3話:移住へ開始1
電話で農家民宿のご主人と連絡を取り合って書類提出を終え、お願いしていた
三DKの公営住宅も見つかった様だ。2019年4月にステップワゴンで山陰の
海辺の町についた。近所の三件の公営住宅の家に挨拶し、ちょっと離れた農家の
安田さんの家に挨拶に行った。
そこでは老夫婦、安田和夫さんと幸子さんが出てきて久しぶりに、こんな可愛い
子供達を見たよと目を細めて喜んでくれた。その後、役所に行き挨拶と簡単な面
接をうけ、担当者から運転手で月10万円の給与を支払うと言う。週3回(月水金)
スーパーと病院に2往復(午前と午後)の仕事、農家民宿のご主人にも挨拶しに
言った時に、ご主人から仕事の事を言われパートだけれど港の魚の運搬作業で
毎朝5時から2時間で2000円で働かないかと言ってきた。
奥さんには介護施設で正社員で月12万円、パートなら3千円/1日と言われた。
とりあえず少し落ち着いてから仕事のことも考えると答えた。翌日、海津夫婦は
仕事の話をして一郎が運転手のアルバイトとをする事にし車は9人乗りワゴン。
月に10万円、月、水、金の週3回の午前9時出発で11時に戻り、午後3時
出発し午後5時に戻る。
奥さんは介護施設で最初は昼間のパートから始めてみる事にした。保育園は家
から車で五分の所にあり送迎バス付きで朝8時から夕方5時まで見てくれる。
翌週の月曜日、海津は、運転手のアルバイトで決められたコースを走り始めた。
停留所というのではなく手を上げた人を乗せていく方式。送り先はYG病院、2
つのスーパマーケット、YG駅へ行き、帰りは一人で戻る。今日は早めに戻れ、
女房と昼食をとった。午後になり午後3時は3人を乗せて出発し8人を拾って戻
ってきた。乗客は全員高齢者。年に数回、花見や日帰り旅行も企画されるそうだ。
運転手は3人おり月水金、火土、木日で毎日運行している。終了すると役場に
車を置き、そこから家まで送ってもらう。距離は短く、速度もゆっくりで、事故
にさえ気をつけていれば簡単だった。買い物と病院と電車の駅へ行くのが多い。
月曜日に実際に送迎をすると、それ程、難しいものではなかった。
翌朝5時に港の魚市場に出かけてみると5時半には競りが終わり残った小さな
魚がビニールに入って無造作においてあり、ビニール袋に値段が書いてあった。
小アジが5匹で100円と傷の付いたタコとイカが100円でビニール袋に
入っていたので購入した。確かに安い、地元の人は金目鯛やイナダ、鯖などの
傷ついて出荷できないものを買うせいか、大型の魚は売れて残っていなかった。
それでも3百円でこんなに多くの魚が買えるのは驚きだ。今日食べるもの以外
は冷凍しておこう。すぐに帰って鰺の南蛮揚げとタコ、イカの刺身をつくった。
タコ、イカの残りは冷凍して揚げ物、焼き物で食べることにしよう。この日の
夕食は、タコ、イカの刺身と鰺の南蛮揚げで子供達も喜んで食べてくれた。