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温もり ルーフェイア・シリーズ05  作者: こっこ
Chapter:01 遠出
7/16

Episode:07

◇Nattiess

 シーモアがイマドから相談された時から、みんなでこっそり計画してたんだけど、思ったとおりルーフェイアったら喜んだの。

――ついでに泣いちゃったけど。


 あと場所を提供してくれたミルのお父さん、すっごくルーフェイアのこと気に入っちゃって――そりゃ彼女超カワイイもんね――なんだかいろいろ、おまけでプレゼントしてたみたい。

 で、普通だったらミルが焼きもち妬くとこなんだけど、これがまた彼女そーゆーものをどっかに忘れてきちゃった性格だから、いっしょになって騒いでるし。

 ともかくみんなでおいしい料理食べてお祝いして、あたしたち外へ出てきて。


「ねぇ、これからどうする? もっかいどっか行こうか?」

 あたしが聞くと、みんなが考え込んじゃった。

「そうだね、とりあえず公園でも行ってみるかい? 今日は風もないし、きっといいんじゃないかな?

 港も見えてきれいだしさ」

 シーモアが提案する。


「公園? そんなのがあるの?」

「――ルーフェイア、公園ってべつに珍しくないから」

 何かにつけて、このズレっぷりだもの。でも少年兵あがりだっていうし、ケンディクなんかもほとんどここへ来たことないっていうから、しょうがないかな?

 他にこれといっていい案もなかったから、みんなでそこへ行こうってことになった。


「きれい……」

 坂のとちゅうで、ルーフェイアったら感動して立ち止まって。

 ここ、公園への坂を下りてくと、いきなり海が開ける。ケンディクでもいちばんきれいな場所じゃないかな。

 穏やかな潮風に吹かれながら、みんなでぞろぞろ。


 でもこうしてみるとルーフェイア、ほんとにカワイイ。

 ミルのお父さんが選んでくれた――写真渡して頼んどいたの――白のブラウスに、淡い翠色のボレロとスカートのツーピース、すっごく似合ってるし。

 こーゆー可愛いのが似合うって、美少女の特権かな?


 港は今日も何隻もの船が入港してて、人が行き交ってた。

「あ、ほらほらぁ。またくるよぉ?」

 ミルったらもう、五歳児みたいな声。

 けどつられてそっちをみると、確かに一隻が入港するところ。しかも大きさはそんなじゃないけど、すっごい豪華な船なの。


「ああいうの、一度乗ってみたいかも。ね、ルーフェイア?」

「……乗っても、たいしたことないの」

「え? 乗ったことあるの?」


 彼女の分かりきったような答えに、あたし思わず聞き返しちゃった。

 でもルーフェイア、答えてくれない。しかもなんだか厳しい顔。

 なんて言うのかな? どうしてこれがここに、っていう感じの表情だった。



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