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G08「ガイドがいる」R10

は、恥ずかしい!

絶対、真っ赤な顔が映ってる。


と思ったのもつかの間、カウントダウンが始まってしまった。


まずい、集中しないと。

目を瞑って深く息を吐く。

吸って、まぶたをしっかりと開く。

よし!


第1ゲーム・"Move"、第1ラウンドはイタリア、かと思ったけれど。

山がちなので、道路のカーブにある矢印の標識、シェブロンを探しに行く。


「白黒にゃー!」


見つけた標識には赤枠が無かった。

サンマリノを当てて、軽くダメージを入れる。


第2ラウンド、反射板が2つ付いたボラードがすぐに見つかった。


「チェコかスロバキア。」


特定するメタは見つからず、山がちなのでスロバキアを選ぶ。

"Tawashi"さんはチェコに置いたので、少し差を広げることに成功。


調子は良い。頭の中がクリアな感じがする。


第3ラウンドは、ポルトガルのナンバープレートがすぐに見つかった。

でも、地中海のような乾燥した景色。

最南端に"Guess"で攻める。

また800ダメージを与えた。


第4ラウンド、フェロー諸島。差は付かない。


第5ラウンド、見えた瞬間、インドかバングラか迷う。

"Tawashi"さんが"Guess"ボタンを押した。


カメラの画質は良くない。インドの可能性はある。

ヤシが生えているけど、何か変だ。

他に国を特定できるもの……。

あれ、残り10秒だな。


看板を見つけた。


「ゾンカにゃ!」


んー、まだ5秒ある。


ブータンの南端に置いた。


正解まで57キロ。

"Tawashi"さんは、インド・オリッサ州に置いていた。

2600ぐらい削った。


イケる!

一気に畳みかけたい。


第6ラウンド。


「ナンバープレートが黒、ネシア。」


"Tawashi"さんがまたしても"Guess"ボタンを押した。


サラワクの電柱を探すけど、なかなか見つからない。


「あった、サラワク。」


けっこう時間を使った気がしたのに、10秒も残ってる。

それなら、寄せたい。


道路を進む。

看板があった。"Kota"……。


「コタキナバルにゃー!」


地図をズーム、ピンを置く。

まだ5秒あった。

タイマーが壊れてるみたい――違う、数字は普通に減ってる。

体感だけが伸びてる。


道路の角度を合わせて微調整した。


結果は、5K。


"Tawashi"さんから"GG"が送られて、私の勝利で第1ゲームが終わった。


まよちゃんたちが何か言ってるけど、よく聞こえない。

ナンだろう、カラダのチカラがヌケて、キモチイイ。


そのまま第2ゲーム・"No Move"が始まった。


第1から4ラウンドまで、ふわふわしたまま、"Tawashi"さんにダメージを与え続ける。


ズームイン・アウトを繰り返しながら、面白いようにメタが見つかる。

ナンバープレートやボラード、電柱はもちろん、看板の文字や爆弾ヤシや、それから……。


第5ラウンド、地中海?

ボラードはスペイン。


道路番号・"Ma-13"を見つけた。


マドリード?

違う、この辺りは"M"1文字だけだ。


「マヨルカ。」


スペイン本土の東の地中海に浮かぶ島。

建物の密度が高い。


「パルマです。」


ピンを置いて、"Guess"ボタンを押そうとして異変に気付く。

開始から10秒経ってない。


「何か、変にゃ。」


第2ゲームも、私が勝利した。


「ちとちゃん! 終わったっすよ⁉」


まよちゃんに肩をポンポンと叩かれて、急に周りの物に色がつく。

でも、プレイ中はメタの色は見えてたにゃ。


「もしかして、お腹空いたのかしら〜」


「え、えっと、だいじょぶです。」


「ちとちゃんが、ポンコツ美少女になったっす!」


まよちゃんがケラケラ笑ってる。


「ポンコツじゃにゃいもん。」


梨沙子先生の心配そうな声も、何か遠くから聞こえる。


「だいじょぶ? 千登世ちゃん。」


「はい、だいじょぶだと思います。」


周りの光がゆっくり揺れているように見える。

カチカチと鳴るマウスの音も、まるで水の中で響いているみたいに遠い。

自分の手だけがはっきりと動いて、世界を置いていくような感覚。


この感じ、前にも経験したことがあるよーにゃ、ないよーにゃ。

んー、にゃんだっけ?

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