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30話:老舗デパートの倒産2

 後日、山川部長が詳細にビルの調査をした所、耐震工事は既に行われている事が

判明した。トイレは各階に2ケ所あり、改修費用は、それ程かからないことや、

建物自体はデパートが市に寄付する事で決着している様であった。内装工事、

間仕切り、トイレ改修などで5千万円で改修工事ができることが判明。

 それを市長に報告すると、早急に改修工事に取りかかって欲しいと言われた。


 ただレンタルオフィスの移動費用が約1千万円かかるのが想定外だった。

 地場の野菜、魚、肉、を使ったレストラン、喫茶店、地ビールの店の機材の

費用など1千万円を地元の信金と銀行に借り入れる事が決まった。

 山陰創造社が総費用9000万円を支払い、各テナントからの収入で回収していく

事になった。ただテナント料は、最初に広さあたりの値段ではなく最低限の売り上げ

を山陰創造社と店で決めて、その売上を超えた分の30%をテナント料金として

いただく方式を採用することにした。つまり、テナントに廃業して欲しくないと

言う理由で山陰創造社が良心的なテナント料金を設定したという事。すぐに工事に

かかり2ヶ月後に完成して営業開始し、市内でも大々的に宣伝したせいか営業初日

2024年8月10日は行列ができ、利用者にはアンケートに答えてもらった。


 良い点、改善してもらいたい点。値段は割安、割高、待ち時間、味、再度来店

するか? アンケートの結果によると今までにない店で良かった。雰囲気は良い。

 改善点は注文して料理が出てくるのに時間がかかり、店員の応対がぎこちない。

 料理に対しての満足度は概ね良好だった。


 1週間が過ぎて700万円の売上。1ヶ月で2000万円と最高のスタートで、

1ケ月後に職員の会議でレストランのランチ、ディナーメニュー、季節メニューの

話やビールも5種類だけでなく、ビールに果汁を入れたりとか、カクテル系も

メニューに入れても増やし更にノンアルコールでカクテル風の飲み物、炭酸系の

飲み物を増やした方が売上増に、つながる事が指摘されレストランでコーヒー、

紅茶、昆布茶、お茶なども提案された。来週から、この提案をサイドメニューに

取り入れることとなった。また広告宣伝のポスターを駅や、信金、役場などに

貼り付ける事にした。夏が来て屋上にもテント張りのテーブルを置くことにした。


 レンタルオフィスの方々の持ち帰りも増え土日は一般のお客さんが多く店員は

忙しく働いていた。また地元のレストランの方がボランティアで接客の仕方などを

女性職員に教えてくれて、彼女たちの仕事も板についてきた。また職員の親類縁者

にも協力してもらい。順調に売上を維持していった。翌月、翌々月も2千万円を

キープして黒字で終えることができた。山陰創造社の納涼会もここで行う事にしたり

農協、役場の祝賀会も優先的にここで行う様にしてレストラン、地ビールを地元で

支えていった。地ビールの生産を増やして、お持ち帰り容器も買い出しできる様に

してフル操業に近いほど稼働していて、地ビールは好評で製造装置と従業員を増やす

計画を立て、8月中に機械と従業員3名増員できた。8月中旬以降も生ビール用の

大型容器入りの製品も用意する事にし、これが当たって8月中旬以降は想像以上の

売上となった。


 特に持ち帰りの大容量サイズの地ビールが好調であった。それに連れてビール

のつまみ、チーズ、ビーフジャーキー、柿の種、焼き鳥、唐揚げも売上を稼ぐ

ようになってきた。その他、地ビールとビーフステーキのセットも大好評だった。

近くの牧場で牛肉、養鶏場で卵、鶏肉、漁協から魚を買い入れて、地産地消の

推進を図ったのがコスト削減や地元の評判を上げる事になった様で地元の

テレビ局や新聞にも取り上げられてレストランもビアホールもフル操業の

日々続き、フル操業のために移住者を中心に合計30人の従業員を採用できた。

 この年はテナントさんの売り上げ好調のため山陰創造社にテナント料も想像

以上の金額が入り陰山もひと安心した。

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