プロローグ
それはある日突然訪れた。
「なんだ、お主まだ我が神の使いと信じぬのか」
「いや、流石に俺が死んだってのは納得したけど、そんなやつれ切った天使がどこにいるんだよ」
俺の名前は纏心太。決して使い回しではない。
不慮の事故により俺は死んだ。事故を起こした瞬間、走馬灯が駆け巡るなんて事はなかったが
あ、これ死んだわと直感で分かった。
バイクに乗って交差点を右折するとき猛スピードでトラックが突っ込んできたのだ。
それからの記憶はなく、自分がどうなったか分からないが今非現実的な真っ白の空間に居て、目の前には神の使いで異世界に転生しろと宣うロリ天使がいる。しかしその口調とやつれ切っている表情が全てを台無しにしている。
せめて上目遣いで媚び頼まれたら断らなかっただろうに。
「しょうがないだろ!こっちはたたでさえ忙しいのに事もあろうかまた勇者召喚等行うあいつらが悪いんだ!」
「召喚されそうになった奴が行けばよかっただろ!」
「そんなことになればこの世界の因果律を正す為にどれだけの労力が必要だと思っている!既に何度か間に合わず未だに寝る間も惜しんでいるのだ!これ以上やられたらたまったもんじゃない!」
彼女曰く、どこかの世界で勇者召喚、つまり皆の知るところのあれが行われたらしい。しかも何度も。つまり俺がこれから行く異世界には既にこの地球の人間が連れさられて居てその因果、簡単に言えば辻褄を合わせるのが色々大変なのだと。
「知るかそんなもん!勇者召喚の文句なら術者に言え!」
「我々では直接干渉することが出来ぬのだ!本来死後の世界を通じてのみ行くことが叶うというのに、人間とは実に愚かなことをする!」
召喚陣が現れた近くでたまたま死にたてほやほやの俺の魂があったからと言う理由で俺は今の人格を持ったまま異世界に召喚される事になるのだとか。
「ええい!責任者を出せ!」
「すまないが神なら有給取ってベガスに行ってるよ!ただでさえ忙しいのにあいつは天使遣いが荒くて困る」
「有給取ってカジノ入り浸ってんじゃねぇよ!!!まぁいいや。もう面倒だし俺自身異世界に行ってみたい気持ちはある」
伊達にオタクはやってない。ここ最近異世界ものは流行ってるしネット小説でもよく題材にされてるがまさか自分がそんな目にあうなどと思ってもみなかったのだ。
「最初から素直にそう言ってくれ!こっちは術を留めるだけでどれだけ大変か!それじゃ、あんたの魂、送らせて貰うよ!」
「ちょっと待て、俺の体はどうなる!お約束のチートスキルとか装備とか女神様連れてくとかないの!?」
「そんな暇はない!お前の体はあっちの神様がなんとかするだろ!自業自得だ。まぁ私があげれるスキルならつけとくから!」
と何が自業自得なのか分からないが、お約束のチートスキルとか武器とか女神様自身を連れてくとか何もなく俺は召喚の渦に巻き込まれた。
天使がスキル授けられるのかよ…もしかしてかなり偉い天使様だったのかもしれない。
一体どんなスキルが俺に授けられたのか不安でしかない。
そしてあんな適当でいいのか!まぁ俺が知る由はないし既に俺は死んでいるのだ。
そう俺はもう死んでいる!ひでぶ!
天使の粋な計らいか、わさわざ召喚陣が発生したところに戻された。
と言っても実体があるわけでもないのだが。そのせいで俺は俺が事故った現場に居合わせることとなり上半身が下半身とおさらばしている自分自身を見る羽目になる。ただただグロテスクである。南無三。
後味の悪い地球での最後となったが、どうやら術が再発動したらしい。
俺は眩い光の中、勇者召喚陣に飲まれていく。
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俺は再び意識を取り戻すと目の前に神々しい(主に頭部)老人がいる。
「あの、すみません」
「お主が地球から来た小僧か。儂はお主らから見て異世界の創造神じゃ。そしてここは次元の狭間じゃ。まったく面倒な事になったわい」
などとのたまっている
「向こうの神のせいで勇者召喚は失敗じゃ。あやつらばかり強い魂を輪廻させてるおかげでこちらの世界は大変な事になっていると言うに」
神曰く、死後の魂は地球、異世界問わず輪廻を巡っているらしく、幾度に渡る輪廻を経て魂は研鑽され強くなるとか。現状地球の神々が勇者等強力な魂の輪廻をどういった方法か独占しているとか。
そのせいで強力な力を持つ勇者が誕生せず魔王を中心とした魔族や魔物がはびこり世界の均衡が保てず文明の発展も滞っている状態らしい。
まぁよくある異世界であることは間違いない。
「もう何度も勇者召喚してるんだから平気なんじゃないのか?」
「ふむ...それはそうなんじゃが勇者スキルを持つものがおらなんだ。それでは魔王には勝てまい」
「魔王とか神の力でどうとでもなるんじゃないのか?」
「魔王は他の神が我が世界を乗っ取ろうと送り込んだ手先みたいなものだ。儂にどうこうできる存在ではないのだよ」
「そう言われてもなぁ。ちなみに俺にはどんなスキルがあるんだ?天使がスキルを授けるとか言ってたが」
「あ奴等が付与できるスキルなぞたかがしれている。スキルとは魂に刻まれるようなもの。こちらの世界では魂の深淵を覗き、その魂の持つスキルを表面化できるのだ。ちなみに肉体をもってしか出来んから残念ながら今のお主のスキルは見る事が出来んのじゃよ。しかしなかなか良い魂ではないか。さて肉体はどうする?適当にこちらで転生させられるが、儂も神じゃ、 お主の望む物にもできるぞ?」
「キャラクターメイキングできるってことか?やけにゲームじみてるな。ちなみに適当に転生したら種族とかも変わるのか?俺の知識にあるのはエルフとか獣人とか」
「お主の想像もあながち間違ってはおらん。輪廻を経てこちらの世界感を向こうの世界で広めたのだろう。前にも似たようなことをしたが転生したらスライムを始めとした魔物になったり魔族になったり色々あるのぉ」
「まんまかよ!転生怖い!素直にキャラメイクしたいけど苦手なんだよな。流石に転生して魔物なんかになりたくないから、人間の男、それなりの家柄、そこそこイケメンに転生させてくれ」
「そんなアバウトでええのか?超絶イケメンのイケイケ王族にもなれるのだぞ?」
「流石にそこまで求めないよ。前世?でも平々凡々としてたからな」
「欲がないの。あいわかった。それでは主を転生させる。この世界を良き方向へと導き給え!」
改めて俺の異世界ライブが幕を開ける。
以前執筆してた作品は多分更新しません。ブクマ、評価して頂いた方、大変申し訳ありません。
iPadでの投稿となるので読み辛い所があると思いますが感想等で指摘して頂けたらと思います
脱ブラック企業を目指し再就職中なので不定期更新となると思いますが読んでくださる方が楽しめる時間を提供出来たらと思いますのでよろしくお願いします!




