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ボロい筆箱を拾ったのは理系の秀才でした!?  作者: 表 裏淳
第一章【買えない物は落ちていないか、探すべし】
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第二話【勘違いとは恐ろしい×100である】

 お久しぶりです。表 裏淳です。

 投稿が遅れてしまい申し訳ございません。

 大体一週間以内に次話投稿する予定でいかせてもらいます。

 さぁ、前書きです。

 今回は物語りが動きます。そして後書きの通りあの方が登場します。

 それではどうぞ!

 「ようやく終わったー」


 「終わったなー」


 男二人、同時に今日どの位吐いたか分からない溜め息をつく。背後にはもう時期沈むであろう夕日が二人を指していた。


 「にしても結局筆箱見つからなかったな……」


 「ああ。全く。どこに行ったんだか……」


 「大体、『浅葱(あさぎ)』は広すぎるんだよ」


 『浅葱』とは『浅葱大学附属高等学校あさぎだいがくふぞくこうとうがっこう』の略だ。

 これをフルネームで言う奴はよっぽどの真面目か凄い記憶力の持ち主と言う事になる。

 俺は……前者……だ?


 「お前って全然真面目じゃねぇだろ」


 「うるっせぇーよ!!タイミング良すぎだろ!?」


 「何言ってんだ?お前?」


 コイツとは長い付き合いだが最近俺の心を見透かしてるんじゃないかと思って仕方ない。


 「でも、良いよなぁお前」


 「唐突に何を羨ましがっている?」


 「だァてえ!!家に帰って「ただいま」を言ったら「おかえりなさい。お・に・い・ちゃ・ん」って可愛い系なのにセクシーに振舞っている妹が言ってくれるんだろうー!!この裏切り者!!」


 「お前は妹に合わせん!!一生勘違いしてろ!!」


 大切な妹を毒牙にかけようとする危険分子を今ここで除菌してやろうかな?


 「突っ込みばっかしてんじゃねぇ!」


 「お前がさせてんだよ!?」


 「お前がさせてんだよ!?」


 「意味わかんねぇよ!?」


 同じ言葉で返されたら意味がわからなくなった。何の話してたっけ?


 「……本当に羨ましいぜ」


 「しつこい。それにお前には弟がいるだろう?」


 「弟と妹は対極にあるんだ!よってお前は俺からしたら羨ましいんだよ!!」


 拳を握り俺に向き直った危険分子は正直どうでもいいことを語っている。

 そんなどうでもいいことを聞き流しながら歩くこと二十分ぐらいが過ぎた。

 突然大誠が喋るのを止め立ち止まり右の方を見ているのに気がつく。


 「おい、どうした?」


 「なぁ、秀。この辺りに文房具屋なんて在ったっけ?」


 右を向きながら問いを投げつけてきたこの人に俺はいつものように素直で真っ当なボールを返す。


 「頭がイかれたのか?そんな店この付近に在るわけ――――」

 返すつもりだった。

 だが返せなかった。

 一言目を投げたと同時に俺も右を見たのだ。

 そうしたら…………在った。

 ボロい店だったがその看板にはちゃんと『出馬文防具屋(いずまぶんぼうぐや)』と書いてあった。漢字の間違いがあるが直す気がないのか?それとも態となのか?分からない。

 とにかく新しく出来たのならこんなにボロい訳が無い。かと言って以前から在った訳でも無い。

 謎な文房具屋がそこにある。


 「なぁ……入ってみねぇか?」


 大誠は店の屋根、つまりあの看板に目をやりながら遅めのボールを投げてきた。


 「ああ……丁度筆箱が無くなったからな。新しいのを買うとしよう。そうしよう。すぐしよう」


 俺はそのボールをキャッチしてグローブごと投げ返した

 謎があるなら確かめてみたい。俺にはそういう好奇心がまだ残っている。だがそれ以外のものもある。

 大誠は好奇心。俺は不思議と足が店に向かっていた。

 そうして俺達は謎の文房具屋の扉を開いた。


     *


 「無い」


 無い無い無い無い無い。

 何処にも無い。

 今朝は在った。学校にいる間も目にとらえていた。

 なのに無い。


 「何処に行ったのだ?私の筆箱は?」


 待て。落ち着け。

 今の現状を整理しよう。

 時刻は長針が十二・短針が六。

 外にはまだ光がある。

 場所は神殿の近くの『地界の窓』付近のはず……

 ここ以外の今日行った場所は全て探した。残るは此処。

 そして最後にさっき父上様の御怒りがあった。よってもの凄い嵐が起こった後の此処。

 これを踏まえて考えると…………


 「!!」


 まさか!!

 地界の窓がもし空いていたとしたら?

 私の……女神アテナの筆箱が地界の窓に落ちたとしたら?

 リンクが切れていたら?

 大変だ。地界が混沌に支配された世界になってしまうかもしれない。人間は誘惑に弱い。それが求めているものだとしたら考えもせずに受け入れてしまう。

 馬をならす術を教えた時も戦車に馬具を使い馬をつなぐ方法を教えた時も人間はすぐ覚えた。そしてその方法を、自ら改変し、より扱い易いようにしてきた。

 人間は己の欲のためならば、神の術を超えうる。

 それは、私が一番分かっている。

 止めなければ。一刻も早く私の筆箱を取り返しに行かねば。

 争いがまた生まれてしまう。


 「父上様。申し訳ございません。アテナは言いつけを破ります」


 手を窓にかざし場所を検索。

 そして場所を確定。

 窓に飛び込む。

 私を雲が包み込む。身体が地界の人間のサイズになってゆく。当たり前だ。私がそうしている。

 ある一定の距離からは人に化ける為そのモデルとなる人間を探さなければ。

 ん?あの者……よしあの者にしよう。

 黒い衣に身を包み込んではいるが神たる私には無意味だ。


 「全く……筆無め。プリントを取りに来いと言ったのだ。なのに職員室を通りかかりもせんとは一体何を考えている」


 何やら不機嫌のようだな……


 「天咲も天咲だ。あいつ、私との約束を破り捨てるつもりか……?」


 独り言を聞く限り教育係のようだが……相当生徒の事で悩まされているのだな……最近の教育係とは。

 体育教師か?身体を鍛えていた過去があるな。


 「筆無の場合英語の基礎の基礎のき文字も分かっていない。天咲は何を考えているか分からん」


 ふむ、どうやら担当は英語か。


 「はぁ……おおっと。いかんいかん。溜め息の分だけ幸せが逃げてしまう」


 人間は独り言が多い生き物だったか?まるで誰かと話ているようだ。


 「ああ。そうだな」


 何!あの者私の存在に――――


 「すまんな。私の愚痴を聞いてくれて…………ああ。またな」


 あの人間。どうやら私ではなくあの薄い長方形に話していたようだな。……なんと憐れな。


 「さて。今日は宿直室に寝泊りするとしよう」


 そういうと人間は他より広く台が多くある部屋から出ていった。

 ふむ…………あの者の今の姿でも申し分無いのだが、十代の者が持っている場合、面倒な予感がする。

 ではあの者の、そうだな……十七ぐらいの姿を少し変えたモデルにしよう。

 ええっと……髪は顎くらいまであり眼はつり目。体格は痩せ型。だが胸部は中々だな。腹部もでていない。肌は美白。足は長い。

 一言でいうなれば……美女否、美少女と言った処か。

 身長は人間の女の平均より小さいか。

 ならば、身長だけを変えて後はそのままにしておこう。

 変身!!というのが人間の姿を変える言葉だったか?だが恥ずかしいな流石に……

 普通に変わろう。


 「          」 


 光が散ったので誰かに気づかれたかもしれないが問題ないだろう。

 うむ。身長はちゃんと……ん?


 「し、しまったぁぁアアアアア!!間違えてそっくりそのまま変わってしまった!!」


 何度自分の身体を見回しても結果は変わらず身長・百五十五cmだった。


 その高さに合わず出ている胸部はまぁいいとして…………


 「もう一度やり直すとしよう…………」


 「…………」


 「あれ?」


 「…………」


 おかしい。何度やっても光が散らない。何故だ?


 「はっ!まさか間違えて人間に転生してしまったのか!?」


 慌てて自分の手の平を見る。目を凝らして。


 「 」


 よかった。どうやら転生した訳では無いようだ。では何故だ?


 もう一度目を凝らしてみる。


 「な、何だこれは?」


 確かに神としての力は失っていない。だが、力そのものが弱くなっている。

 まさか慣れていない変化をしたから必要以上に力を使ってしまったのか?


 「はぁ、過ぎたことを悔やんでも仕方無いか……その内、力は元に戻るだろう」


 ん?だがその間私は何処に住まえばいいのだ?

 まぁなるようになる事を祈ろう。父上様に。

 

 考えをまとめると私はこの広い部屋の窓を開け飛び降りた。

 

有難うございます!!自分の小説を読んでいただき本当に有難うございます。

今回のボロい筆箱を拾ったのは理系の秀才でした!?【略してボロ秀】はいかがでしたか?

この話はシリアスな感じに仕上げようと思ったら投稿するのが長くなってしまいました。なので若干ギャグがあったんじゃないかと思います。

因みに次話は主人公の幼馴染みがちょこっと登場します(させます!!)

そしてそして皆さん(恐らく)お待ちかねの襟沢綾が登場しアテナも本格的に本編に参加します。

次話は恐らく十一月になるかならないか辺りになるかと思います。

それでは寒くなってきましたので、風邪を引かないようにお互い気を付けましょう。

それではサヨナラ!サヨナラ!!(寒いので気合いを込めました!!)

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