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温もり ルーフェイア・シリーズ05  作者: こっこ
Chapter:01 遠出
10/16

Episode:10

「ルーちゃん気にしちゃダメだよ。ルーちゃんが言ったわけじゃないんから」

「てか、ルーフェイアってさ、怒るとここまでキャラ変わるのか」

「んー、こいつの場合どっちかってと、内弁慶じゃねぇかな」

「なんだソレ」

「ともかく悪いのアイツだし! でもさ、ルーフェって結構やるねぇ〜」


 みんなが口々に言う。

 ただひとりナティエスは、見るべきとこを見てた。

「ねぇ……ルーフェイアの家っていったい、どういうのなの?」

 いちばん尋かれたくないことを尋いてくる。

 どう答えようか困ってると、意外にもシーモアが助け船を出してくれた。


「やめな、ナティエス。学院にいる連中なんて、みんなワケありさ。あんただってそうだろ?

 だから、聞くんじゃないよ」

「――そうだね、わかった」

 ナティエスも、あっさりと引き下がる。こんなにありがたいことはなかった。


「シーモア、ナティエス……」

「気にしなさんなって」

 これでいい、そんな笑顔でシーモアが笑った。

 また泣きそうになる。


「あぁぁ、ルーフェイア、ほら泣いちゃダメだってば」

「おまえ、何回泣くんだよ……。しゃぁねぇ、もっかいどっか食いに行くか?」

「あ、賛成!」

「あたしも〜♪」

「ぼくはルーちゃんが行くところになら、そりゃどこへでも」

 イマドの言葉に、みんなが賛成する。


「ちょうどおやつの時間だしね。どこにする?」

「そしたら……あたし、払うから」

「え、ホント?!」

 さっきのことがあるからそう言うと、みんなの顔がぱっと輝いた。


「よし、んじゃ高いの食べるぞ〜!」

「だよね。あの船とか今のこととか、ルーフェイアってばぜったい、お金持ちなのはキマリだもんね」

「あ……」

 しまった、と思う。

 そしてまた、何か嫌な予感。


「えっと、あの、あたしも、そんなに持ち合わせ……」

「だ〜め! ああいう家なら、どうせ信用決済の記録石持ってんでしょ」

「それにあの調子なら、イザとなれば、誰か来てくれそうだしね」

 言うんじゃなかったと少し後悔しながら、あたしはみんなといっしょに、繁華街へと足を向けた。



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