表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/10

†エピローグ†

 †エピローグ†

               


    0


 孤独と書いてヒトと読み、

 一人と書いてゼロと読む。



 ――これは、俺がヒトになるまでの初めの一歩。

 ――これが、俺がヒトになるまでの初めの一歩。

 生まれたときから二人だった俺は、きっと人間以前のモノでしかなくて。

 傷つけられることだけを恐れていた俺は、たくさんのモノを切り捨てて、ようやく人並みのヒトになった。

 その代償として、たくさんのものを犠牲にした。友人とか年月とか、――ひとりの少女の、あらゆる全て。もう謝ることの出来ない場所へ行ってしまった人もいるけれど、恐らく現時点ではまだ、謝罪をしてはいけないんだと思う。俺がこの世界で、どうにかこうにか生きている内は。……それでもいつか、頭を下げに行こう。全てが終わり、でもどこかでは何かが始まっている、そのときに。

 だから、今はただ、傍にいる彼女だけを精一杯想おう。

 本当に――彼女には、あるいは彼女たちには、感謝を尽くしても尽くし切れない。人間以前だった俺に、一体何を感じたのか。何故遥か高いところから、その手を伸ばしてくれたのか。その問いに彼女は、ただいつものように笑って、答えてくれなかった。……それでも、伝わるものはあった、気がする。今の俺には、少しだけ理解出来た。

 

 かくして、この物語は幕を閉じる。

 けれどもちろん俺の汚濁と血の匂いにまみれた旅路は続く。

 この壊れかけた世界で。みんなを救ってくれるとは限らない、冷たくもどこか優しい、淡雪のような儚さを持ったこの世界で。

 確かな足場などない。日常は常に不安定で、ふとした拍子にぐるりと反転し、喉元に刃を突き付けてくる。

 それでも。

 殻を振り払った俺は、まだ未熟者だけど。

 彼女が隣にいる間だけは、どうにかこうにかやって行ける。そう、確信していた。

――一度名前を捨ててまで(・・・・・・・・・・)、ずっと隣で俺を想い続けてくれたその強さは、痛みを感じるほどに胸に刻み込まれているんだから。

 

 最初の一歩目は、愛する彼女とおのべみつきと共に。

 いつか、死が二人を別つその日まで。


 

 さぁ、人間を始めよう――――







……こ、今度こそちゃんとエピローグです、完結ですよ! うん。その筈です。ようやく終わりました。

無駄な所で右往左往ありましたが、とにもかくにも、ここまでのお付き合いありがとうございました。余計なことは語らずに、静かに幕を閉じたいと思います。では、また機会があれば、そのときに。





……もっかい見直してこようっと。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ