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温もり ルーフェイア・シリーズ05  作者: こっこ
Chapter:02 神話
11/16

Episode:11 神話

◇Imad

「やっぱ昼間とは、雰囲気違うな」

「うん」

 茜に染まった夕暮れン中、俺とルーフェイア、また港へ降りてきたところだ。ちなみにシーモア他の連中は、気を利かせてちゃっちゃと学院へ戻ってる。


――けどなぁ。


 気を利かせたのが悪いってこたねぇけど、ルーフェイアの場合はンなものどっかへ落としちまってるわけで。

「すごい、海が金色!」

 なんせこの調子だ。

 もっとも年より見かけが幼いから、これもけっこう似合っちゃいる。しかもいつもと違って可愛らしいカッコしてるから、言うことナシだった。


「こんな色……初めて」

 たしかにこいつの言うとおり、今日の海はきれいだった。夕焼けに染まった海が、陽の光に煌めいて、文字通り金粉でも撒いたみたいだ。

「撮影機でも、持ってくりゃよかったな」

「ううん、いい」

 写すと色が消えるっていうのが、こいつの言い分だった。


「それに戦場じゃ、そんなの写すヒマ、なかったし……」

「――そうだよな」

 こいつの心から、やるせないほどの悲しさが伝わってくる。

 優しくて泣き虫で――なのにこいつが育ったのは、地獄とも言える戦場だ。

 その辺のことは、俺はこいつのお袋からある程度聞かされてた。しかもついでに、保護者を頼み込まれてる。


 ただ……昼間の騒ぎを見る限り、実際はもうちっと複雑らしかった。少なくともでかいバックを持ってるのは、間違いない。

 少しだけ迷って、俺は口を開いた。

「昼間のナティエスじゃねぇけど……お前って、ホントはなんなんだ?」

 ルーフェイアのやつがうつむく。


「別に言いたくなきゃ、かまわねぇんだけどよ」

「――シュマーなの」

「はい?」

 思わず妙な返事を返す。

 っつーか、今とんでもないこと聞いた気が……。


「まさかとは思うけどよ、シュマーって――あのシュマーか?」

「イマドがどのシュマーを言ってるのか、わかんないけど……。でも多分、そうだと思う」

「――マジかよ」

 ほかに言いようがなかった。


 シュマーってのは、軍事関係者の間じゃ裏で有名ってやつだ。っても実態はなんだかほどんど分かってなくて、代々傭兵をしてて、ガキを戦場で少年兵として育てちまうって話だけが知られてた。

 けどまさか、この華奢なこいつが、その「シュマー」って……。

 しかも昼間の様子じゃ、同じシュマーでもルーフェイアのヤツ、そうとう上のほうの身分(?)だろう。


 ただどっか、俺は納得もしてた。

「どうりでお前、上級傭兵並みなワケだよな。つかシュマーなら、そうじゃないとダメなんだろうし」

 こいつのバトルはたまに目にすっけど、はっきり言って上級の先輩たちをヘタすりゃ上回る。

 だけど俺の一言に、こいつときたら、メチャクチャ悲しげな表情になった。


「それ……違うの」

「違う?」

 泣き虫のこいつが泣かないのが、コトの重さを表してた。



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