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19話:役所の経費節減大作戦

 2022年1月、海津は市役所へ出かけて、市長に年始のご挨拶をした。その

後の市長の話で、この市でも福祉やその他の費用などがかさみ、財政が厳しくな

っていると会計係からの指摘を受けたと言った。そこでパソコンを使った仕事の

効率化と経費、人員削減をしなければならなったと話してくれた。そこでネット

オフィスで、コンピュータを使った市役所の仕事の効率化の良いアイディアを聞

き出して、合理化計画を立案して欲しいと言われた。海津が、どの程度の合理化

ですかと聞くと、徹底的な合理化、人員削減も含めて最大限の合理化を考えて欲

しいと言ってきた。


 実は、今年から市長、三役の給料を下げることを内々に決めたと教えてくれた。

 また市会議員も長老には退いてもらう算段もしているんだと打ち明けてくれた。

 海津は早急に合理化案を相談してきますと答えて、市長室を後にした。

 その後、レンタルオフィスの宮城さんに年初の挨拶に行き、市長から言われた

話をし、それを聞いて面白かも知れないと言い宮城さんも常々、役所の非効率的

な仕事には辟易していたというので、今週中に午後、時間を作るから、また電話

してくれと言われた。その後の電話で平日は無理なので土曜日の朝から合理化の

話をしようとなった。土曜日に宮城さんのオフィスをたずねると宮城さんがマイ

ナンバーを利用して世界で1番、電子化の進んでいるエストニアのシステムを調

べ上げてくれ、それを利用すれば事務作業は80%合理化され役場の人間は半減

となり電話番と市長と2-3人のパソコンのオペレーターで事務仕事をこなせる

と言った。


 ただ、マイナンバーのパソコン登録を市民全員がしてくれることが前提条件に

なると言い、特別に必要なのはカードリーダでマイナンバー磁気カードを読み取

り必要な書類を引き出せるし税金の処理もできる。その他、必要なデータを入力

する必要があるが、それは、我々のネットオフィスに任せてくれれば、この市の

人口であれば、2週間でできる言ってきた。海津が費用は、どの位かかるか聞く

と役所事務の省力化のためのデータ入力だけで3百万円、選挙、アンケートなど

の集計ソフトを含めると5百万円と言った。ただカードリーダーとか一部の機械

は電器屋で買って下さいと言った。もしシステムのオペレーションの研修をした

いのなら、研修費は、別に徴収するが、たいした金額ではないと宮城さんが笑い

ながら答えた。そんなに簡単にできるのですかと、海津が言うと、もう数年前に、

ソフト企業では考えていたんだが、政府、自治体、公務員の人員整理につながる

ので、全く無視されていて、公表もするなと言われているんだよと、言い、

苦笑いをしていた。


 このシステムが成功したら多分、財政的に厳しい、地方の自治体にもシステム

を売りやすくなるので、宮城さんの会社だけですすめていきたいと言った。

 そこで海津は、別に、それは構わない、こちらは合理化で市の経費節減で市の

財政が良くなればそれでいいと答えた。海津は、すぐに市長に面会して、この話

をした。市長は合理化反対する人は私が何とかするから、是非、すすめてくれと

言った。合理化案としては、現在の職員数600人→250名、市議会議員数30人

→15人、市の人件費72億円→30億円/年、2.5億円/月、パソコン、プリンタ

ー、カードリーダー、追加費用:500万円。早速、3役会議にかけて、了解をも

らうことができた様だ。


 後日、市長から、市の三役、市議会議長、副議長および議員の給与削減、経費

節減など合理化案を市議会で発表したが、もちろん議会の反対は激しく、市長の

不信任決議案を提出して抵抗すると雰囲気だった。そこで地方の若者の人口流失

が激しく、一方、高齢化により社会保障費が増えて、財政は逼迫している。


 その打開策は移住者数の増加しかなく既に数年前から対策、大家族の移住促進

補助金、移住、子育て家族への補助金を打ち効果も出ている。更に廃校にレンタ

ルオフィスの開設して120名の若者が流入してきたと訴えた。人口減少対策し

か地方都市の存続の道はない。その費用がかさむので市役所、人員、議員定数の

減らして、財源を確保していくしかないと結論づけた。その内容を書いたパンフ

レットを市の関係者や議員全員に配布し、市役所に大きなポスターを貼り市民用

に窓口にパンフレットをおいた。


 翌月の市議会で副議長をはじめ反対の意見表明があり市長の不信任決議案が出

されてが投票が行われ否決された。この結果を受けて市長が他の方法があれば良

いのだが今後の市の過疎化、高齢化対策を考えると、この方法が一番良い方法だ

と考えると意見表明すると会場から市民の大きな拍手が巻き起こった。


 翌日には具体的なパソコンでの行政サービスの受け方、ICカードリーダーを

役所の窓口、コンビニ、キヨスクに置く事にした。更に高齢者には市民課で一緒

に手続きを取れる様にし、市議会選挙はネット投票で行う事になり、市長、

副市長、助役の信任投票も同時に行う事となった。投票結果は市の三役、市長、

副市長、助役は信任され、若手中心の市議会議員が選ばれた。事前に市長から

の交渉で古株の議員で出馬を辞退した人が多かった影響もある様だ。

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