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成功者倶楽部  作者: ララダ タカハシ
5/22

5話

「でもさ、藤さんはもしかして眼鏡を外して、三つ編みやめたら実は可愛いってパターンなんじゃないの?」

 僕の思いつきの発言。

 藤さんは少し目を見開くと、眼鏡の縁を掴み、俯く。

 照れている藤さんは新鮮だなぁ。


「そ、そうかなぁ。ちょっとやってみる」

 分厚い黒ぶち眼鏡を外し、三つ編みを解く。

 そこに現れたのは――


「あ! いや、その……。うん、まぁ」

 眼鏡を外し、三つ編みを解けば美人になれる――そんなものは幻想である。

僕らはそれを悟った。


「君たちって本当に最低だよね。普通は嘘でも可愛いとか言うよね」

「俺は嘘が苦手だ」

「真実は時に残酷なり」

「でもまぁ、悪くはなかったよ。うん、期待していたほどじゃないだけ」


 男子3人の意見がよっぽど気に食わなかったのだろう。

 藤さんは30分口をきいてくれなかった。


「でもさ、君らの問題はその性格だって再認識できたよね」

 まだ根に持っているのか。


「どゆこと?」

「君らって顔は悪くないじゃない。特にヨシマロ君は美男子でしょ。まつ毛長くて、女の子みたいに可愛いし、髪も綺麗。言ってて腹が立ってくるわ」

「かたじけない」

「褒めてないし。それと大介君は渋くて、意外とカッコいいって言っている女子もいたり、いなかったり」

「どっちだっつーの」

「藤さん、僕は?」

「琉飯君? まぁ、琉飯君もそこまで悪くないけど、なんか猿顔だしね。可愛い系?」

 僕の繊細なガラスのハートに新しい傷が刻まれる音が聞こえた。


「じゃあ、まぁ次回の活動日までに、なりたい自分のイメージを具体化させておくことをそれぞれの宿題にして、今日は解散にしよう」


藤さんの疲れ切った言葉が終了の合図となった。

何ともギクシャクした雰囲気の中、第一回『成功者倶楽部』の活動は終わった。



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