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紅の鎖  作者: 華宮 優
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第9話

化け物たちが我が物顏で闊歩する世界。人間はゴミ屑のように扱われ、穢され、傷つけられ、命を落とす。弄ばれる生命。命を軽視される最底辺の種、人間。

力は雛のように弱く、頭も回らない。

集団をもってしても最下級の化け物にやっとくらい付ける程度。


化け物たちは時に玩具のように弄び、時に欲望を放ち子を腹ます苗床にした。


時は悪きものが自由を得る暗黒時代


その全盛を築き、頂点に君臨し全てを掌握した王。一夜にしてひとつの町を吹き飛ばす程の強大な力をもつ黒き翼をもつ者は、世界の全ての種の頂。


ある時に、王は神だ。と何者かが言った。

誰も敵わない絶対的な力を持つ王。

化け物全てが力を出し合っても敵わない王は神に違いない。神だからこそ、この世界の頂点に君臨できるのだ。周囲は皆が皆、王は神だ。と跪き、崇めた。偽りの信仰心が天に届く。



黒き王は、神にまで登りつめた。



しかし、このことによって暗黒時代は終焉を迎えることとなる。この世界を創造した神が怒りを露わにしたのである。

創造神は虐げられてきた人間たちを従え、選び抜かれた精鋭たちに力を与えた。

その者たちの力がひとつになる時、暗黒神を滅する刃となるように。


化け物たちは徐々に後退していった。はじめ暗黒神は自分は手を出さず傍観していたが、日に日に減る味方に余裕を欠いた。

そして、とうとう表舞台に登場することとなる。暗黒神と創造神に選ばれし精鋭たち。舞台は整えられた。


力は互角。


熾烈を極めた。



いつまでも終わらぬ闘いがある者の行いによって変化を生む。

それは、暗黒神を優勢に、選ばれし者たちを悲劇に導くに充分なものだった。


選ばれし者の1人の反逆によって、互角の戦いは崩れ去る。何の気持ちの変化か、何かの策なのか、しかし、優勢に傾いたのは事実。暗黒神は勢いを強めた。


神に与えられし力がひとつにならなければ、滅することができない。


味方の裏切りに他の者たちは目を疑った。そして、怒りと焦りが心を支配する。


どうしてだ、まさか、なぜだ、これではヤツには勝てない!


劣勢となった者たちは、だんだんと身体が傷付いていき、遂には1人命を落とした。痛恨の痛手。

絶望が残された者たちに襲いかかる。



しかし、希望を棄てない者がいた。



神に愛されし聖女カルマハ、その人だ。


カルマハは、自身を犠牲にすることを決意する。


辺りが眩い光に包まれる。


残された者たちが聖女が何をするのかを理解した時、止めようと聖女に駆け寄ろうとしたが、、、時すでに遅し。

選ばれし者たちの力が光となって聖女の身体に吸い込まれていく。そして、裏切った者からも力を奪った。亡くなったひとり分の力は無い、がー・・・


聖女カルマハは、光に動きを封じられている暗黒神の前にやってくると癒しの微笑みを浮かべた。



「私と共に。」


聖女カルマハは口付けし優しく抱きしめる。

すると、眩い光は、2人を包みこみ弾け散った。



聖女カルマハの勇気ある死によって、暗黒時代は終焉を迎え、人間たちの平和が訪れた。




悪き神は力を全て失い、天から見放され天に帰ることも出来ず、永久にこの大地に縛り付けられる罰を受け封印されたのだったー・・







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