表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
温もり ルーフェイア・シリーズ05  作者: こっこ
Chapter:01 遠出
4/16

Episode:04

◇Rufeir

 潮風が優しく吹きぬけた。

 後ろに控える海のせいなんだろうか? ケンディクの街は、なんとなく青のイメージがある。それに街全体も、観光都市のせいか手入れが行き届いていて、とてもきれいだ。


「どこで……待ちあわせ?」

「駅前の広場だよ」

 あたしの問いに、シーモアはそう答えた。

 白い石畳の道を歩いていく。


 メインストリートをずっと行って、大きな交差点で右に折れる。もうそのすぐ先が、駅前の広場だ。

 あたしたちは広場をざっと見まわして、すぐナティエスとミルを見つけた。しかもなぜか、イマドとその友だちまでいる。


「悪い、待たせたね」

「ううん、時間ぴったりだよ」

「待ってないよん♪」

 シーモアの言葉に、ナティエスとミルがはしゃぐ。

 それからこの2人、今度はのあたしの方に向き直って、また騒ぎ出した。


「あー、ダメじゃん。ルーフェってば、やっぱりそんなカッコしてる〜!」

「ほぉんと、なんでそんな、男の子みたいにしてんの?!」

 なんか、シーモアとおんなじことを言う。

「あたしも言ったんだよ。でもルーフェイア、ちっとも分かってなくてさ」

「もぉ! とことん常識ないんだから」

 なんだか、ひどい言われようだ。


「そしたらさ、先にうちに行こうよ♪ どうせ行くんだから〜」

 ミルが勝手に決める。

「そうだね。そうしようか?」

「イマド、こっちにしちゃっていい?」

「ああ」


 ナティエスの言葉に、イマドたちも笑いながら立ち上がる。どうも状況を飲み込んでいないの、あたしだけみたいだ。

――でもなんか、ヤな予感がするんだけど。


「んじゃ決まり〜! さ、こっちこっち」

 ミルが強引に、あたしの手を引いて歩き出した。

「何……?」

「いいからいいから」

 わけも分からないまま、引きずられていく。


「こっこだよ〜ん♪」

 彼女が得意げに立ち止まったのは、一軒のブティックの前だった。そして勢いよくドアを開けて、店に入っていく。

「お父さ〜ん、ごめぇん! ちょっと予定変わってね、早くなっちゃったんだ〜♪」

 はじけるような声で、店の奥に声をかけた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ