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温もり ルーフェイア・シリーズ05  作者: こっこ
Chapter:01 遠出
5/16

Episode:05

「父さん?」

「あ、ルーフェイアは知らないか。ここさ、ミルんちなんだよ」

「うそ……」

 実家がブティックやってて、娘がMeSって……?


 息子ならまだ分かる。徴兵逃れで、男の子をMeSに入れる親は少なくない。

 けどミルはもちろん女子だし、実家はブティック経営なんて、どこを見回してもMeSへくる理由が見当たらなかった。


「あはは、やっぱルーフェイアもびっくりしてる」

 あたしの様子に、ナティエスが笑い出す。

「だって、なんか……ぜんぜん関係ない……?」

「ミル、お母さんが軍にいたんだ」


 そんな理由でいいんだろうか?

 事実は小説より――とは言うけど、ここまでくると予想をはるかに超えてる。

「ま、ご多分に漏れず、それなりの事情はあるんだけどさ」

「……そう、なんだ」

 そう言われて少し納得する。

 もっとも抱えている事情って点じゃ、あたしが学院内で一、二を争ってしまうだろうけど。

 と、勢いよくミルが戻ってきた。


「用意できてるって♪」

「そりゃよかった。じゃ、行こうか?」

 なぜかシーモアが、がっちりとあたしの右手をつかむ。

「そだね」

 ナティエスが左手。


「な、なに……?!」

 けど、みんな笑うだけだ。

「は〜い、いってらっしゃぁい!!」

 そのあたしの背中を、勢いよくミルが押した。


 ぜんぜん予想してなくて、思わずよろける。そこをすかさず、シーモアとナティエスに引きずられた。

「ちょ、ちょっと!」

「だめ! ちゃんとこっち来て!」

 なんか勢いにおされて抵抗できなくて、そのまま隣室まで連れて行かれる。


「え、あ、やだ! ちょっと、何……?! やだ、やめて!!」

「だ〜め♪」

「やだ、やだってば!」

「静かにしなさいって」

 まさか、友だち相手に本気を出すわけにもいかなくて、されるがままだ。


「どうだい、出来たかな? おや、いいじゃないか」

 結局ミルのお父さんが覗きに来たときには、しっかり着替えさせられていた。



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