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温もり ルーフェイア・シリーズ05  作者: こっこ
Chapter:01 遠出
6/16

Episode:06

「ねぇ、こんな格好、やだ……」

「どして? カワイイよ」

「だって……」

 ひたすら動きづらい。

 だいいちスカートの類なんて、何かあったときの正装以外、着たことがない。


「ほら、いいからこっち来なよ」

 またもや引きずって行かれる。

 次に連れて行かれたのは、ミルの家の食堂だった。なんだかいろいろ、テーブルの上に並べられている。

 でもこれ、どうみても何かのお祝い……?


「ねぇ、これ……何?」

 あたしが聞くと、みんなが爆笑した。

「やだもう。忘れちゃってるの?」

「でもさぁ、らしくていいんじゃないか?」

 まったくわけが分からない。


「ねぇ……だから何なの?」

「しょうがないなぁ。イマド、説明したげなよ?」

 水を向けられて、初めてイマドが口を開く。

「お前、今日誕生日だろ」

「え……あ!」

 忘れてた。

 でも、あたしだって忘れてたのに、どうしてみんな知ってるんだろう?


「お前のお袋だよ、俺らに教えたのは」

 よほどあたしが不思議そうにしていたらしくて、イマドが説明する。

――母さんてば!

 あたしの母さんはかなり変わってる上に、ともかくなにかと、過剰なくらいに世話を焼きたがる人だ。

 けど……今回は許せるかな?

 また涙が出てくる。


「あ〜あ、やっぱりルーフェイア、泣いちゃった〜」

「ほらほら、泣くことないでしょ。さ、座って座って」

 自分でも泣いてちゃダメだとは思うんだけど、どうしても涙が止まらない。

「さ、泣いてないで食べよう?」

「うん」

 あたしやっと涙を拭いて、席についた。



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