星の子のぼうけん
小学生の頃、夏休みの自由研究は天体観測をしていました。
子どもむけ。
夜空に光るたくさんの星の中、きらきらしたけむりのような所で、星の子は生まれました。
星の子はそのけむりの中で、ほかのいくつかの星たちと楽しく暮らしていました。
ある日星の子は、いちばん年上の星のお姉さんに、今いる所からは見えないけれど、星はもっともっとたくさんいるのよ、と教えてもらいました。
ずぅっと昔に旅をしたことがあるという星のおじいちゃんからは、このけむりの外は、とてもきれいな所がたくさんたくさんあるんだよ、と聞きました。
そこで星の子は、もっとたくさんの、このけむりの中からでは見ることができないものを見るために、ぼうけんの旅に出ることにしました。
星の子が旅に出ることを聞いた友だちが、けむりの中に浮かんでいる、きらきら光る星のかけらをたくさん集めて、お守りを作ってくれました。
げがやひどい目にあわず、ぶじに帰って来られますように。
友だちはお守りにおまじないをかけて、星の子にくれました。
プレゼントをもらった星の子はおおよろこび。
ありがとうとお礼を言って、さあ、出発です。
旅に出た星の子は、まずはけむりの出口をさがします。
けむりの中は、星がたくさん集まっている所と、ぜんぜん星がいない所がありました。
星が集まっている所では、今まで遠くから小さく見えていた星たちと出会いました。
どの星たちも、星の子がけむりの外へ行きたいと言うと、やさしくそこまでの道のりを教えてくれます。
なかには、旅の役に立つようにと、いろいろなものをくれる星もいました。
ふるさとの思い出にと、けむりを集めた小びん。
ひとりでさみしくないようにと、星たちの歌声をこめた小石。
さむい所でも平気なようにと、あたたかな夜のマント。
いつでも帰って来られるようにと、このけむりの方に向かって光り続けるとくべつな星のかけら。
たくさんのものをもらって、星の子の旅は続きます。
けむりの外へ近づいて、星たちがほとんどいない所まで来た時には、さみしくなりました。
不安になって、少しだけ帰りたくなりましたが、星たちがくれた小びんや小石、友だちがくれたお守りを見ると、頑張ろうと思えるのでした。
そうして旅を続けた、ある日のこと。
星の子はついに、けむりの出口にたどり着きました。
出口のすぐそばには、若い星のお兄さんがいました。このお兄さんは、けむりの出口を守っているのだそうです。
出口を守る星のお兄さんは言います。
「けむりの外は、あぶない所だよ。出ないほうがいい。」
「でも、外にはどうしても見たいものがあるんだ。」
星の子がそう答えると、お兄さんはこわい顔をして言います。
「きみみたいに小さい子には、けむりの外はとてもあぶないんだよ。こわい思いをするだろうし、けがをするかもしれない。もしかしたらもう二度と、ここへは帰って来られないかもしれない。」
星の子はそれでも行くと、うなずきます。
「そうか。なら、気をつけて。」
「うん。ありがとう!」
元気にうなずいて、星の子はとうとうけむりの出口をぬけました。
「うわぁ!」
けむりの外のようすを見て、星の子はおどろきました。
まっ暗な空に浮かぶ、数えきれないほどの星たち。
星たちがたくさん集まっている所など、まるで光の川のようです。
赤く光る星、青く光る星、白く光る星と、いろいろな色で光る星たちが見えます。
星の子が暮らしていたような、きらきら光るけむりのような所も見えます。
「すごいや! おじいちゃんが話してくれたのより、もっとずっときれいだ!」
思っていたよりもずぅっときれいだった外のようすに、星の子はしばらく見とれていました。
すると、そんな星の子の所に、ほうき星がやって来ました。
「おっと、あぶない。もうすぐぶつかるところだった!」
とつぜんやってきたほうき星に、星の子はおどろいてしまいました。
「はじめまして、小さな星の子。迷子かい?」
ほうき星は、星の子がひとりでいるのを見て、心配してくれたようです。やさしく声をかけてくるようすに、星の子はえがおを見せます。
「はじめまして! 今、ひとり旅をしているの。あなたはだあれ?」
「ほう! ひとり旅! わたしはほうき星さ。わたしもひとり旅をしているんだよ。きみはどこへ向かっているのかな?」
ほうき星にそう聞かれて、はじめて星の子も気がつきました。
これからどこへ向かえばよいのでしょう?
けむりの中の道のりは聞いてきましたが、外のことはずぅっとむかしのおじいちゃんのお話しか知りません。
もっとたくさんの星と出会いたいし、もっともっと、きれいな景色を見たい。
「それなら、星が集まっている所に行くといいよ。たくさんの星がいるし、きっときれいな所を知っている星もいるだろう。あのあたりがおすすめだよ。」
ほうき星はそう言うと、星の川のほうを指さしました。
「わかった、ありがとう、ほうき星。行ってみるよ。」
「それじゃ、気をつけて。元気でね。」
そう言うと、ほうき星はまたどこかへと行ってしまいました。
星の子は、ほうき星が言ったとおりに、星の川へと向かいます。
小石にこめられた歌声を聞きながら旅を続けていたある日、星の子は、星のいない所へたどり着きました。
まわりにはぜんぜん星がいません。星のかけらもありません。とてもぶきみで、いやな所です。
それに、星がいないだけでなく、なんだかほかのどこよりも暗いようです。
このまま進まないほうがいいのじゃないかと星の子が考えていた、その時です。
「おおい、そんな所で何をしているんだい? すいこまれて出て来られなくなっちまうよ!」
明るいほうから、だれかの声が聞こえてきました。
そのすぐあとのことです。
星の子は急に、いちばん暗いほうへとひっぱられました。
星の子はこわくなって、けんめいに声のした明るいほうへ行こうとします。けれど、暗いほうへとひっぱる力のほうがとても強くて、星の子は泣きそうになりました。
「つかまって!」
すると、さきほどの声といっしょに、明るいほうへだれかがひっぱってくれました。星の子もがんばって明るいほうへと向かいます。
なんとか明るい所へもどれた星の子はほっとしました。
それから、ここまで力をかしてくれた星にお礼を言います。
「ありがとう。ひとりじゃもどれなかったよ。」
「どういたしまして。だけどもう、近づいてはいけないよ。ああいう真っ暗な所には、どんなものでも近くに来たものをすいこんでしまうものがいるから。」
もうぜったいに近づかないとやくそくして、そしてまたお礼を言って、星の子は星の川へと向かう旅を続けます。
また、ある日のことです。
星の川から少しはなれた所に、ひとりぽつんとたたずむ星のおばあちゃんを見かけました。
気になった星の子は、より道することにしました。
「こんにちは、おばあちゃん。こんな所に、ひとりなの?」
近くまで来て気がつきましたが、ここはとてもさむい所です。ひとりでつらくないのでしょうか。
「おやおや、まあまあ。ひさしぶりにほかの星に会うねぇ。小さな星の子、こんにちは。そうさ、おまえさんと同じ、ひとりだよ。」
おだやかな声でのんびりと話す星のおばあちゃんは、そう言って続けます。
「けれども、まあ、わたしはもう長い間生きてきたからねぇ。あたかかくてさわがしい所よりは、さむくてもしずかな所のほうが落ちつくねぇ。」
星の子にはよくわかりませんが、星のおばあちゃんはここをはなれる気はないようです。
ふうん、とつぶやいて、星の子は、せめてあたたかければいいのに、と考えます。
「あ、そうだ!」
星の子は、けむりの中で星たちからもらったものの中に、あたたかな夜のマントがあることを思い出しました。
「おばあちゃんに、これをあげるよ!」
ふわり、とマントをひろげて、星の子は星のおばあちゃんにかけてあげます。小さな星の子のマントでしたが、おばあちゃんのすがたはすっかりかくれてしまいました。
「おやおや、まあまあ。ずいぶんあたたかいねぇ。いいのかい、こんなに良いものをもらって。」
マントからひょっこり顔を出した星のおばあちゃんが言います。
「うん。今向かっている所は、あの明るくてあたたかな星の川だから。」
そう言って、星の子は星の川を指さしました。あちらは星たちがたくさんいるので、とてもあたたかいのです。
きっと、星の子が使わずにもっているよりも、おばあちゃんが使ってあたたかくなるほうが良いでしょう。
「ありがとうねぇ。それなら、ばぁからはこの銀のナイフをあげよう。あのあたりはいろいろな星がいて、いろいろなものがあるからねぇ。なにかの役に立てておくれ。」
星のおばあちゃんは、銀色に光る小さなナイフを星の子にわたします。
「いいの? ありがとう! それじゃあ、元気でね。」
星の子は星のおばあちゃんにおわかれをして、星の川のほうへともどりました。
星の川へ近づくにつれて、だんだんといろいろな星たちに出会うようになりました。
赤と白のしましまの星。
ぼんやりと光るうす緑の星。
ふわふわのからだの茶色い星。
とてもかたいからだの黄色い星。
なかよく手をつないだふたごの星。
たくさんの子どもをつれたお母さん星。
まん丸い星、つぶれたボールのような星、くるくるとよく形のかわる星。
みんな、星の子が旅をしていると聞くと、はげましてくれます。
前に見たきれいな景色を教えてくれる星もいました。
どこで見たのかを聞いて、星の子はそのたびにあちらこちらへ向かう先をかえていきます。
また、星の川には、ここからがはじまりだというような線はないのだと教えてくれた星もいました。
いつの間にか、星の子は星の川にたどり着いていたのです。
そうやって旅を続けていると、ある星のおじさんから、ここから少し遠い所に、きれいな星がいるらしいという話を聞きました。
その星は青い星で、とてもきれいなもようをしているようなのだ、と星のおじさんは言います。
星の子は、そのきれいなもようの青い星に会いたくなりました。そこで、星のおじさんにその星がいる所を教えてもらいます。
「しかし、前に会ったほかの星から聞いた話だからなぁ。もしかしたらもう、そこにはいないかもしれないぞ。」
「それでもいいよ。行ってみる。まだいるかもしれないでしょう?」
教えてくれたお礼を言って、星の子はきれいなもようの青い星をさがしに行きます。
旅をしながら出会う星たちにも聞きながら、星の子は星の川の中を進んで行きました。
星の川のはずれまでたどり着いた時、たくさんの星たちのおかげで、ついに星の子はとてもきれいなもようの青い星に出会いました。
「はじめまして、青い星。きみは本当にきれいだね!」
青い星は、白や緑、黄色、茶色などのもようをもつ、とても生き生きとしたきれいな星でした。
「ありがとう、小さな星の子。」
星の子はにっこりと笑って、青い星の話をたくさんの星たちに聞きながらここまでやって来たことを話しました。
「そうか、すごいね。ひとり旅だなんて。楽しそうだねぇ。ぼくをめざしてくれたなんて、うれしいよ。」
「えへへ。」
星の子は少し照れて、それから首をかしげます。
「ねぇ、青い星。どうしてきみはそんなにきれいなもようなの?」
「そうだなぁ。ほら、あの星を見てごらん。」
そう言って青い星は、少しはなれた所にいる、とてもまぶしくかがやくオレンジ色の星を指さしました。
「わあ。とても明るくて、あたたかい星だね。」
「そうさ。その明るさと、あたたかさのおかげで、ぼくや、このあたりにいる星たちは、こんなにもすてきなすがたになれたのさ。」
青い星はそうほこらしげに言いました。
たしかに、このあたりの星たちはみんな、おもしろいもようやきれいな色の星ばかりです。
「ふうん、すごいや!」
星の子は、あの明るい星とも話がしたくなりました。
「そうか。近くまで行くなら、これをあげよう。」
青い星は青いマントを星の子にさし出します。
うけとって着てみると、青いマントはひんやりしていました。
「明るい星は、近づくととてもあついからね。お話するならその氷のマントを着ていたほうがいい。」
「ありがとう、青い星! それじゃあ、お礼にこれをあげる。」
星の子はふるさとの星の歌声がこめられた小石を青い星にあげました。星の子の旅をうらやましそうに聞いていた青い星なら、遠くの星の歌声は、楽しんでもらえるでしょう。
「わお。いいね、これが遠くの星たちの歌かぁ。ありがとう!」
「えへへ。どういたしまして。それじゃあ、行ってくる!」
星の子はそう言って青い星に手をふり、明るい星の所へ向かいます。
明るい星の所へはすぐにたどり着きました。青い星が話していたとおり、明るい星のそばはとてもあついのですが、青い氷のマントのおかげで星の子は平気です。
「はじめまして、とても明るい星! あっちにいる、青い星から聞いてやって来たんだ。きみのおかげで、青い星はきれいなんだって。」
「やあ、はじめまして、小さな星の子。わたしのおかげで? へぇ、そんなこともあるんだなぁ。わたしは、あつくてまぶしくて、だれも近くに来ないから、きらわれていると思っていたよ。」
「そんなことないよ、あの青い星はきみのことを、ほこらしそうに話していたよ。」
そう星の子が言うと、明るい星はとてもうれしそうにひときわまばゆく光りました。
「ふふふ、ありがとう、小さな星の子。ところできみは、ひとりかい?」
そう聞く明るい星に、星の子は元気よくうなずきます。
「きらきらしたけむりの中から、外にあるきれいなものをたくさん見るために、旅をしてきたんだ。」
そう言って星の子は今まで見てきたきれいなものを、明るい星に話します。
なかでも、ここからも見える、星の川の景色がとてもきれいだと星の子は楽しそうに話します。
ところが、明るい星は首をかしげました。
「そんなにきれいなのかい? 星の川って。」
「そうだよ。いちばんのお気に入りだよ! でも、どうしてそんなことを聞くの?」
星の子がふしぎそうに言うと、明るい星は、少し元気をなくしてしまいました。どことなく、暗くなったような気もします。
「わたしはほら、このとおり、とても明るいからね。この明るさで、まわりのようすがよく見えないんだ。」
「そんなぁ。」
それを聞いた星の子は、なんとかして明るい星にも空に浮かぶたくさんの星のかがやきを見せてあげたくなりました。
けれど、いったいどうすれば良いのでしょう。
うんうんなやみながらあたりをうろうろしていると、とてもゴツゴツした星に出会いました。
「なにをそんなになやんでいるんだ?」
星の子は、明るい星のことを話します。
「なあるほど。それなら、夜のマントがいい。あれを着ると、光を中にとじこめてくれるから、きっと明るい星にも星空が見える。」
「え! 夜のマント! どうしよう、星の川の向こうのおばあちゃんに、あげちゃったよ。」
そうです。ふるさとのけむりの中でもらった夜のマントは、さむそうにしていた星のおばあちゃんにあげてしまいました。
少しの間だけ返してもらうとしても、星のおばあちゃんがいたのはここから遠い所ですし、星の子はあちらこちらと向かう先をかえながらここまで来ています。ふるさとのけむりにまっすぐ帰るならともかく、星のおばあちゃんのいた所にたどり着けるかはわかりません。
困ってしまった星の子を見て、ゴツゴツした星は言います。
「ふうん。それなら、作ればいい。小さな星の子、きみがもっているその銀のナイフなら、夜を切り取れる。あとはあの明るい星に合わせてぬうだけ。かんたん、かんたん。」
星の子は、ゴツゴツした星に教えてもらいながら、ひつような道具を集めて、それから、銀のナイフで夜を切り取りました。そして、けんめいに、ていねいに、夜のマントを作っていきます。
そうしてできあがった夜のマントは、はじめてにしてはとても良くできていました。
「てつだってくれて、ありがとう。そうだ、お礼にこれ、あげる。」
星の子は、きらきらのけむりを集めた小びんをゴツゴツした星にあげました。このけむりも、切り取った夜のように、ぬうことができそうです。おさいほうじょうずのゴツゴツした星なら、きっとすてきなものが作れるでしょう。
「これはいい。ゴツゴツをかくすのに使えそうだ。ありがとう、小さな星の子。」
「うん! どういたしまして! それじゃあ、夜のマントを明るい星にわたしてくるね。きみもいっしょに行く?」
「いや、ざんねんだけど、氷のマントがないから近づけない。きみだけで行っておいで。きっとよろこぶ。」
ゴツゴツした星とわかれて、星の子は明るい星の所へもどりました。
「見て、見て! 明るい星! きみにプレゼントだよ!」
「なんだい、それは。」
まだ少し元気のないようすの明るい星は、ふしぎそうに夜のマントをながめます。
星の子はにっこりわらうと、言いました。
「夜を切り取って作ったマントだよ! ゴツゴツした星にてつだってもらいながら作ったんだ! かぶってみて。」
わくわくしている星の子から夜のマントをうけとった明るい星は、しばらくそのマントをじぃっと見てから、おそるおそるかぶってみました。
すると、どうでしょう。
「うわぁ!」
明るい星にも、暗い空にたくさん光る星たちを見ることができたのです。
暗やみに、色とりどりの星たちがかがやくようすは、明るい星に元気をとどけてくれるようでした。
そうしてしばらくの間、明るい星は星空にみとれていました。
「ありがとう、小さな星の子。とてもすてきなプレゼントだよ。」
そう言って、明るい星はマントをぬぎます。
明るい星がずっとマントを着たままだと、青い星たちが困ってしまうのです。まわりの星たちにきらわれていないと知った明るい星は、いつもはこの明るさとあつさをみんなにとどけて、星空が見たくなった時だけ夜のマントを使うことにしました。
「どういたしまして!」
星の子は照れながら、わらって言いました。そんな星の子のようすを見て、明るい星は考えます。
「なにか、お礼がしたいな。小さな星の子、なにかほしいものはある?」
「え? いいよ、いいよ、お礼なんて。夜のマントを作れるようになったし、それに、おみやげ話もできたし。」
「おや。もしかして、帰るのかい?」
明るい星のことばに、星の子は少しなやんでから、こくりとうなずきました。
たくさんのおみやげ話があります。お守りやみんなからもらったもののおかげでひとりでも旅を続けていられましたが、そろそろ、けむりの中でまっている友だちにも、会いたくなりました。
「ふむ。とても遠い所から来たのだろう? それなら、いいものがある。」
そう言うと、明るい星は光の中からそりのようなものをとり出しました。
「方向をしめすだけで進んでくれるんだ。これなら早く帰れるよ。きみにあげよう。」
「いいの? 明るい星は、使わないの?」
心配そうな星の子に、明るい星は明るくわらってうなずきます。
「うん。わたしはここで、青い星たちに光とあたたかさをとどける役目があるからね。ぜひ、きみが使ってくれ。」
星の子はそれを聞いてうなずきます。
「わかったよ。ありがとう、明るい星!」
星の子は、明るい星にお礼を言って、おわかれをしました。
星の子は、もらったそりにのると、ふるさとのけむりをしめして光る、とくべつな星のかけらをかざしました。
すぅ、と星のかけらからまっすぐに光がのびてゆきます。
そりはその光がしめすほうへと進みはじめました。
はじめはゆっくり。だんだん早く。
そりはまっすぐにふるさとへと向かいます。
今ごろ、ふるさとのみんなはどうしているでしょう。
みんなへのおみやげ話をたくさんもって、星の子のぼうけんの旅は、もう少しだけ、続きます。
星の子ののるそりが、ふるさとのけむりにたどり着くまで、あと少し。
ここまでお読み頂きありがとうございました。