少し考えさせて下さいと言い、
2-3日中に、お答えしますと言った。2日後に陰山は山辺さんに電話して、
この仕事をやらせていただきますので宜しくお願いしますと話した。
次に倒産した温泉旅館の木下社長との面会の段取りを取ってくれ指定された
時間と場所へ出かけ、挨拶後、信金の山辺さんが陰山の今までの仕事ぶりを
木下社長に話してくれると木下社長が陰山さん、この温泉宿を譲り受けて
地域発展のために役立てて下さいと言った。この話が陰山の心に響きわかり
ました、何とか頑張ってご期待に添える様に努力しましょうと答えた。
温泉旅館の木下社長は高齢で跡取りもいないので陰山さんに後を引き継いで
もらって本当にありがたいと、お礼を言った。解体費用一切を陰山が負担し
購入価格は、土地450坪、建物、全部で2千万円、これで正式に契約が
成立した。信金の山辺さんと木下社長にには山陰創造社の累計利益剰余金が
あるので融資を受けなくても大丈夫と伝えた。




