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温もり ルーフェイア・シリーズ05  作者: こっこ
Chapter:01 遠出
8/16

Episode:08

◇Rufeir

――どうしてこの船が、ここに?

 それがあたしが、いちばん最初に思ったことだった。

 一見豪華なだけの、普通の船。でも、あたしには分かる。これは間違いなく、シュマー家のやつだ。

 こんな連絡、まったく受けてなかった。だいいちこんなに目立つマネをして、いったいなんのつもりなんだろう?


 そのうち船から、人が降りてきた。うち、何人かは見覚えがある。

 出来れば気づかないことを祈っていたけれど、ムリだったみたいだ。そのうちの一人がしっかりとあたしの姿を認めて、こちらへ歩いてくる。

 あたしよりずっと年上の青年。髪も瞳も同じ色。


「ねぇあれ、兄弟?」

「ううん……」

 じっさいは、従兄弟だ。けどここで、そう言うわけにもいかない。

 でもそれを知ってか知らずか、彼はまっすぐこちらへ来ると口を開く。


「グレイス、ちょうどよかった。頼まれていた物を持ってきたところだ」

「その呼び方はやめて。それに届け物なら、学院宛に送ればすむでしょう? なんでわざわざ、こんなことをするの?」

 つい声がとげとげしくなってしまうのは、自分でもどうしようもなかった。

 けど彼、あたしのいうことなんか聞いていない。


「ケンディクに二家族駐在させることになったんだ。なにかあれば、そこへ連絡を取ってくれればいい。学院の通信網は、まったく信用出来ないからな。

 それと届け物一式は、これからちゃんと学院へ持っていくさ。君に持たせたりはしないよ」


 友達が一緒にいることなんて、まったく気にしない。あたしが必死に事情を隠してるのに、それをわざと表に出そうとしてるみたいだ。

 案の定、最初からある程度事情を知っているイマドはともかく、シーモアもナティエスもミルも訝しげな顔をしている。

 しかもまだ、話は終わらなかった。


「それから、一度ファクトリーへ帰ってくれないか? 夏の精密検査をしていないだろう?」

「長期休暇でもなかったら、帰れるわけないでしょう? それにこんな話、ここでしないで」

 どこまでぶちまける気なんだろう。

「別に構わないだろう。どうせ誰に分かるわけじゃない。

――すぐに帰れないなら、とりあえず採血だけさせてもらえないか?」

 挙句に言いながら、専用の入れ物を取り出している。


 彼は学者だ。主に医学系を修めていて、あたしや母さんといったシュマーの中でも血が濃い総領家の、主治医も勤めている。

 だから一応、あたしの身体を心配してはいるんだろうけど……。




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